雷を堕とす #1、ブラウン管
ある下町の工場
その日は、朝から晴れていて、一見穏やかではあったが、ある工場だけは違った。朝から荒れに荒れて、怒声が飛び交っていた。その工場の名前は"ミウラ運送"と言い、作業員は七割方、派遣社員で主に荷物の仕分けがメインの小さな下請け会社である。その工場で、朝から荷物を勝手に開けたとイチャモンを付けられたと、一人の作業員が数人に喧嘩腰で怒鳴っており、それを周りが止めにかかった為に更に混乱した状況に拍車がかかっていた。
「お前が言い出したんだろ!」
「うるせい!お前が疑わ