見出し画像

24時間で消えるFleetが消える日。

2020年11月にTwitterで正式リリースされたFleetですが2021年8月3日に提供を終了するそうです。9ヶ月程度の命でした。

FleetとはTwitterタイムラインに残らない24時間で消える投稿で、言葉を選ばずに言えばInstagramのStoriesの丸パクリです。丸パクリしたにも関わらずTwitterはInstagramになりきることができませんでした。これはそれぞれの顧客層や使い方がどうやら異なるらしいことを示唆しています。知ってたけど!

公式によれば「人々がプレッシャーを感じずに、リラックスしてそのときの思いを表現できるよう」実装したそうです。しかしInstagramは使わずTwitterを使っている身としては、特にTweetにプレッシャーを感じたことはなく、どちらかと言えば自分が投稿をしたことや他人の投稿を見たことが一目瞭然であり、タイムラインに埋もれることのないFleetのほうがプレッシャーを感じるのではと思わなくもありません。

Tweetにプレッシャーを感じていないと、そもそもFleetには何を載せたらいいんだよという壁にぶち当たります。Tweet向きのラーメン画像とFleet向きのラーメン画像の境界は一体どこなのか。一体何が違うのか。そしてここでラーメン画像を例示してしまうあたりがInstagramに向いていないなと思いました。映えるラーメンもあるという反論は受け付けます。

Fleetの個人的な面白さは文字の数や大きさや色を自由に変えて自由に配置できることでした。センスが問われます。ある程度の制限の中で試行錯誤して凝りに凝るのはなかなか楽しいものです。渾身の力作も24時間で消えてしまうのだけれども。諸行無常。

自分のツイートを引用できるのも特徴のひとつで、これに先に述べた「自分が投稿をしたことや他人の投稿を見たことが一目瞭然であり、タイムラインに埋もれることのない」という特性を組み合わせるとあることに向いていることに気がつきます。宣伝です。企業アカウントは宣伝する場としてFleetをうまく使っているように思います。私自身も両手で数えるくらいのFleet経験のうちのほとんどは、このnoteへの誘導Tweetの宣伝でした。足跡の数字と埋め込んだTweetのインプレッションの数字を眺めてみると、その効果を測ることができ、実際、それなりの効果はあったように思います。

この宣伝的な使い方はどうやら公式の望んだものではなかったようです。文字などで追加装飾する機能は何かしらの形での再利用を考えつつ、Fleetの提供終了を決めました。皮肉なことに、終了のアナウンスでFleetが注目を集めた結果、Fleetが活発化しているような気がします。ここにきてようやく公式の望んでいたターゲット層にFleetの面白さが伝わり始めているような気がします。ようやく公式の望んだ世界に向けて歩みを進め始めたような気がします。しかし時はすでに遅し。残念ながら今から決定が覆ることはなく、みながFleetの何たるかを理解した頃にFleetはなくなってしまうのでしょう。

次はどんな斜め上の機能を実装してくれるのか。楽しみにしながら残された期間のFleetを楽しみたいと思います。

余談
24時間で消えるからといって何でも書いていい場所というわけではないのですが、少しばかり気持ちが緩むのか本心というかTweetでは見せていない部分が見えちゃっている人をちらほら観測できて面白いです。スクリーンショットを撮られている可能性を考えると怖くないですか? 自分の手元のソースは24時間で消えちゃってるのに相手の手元にだけソースが残っている可能性を考えると怖くないですか?

頂いたサポートは、美味しいものを経て、私の血となり肉となり次の作品となる。