岬たろう

作業を終え、帰るまでの待ち時間に書いたものを載せています。 <日常清掃員(パー…

岬たろう

作業を終え、帰るまでの待ち時間に書いたものを載せています。 <日常清掃員(パート)> 男(43歳)

マガジン

  • 雷が墜ちる~私が悲鳴を上げるまで~

    それは、下町に住む一人の中年男の嫉妬からはじまった、、。 その感情に因って起こった現象は東京に住む一人の人気女性キャスターに届けられると、不幸が彼女を呑み込んだ、、。 そんな彼女は、やがてその原因がある下町に住む者に因る仕業だと突き止めると復讐の為、西の小さい町に現れた。 こころの声を元に、、。 暴力表現・性描写あり(15歳以上推奨)

最近の記事

#2.コントラスト

午後17時を過ぎた工場内に定時を知らせる音が鳴った。 佐久間は、敷かれたブルーシートの上であぐらをかき、業務用のダンボールを1つ1つ広げて作っていた最中であったが、その音を聞くと直ぐに立ち上がって、組み立てたダンボールの隙間をすり抜けて更衣室の方へ歩いて行った。 ブルーシートの上に中途半端に置かれた幾つかのダンボールは、その端がシートからはみ出しており、それを見て1人の年長作業員がその端をわざと軽く蹴って 「揃えて置くか..隅っこの方に並べるとか、しとけや!」 と何処

    • #1.暗黙

      簡単には、変われない。だから、私は手軽な言葉から始めた。 執念が雷を呼び、目を覚ます前に彼等、彼女等は行動した。こころの探り合いをもとに、、" ─── 西の方にある、工場《こうば》として栄えた下町。 古くは、単なる名のない田んぼだらけだった場所。 そこに利益になりそうな事だけには、知恵を搾る者達が集まり出来た地域。 感情よりも利益。利益の為の人情。 人情とは、都合の良い表現であって、 とどのつまり、人情とは...ヤクザ。...のような。 ──── ── 5月に

      • 雷を堕とす #1、ブラウン管

        ある下町の工場 その日は、朝から晴れていて、一見穏やかではあったが、ある工場だけは違った。朝から荒れに荒れて、怒声が飛び交っていた。その工場の名前は"ミウラ運送"と言い、作業員は七割方、派遣社員で主に荷物の仕分けがメインの小さな下請け会社である。その工場で、朝から荷物を勝手に開けたとイチャモンを付けられたと、一人の作業員が数人に喧嘩腰で怒鳴っており、それを周りが止めにかかった為に更に混乱した状況に拍車がかかっていた。 「お前が言い出したんだろ!」 「うるせい!お前が疑わ

        • 寄り道

          いいか要領良くやるんだぞ? 何も無いと思ったら直ぐに去る 見つけたとなったら食らい付く お前さんはいつも極端なんだよ… 喜ぶか悲しむ… そんなんじゃ駄目だ! いいか? ハンカチなんぞ使うなよ… ジャムはたっぷり塗れ!

        #2.コントラスト

        マガジン

        • 雷が墜ちる~私が悲鳴を上げるまで~
          2本

        記事

          馴染み無い、街での散歩

          街を点もなく 歩き回ると、私は死角になるものに隠れてしまい… ただただ自分の小ささに気づきます。 ※イラスト「かつらを被るハムスター」 (エンツォ・岸田フィルムの落書きより)

          馴染み無い、街での散歩