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スクフェス2が早々に減損損失してしまった。

株式会社ブシロードは2023年8月14日に2023年6月期第4四半期決算を公表しました。6月締めなんですね。その中の「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル2 MIRACLE LIVE!(スクフェス2)」に関する話題がこちら。

当期は中期的に成長を実現する下地作りのため投資を加速する時期と考え、「バンドリ! ガールズバンドパーティ!」の超大型アップデート及び「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル2 MIRACLE LIVE!」といった開発実績のあるIPのモバイルオンラインゲーム(MOG)への投資を実施いたしました。
会計処理としては、①MOGの開発実績があり、かつ、②前作またはアップデート前の初期開発費をリクープしているIPのMOGの開発費についてはリクープが期待できるため、ソフトウェアとして資産化した上で、リリース後に12か月で均等償却する予定としておりました。
しかしながら、両タイトルともリリース後、想定していた12か月分の収益を見込むことができず、ソフトウェアの資産残高を一括で減損損失として認識いたしました。

株式会社ブシロード2023年6月期通期決算説明資料

減損損失です。うっ……頭が……! 2023年6月末をもってサービス終了した「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル ALL STARS」でも聞いたことのある用語です。こちらはリリース20ヶ月いくかいかないかくらいの時期に発表されましたが、スクフェス2はリリース4ヶ月。4ヶ月で(6月末に締めていれば2ヶ月半で)資産価値なしの判断が下りました。1年で減損損失しないといいなと思っていましたが、リリース後の最初の四半期決算で減損損失するとは思っていませんでした。

先日のスクフェス2のPPM分析による嫌な予感が当たってしまいそうな形です。

現状、特に課金する必要なく遊べるので、いちユーザーの立場からみると嬉しい反面、ビジネスの立場からみると厳しい印象です。うっ……頭が……! 1年持たずにサービス終了宣言していた「ぷちぐるラブライブ!(ぷちぐる)」と似たような状況。ヘビーユーザーの闘争心を煽るランキングシステムがある点は救いでしょうか。

ここから売上を上げる大きな方向性はふたつ。顧客数を増やすか、顧客単価をあげるかです。

顧客数については、シリーズ全曲の実装により、これまでスクフェスを引っ張ってきたμ'sとAqoursのファン層とは異なるユーザーを取り込む算段だったように思います。スクスタのサービス終了による虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会ファンの受け皿としての役割も想定されていたはずです。しかしイベント毎のキャラ別ランキングを見るとユーザーのイチ推しはμ'sとAqoursに偏っているので、新規顧客の獲得はおそらくあまりうまくいっていません。

また、顧客単価については、リニューアルに伴う資産のリセットで、これまで売り上げに貢献してくれていた顧客単価の高いユーザーをいくらか失ってしまったことに加え、今回の減損損失でいつサービス終了してもおかしくない状況が可視化されてしまったことで、今から頑張って課金したくなる空気ではなくなりました。

ここからどんな逆転劇を見せるのか。課題抽出のためのユーザーアンケートが実施されたので、その結果を受けて、何かしらのテコ入れをしていくのでしょう。私の頭ではここから売り上げをあげるための策はやっぱり思いつかないのだけれど。

ゲームで利益を生み出すことは諦めて、できるだけ赤字を抑えながら、ラブライブ !シリーズの楽曲を扱う広告塔として割り切るのがいいような気もします。

音ゲーとしては高難度のMASTER譜面の未実装曲が多いのでこのあたりを補強してもらいたいところ。リリース後にひとつも増えていないのでそもそも実装する気がないのかもしれませんが……。MASTER譜面がいくらか出揃うまでサービスが継続されているといいなぁ。

余談
同時に減損損失をしたガルパも遊んでいます。こちらはこちらでイベント走りながらアクティブユーザーが減っていることを肌身で感じています。スクフェスに限らず音ゲー自体が難しい時代なんだろうなぁやっぱり。プロセカはうまくやっているけれど。

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