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雷が堕ちる~私が悲鳴を上げるまで~

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手軽な言葉から始まった遊びは、黒く大きな雲を作り、下町に住む一人の男の嫉妬と東京の人気女性キャスターを呑み込んだ。 それに気づいた2つの声は、そんな二人に呼び掛ける。 1つは…
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記事一覧

#8.上下

佐久間 政夫の住むアパートで起こった、ブラウン管の謎の電気ショート。 それから1ヶ月半が過…

岬たろう
10時間前
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#7.メッセージ

─── ── ──── 「きっと私たちは、悪い夢に閉じ込められちゃったんだよ?」 「..じ…

岬たろう
8日前

#6.番組を見る視線に一人の悪魔

午後13:28 「もうやめる!」 亨子は、自身が住んでいる高級マンションの自宅に付き添いの女…

岬たろう
13日前

#5.沈殿する声

大柴 亨子の起こした衝突事故。 その4日後の午前11:16分頃。 東京都港区の道路で実況見聞が…

岬たろう
2週間前
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#4.遠雷

外を知ろうとしない者は平気で勘違いをし、 この容姿が錯覚や脅威を与えないものかと考えるの…

岬たろう
3週間前

#3.仮想敵

近くのこぢんまりしたコンビニで晩ごはん買い、18時過ぎに自宅のアパートに戻った佐久間は、部…

岬たろう
3週間前
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#2.コントラスト

午後17時を過ぎた工場内に定時を知らせる音が鳴った。 佐久間は、敷かれたブルーシートの上であぐらをかき、業務用のダンボールを1つ1つ広げて作っていた最中であったが、その音を聞くと直ぐに立ち上がって、組み立てたダンボールの隙間をすり抜けて更衣室の方へ歩いて行った。 ブルーシートの上に中途半端に置かれた幾つかのダンボールは、その端がシートからはみ出しており、それを見て1人の年長作業員がその端をわざと軽く蹴って 「揃えて置くか..隅っこの方に並べるとか、しとけや!」 と何処

#1.暗黙

簡単には、変われない。だから、私は手軽な言葉から始めた。 執念が雷を呼び、目を覚ます前に…

岬たろう
4週間前