「CYaRon!First LOVELIVE! ~ Braveheart Coaster ~」を終えて〜AZALEAはセトリで何を魅せるのか?〜
2020年2月22、23日の2日間、「LOVELIVE! SUNSHINE!! UNIT LIVE ADVENTURE 2020」の第二弾として、福岡は小倉の西日本総合展示場新館ABCにて「CYaRon!First LOVELIVE! ~ Braveheart Coaster ~」が開催されました。
別項でも書きましたが、Guilty Kissが想像を越えるパフォーマンスで魅せてくれた後にCYaRonは一体何を見せてくれたのでしょうか。
以下、ネタバレを含みますので「LOVELIVE! SUNSHINE!! UNIT LIVE ADVENTURE 2020」は何の情報も得ずに直接この身で体感したいんだ! という方はここで引き返すことをお勧めします。
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セットリストはこちらです。
1. 元気全開DAY! DAY! DAY!
2. 届かない星だとしても
3. 海岸通で待ってるよ
4. Landing action Yeah!!
5. CHANGELESS(トロッコ)
6. 夜空はなんでも知ってるの?(トロッコ)
幕間
7. One More Sunshine Story
8. RED GEM WINK(トロッコ)
9. Beginner’s Sailing
10a. Step! ZERO to ONE
10b. Aqours☆HEROES
11. P.S.の向こう側
幕間
12. 近未来ハッピーエンド
13. 太陽を追いかけろ!
幕間
14. Braveheart Coaster
15. コドク・テレポート
16a. ホップ・ステップ・ワーイ!
16b. Jump up HIGH!!
17. ユメ語るよりユメ歌おう
アンコール
18. Pops heartで踊るんだもん!(トロッコ)
19. サクラバイバイ(トロッコ)
やりやがったな……!
誰だよ! CYaRonは「WATER BLUE NEW WORLD」の代わりに「MIRAI TICKET」歌うとか言ってたのは! 私だよ! 恥ずかしい。
私の考え方が甘々でした。Guilty Kissのセットリストを参考にしながらCYaRonのセットリストを考えることはどちらかと言えば「Guilty Kissが考えそうな最強のCYaRonセットリスト」に近いものであり(それもまた遠いんだけど)、「CYaRonが考える最強のCYaRonセットリスト」とは程遠いものでした。まさかここまでキャストにセットリストを決める裁量が与えられていたなんて……。結果的に、想像以上にCYaRonらしいCYaRon 1stライブを楽しむことができました。印象に残っている部分をつらつらと記していきます。
・開幕が「Braveheart Coaster」じゃなかった。
Guilty Kissが開幕に「New Romantic Sailors」を持ってきたので当然CYaRonも開幕に新曲表題曲を持ってくると思っていました。しかし「Braveheart Coaster」のOPムービーを経て逆光の中に現れた3人のシルエットにはどうにも見覚えが……! 1stシングル「元気全開DAY! DAY! DAY!」でした。いやはや。開幕早々、次の曲の先読みを諦めることになるとは思いませんでした。
・日替わり曲が懐かしかった。
CYaRonが選んだED曲でもAqours CLUB曲でもないカバー楽曲は「届かない星だとしても」「Step! ZERO to ONE」「Aqours☆HEROES」「太陽を追いかけろ!」「Pops heartで踊るんだもん!」の5曲でした。Aqoursの1stシングルと2ndシングルのカップリング曲に、アニメ1期Blu-ray特典の最初の曲と最後の曲という懐かしいラインナップ。特に「Aqours☆HEROES」はいつ振りでしょう。感慨深かったです。「Pops heartで踊るんだもん!」と併せていつか9人でもやってほしい楽曲。選曲自体にGuilty Kissの「MY舞☆TONIGHT」ほどの大きな意外性と新規性はありませんでしたが、2曲目がいきなりカバー曲だったり、カバー楽曲を日替わりにしていたり、冒頭に1から9までカウントアップする箇所をC、Y、R、福岡行くばい(だったかな?)に改変していたり、サプライズはありました。そうきたか。わちゃわちゃしていてコールもめちゃくちゃ楽しく、振り返れば実にCYaRonらしい納得感のある選曲だったと思います。
・「Braveheart Coaster」の情報量が多くて酷かった(褒め言葉)。
何から話せばいいのでしょう。とりあえず衣装の話をしましょう。ユニットシングル1st衣装で始まり、幕間アニメを挟んでソロ衣装に着替え、幕間アニメを挟んでユニットシングル2nd衣装に着替え、ふと気がつくわけです。どのタイミングで新衣装であるところのユニットシングル3rd衣装に着替えるのか? と。出だしから新衣装だったGuilty Kissは1st衣装と2nd衣装が日替わりだったぞ? と。答えはまさかのアンコール……というわけでもなく、幕間をもうひとつ設けていたのでした。内容はアニメではなく実写。言ってみれば「てくてくAqours〜CYaRon花やしき編〜」でした。「Braveheart Coaster」に因んで遊園地でジェットコースターに乗ろうという試みで、なんやかんやあって芸人さん御用達の顔面アップカメラを装着した3人が乗るジェットコースターが急降下し始めたところで映像は終わります。「え? 続きは??」という微妙な空気が流れる中で舞台装置のジェットコースター(彼女らの中での通称おもち)に乗って新衣装のキャストが登場。楽曲が始まり、微妙な空気と幕間映像のことなど忘れかけてやってきたサビ手間で事件は起こります。3分割されたセンターモニターに、デン、デン、デンとリアルジェットコースターに乗った3人の顔面アップがテンポよく映し出されたのです。「あ、これ今から頭悪い(褒め言葉)演出始まるな」と確信に変わってからサビまでの1秒もないくらいのワクワクの密度の高さたるや。
「忘れたくない♪ Brave(ギャーーーーーーー!)」
忘れられるか!!
新衣装で新曲のサビを歌って踊る可愛い3人の後ろに流れる絶叫する3人の顔。踊る3人も見たい。叫ぶ3人も見たい。あ、降幡愛さん(たぶん本人か事務所NGの顔して)規制入った……! あまりの情報量の多さに何を見たらいいのかさっぱりわかりませんでしたが、かつてない演出が楽しくて仕方ありません。2日目こそは映像そっちのけでダンスを……! と心に決めて臨むもダメでした。このインパクト抜群の演出をやりたいと言い出したのは一体誰なのか。やっぱりCYaRonの3人なのかな……。そういえばライブビューイングではバックモニターを映すことがなく、現場で何が起こっているのかサッパリだったそうです。何という現地特典。映像収録されることがあるなら、どんな形になるのかも楽しみのひとつです。
・「CHANGELESS」と「コドク・テレポート」が好きになった。
カップリング含めた新曲試聴動画は以下になります。
正直な第一印象は「物足りないな」でした。ギャップが売りのひとつのCYaRonなので、3曲すべてが元気系ソングではないとは思っていましたが、まさか元気系ソングが1曲しかないとは。果たしてこの3曲を引っ提げてのライブは盛り上がるのでしょうか。そんな私の不安は結果的に杞憂に終わりました。めちゃいい。セットリストへの組み込み方も絶妙だったと思います。
「CHANGELESS」はギャップ枠として「夜空はなんでも知ってるの?」と抱き合わせての披露。舞台役者である伊波杏樹さんがいるから目立つのか、演劇のようなミュージカルのような物語を感じさせる表現力豊かな振り付けもCYaRonの魅力のひとつだと思っています。しっとり系の楽曲であれば声をあげることなく静かに見守るより他なく、自然と振り付けや表情に吸い込まれ、魅せられてしまいます。「夜空はなんでも知ってるの?」では、最後の最後の何かに気づいたような何かを失ってしまったような表情が堪らなく好きでした。新曲「CHANGELESS」では、出だしに砂浜で見つけたサンダルの砂を払う斉藤朱夏さんが絵になるような美しさで大変気に入っています。
「コドク・テレポート」は「Braveheart Coaster」の後に披露。「元気全開DAY! DAY! DAY!」や「近未来ハッピーエンド」ほど底抜けに明るくもなく、「夜空はなんでも知ってるの?」や「CHANGELESS」ほどしっとり切なくもなく、その中間に位置しそうな「P.S.の向こう側」や「海岸通りで待ってるよ」や「サクラバイバイ」とも何か違う、明るさではなく可愛さと切なさが同居したCYaRonの新境地のような気がしています。ライブでは舞台演出と衣装の噛み合わせが抜群でした。衣装は先の試聴動画のサムネイルにも描かれているように、ミニスカートと合わせてスポーティーで元気な印象のもので、「Braveheart coaster」に合わせていると思われます。つまり「コドク・テレポート」にはあまり合っていないのです。ところが昇降機でステージがせり上がり、青めの背景映像(英霊召喚とか言うんじゃありません!)と照明に照らされた瞬間、クールでサイバーで何だかテレポートできちゃいそうな感じに早替わり。同じ衣装でここまで見え方を変えられるのかと驚きました。背景映像に合わせて歌って踊る演出はAZALEAの御家芸である印象が強く、それをCYaRonで見られたのが新鮮でした。そして振り付けが可愛い。肉球で手招きするような仕草が大変気に入っています。
つまるところ、これら2曲は観ることにより、私の中で大化けしたということで、特に「コドク・テレポート」はもう一度観たい楽曲のひとつです。
・「サクラバイバイ」がバイバイしなかった。
アニメ2期Blu-ray全巻特典の「サクラバイバイ」はCYaRonの楽曲の中でも特に好きな楽曲です。3年生がいないCYaRonだからこそ歌える送る側の卒業曲。前回披露されたのは5thライブでしたが、そのときは残念ながら2日とも私がいる方向とは逆にトロッコがバイバイしてしまい、少しばかり悲しい思いをしていました。しかし、今回は、私がいる方向に、トロッコが! アンコールも終盤、フィナーレに向かって駆け抜けていく眩しいくらいに笑顔のCYaRonのみんなに、間近で手を振り声を掛けることができたのは良き思い出です。本当に本当に最後の曲という配置がお見事で、切なくも元気で前向きな「サクラバイバイ」ほど、CYaRonのライブの〆にピッタリの曲があるでしょうか。私ではもう他の選択肢が浮かびませんでした。どうでもいいですが、この日以降、終電バイバイや、ミートバイバイ(肉離れ)等、何かとバイバイをつけては「そっちのほうがいいね」と煽られる汎用性の高い遊びが身内で流行っています。
・新衣装のCYaRonの3人が可愛かった。
あの髪型ずるくない?
・総評
Guilty Kissに比べると……いや、比べる必要はありません。正確には比べることのできない種類の異なるエンターテイメントであり、紛れもないCYaRonの1stライブでした。この「LOVELIVE! SUNSHINE!! UNIT LIVE ADVENTURE 2020」は、キャスト達がカバー曲の選択に留まらない裁量権を活かしてユニット毎の持ち味を発揮しまくるライブである、と2つのユニットを通じて確信することができました。MCやオーバーアクション気味な歌唱のアレンジに垣間見えたキャスト達のいつも以上に楽しそうな姿は、これまでの経験による余裕からくるものだけではなく、いつも以上にライブ作りに携わっているだろう影響もあるのかもしれません。
では、最後に残されたAZALEAは一体どんな持ち味を私達に見せつけてくれるのでしょう。ご存知の通り、世の大混乱で当初予定されていた日程は飛んでしまいました。しかし私はまだ諦めていません。彼女達があっと驚く花を咲かせてくれるその日を、いつまでも心待ちにしています。
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