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「ラブライブ!スーパースター!! Liella! 5th LoveLive! ~Twinkle Triangle~」の感想文。

2024年1月20、21日に福岡は西日本総合展示場で、2月9、10日に東京は武蔵野の森総合スポーツプラザで「ラブライブ!スーパースター!! Liella! 5th LoveLive! ~Twinkle Triangle~」が開催されました。

正直そもそもの期待値が低かったというのもあったのですが、私の期待を大きく上回る素晴らしいライブでした。今からLiella! を追うなら何処から? と問われたら間違いなくこのライブと答えます。だから早く出てBlu-ray。

そもそもなぜ期待値が低かったかと言えば、2023年8、9月に開催された「ラブライブ!スーパースター!! Liella! 4th LoveLive! Tour ~brand new Sparkle~」から手持ちの武器がCD1枚2曲しか増えていないからです。かつてAqoursも3rdライブからCD1枚で4thライブを行いましたが彼女らには東京ドーム公演という特別な要素がありました。一方でこちらは福岡と東京のいつものハコです。後輩である蓮ノ空スクールアイドルクラブの1stライブと同じハコです。ラブライブ!運営どういうつもり??

一応、5thライブ開催前にコンセプト動画が公開されており、4thライブから地続きであること、久しぶりの曲を11人でやったりやらなかったりしそうなこと、ユニット曲もあるらしいことが推察されました。それでも11人のアニメが未だ始まっていないためか、11人で歌うことにあまり魅力を感じることなく、期待値が上がらないまま、福岡公演は見送ってチケットが握れた東京公演2日目のみ現地参加することにしました。

ところが福岡公演の配信を見たら手のひらをクルリと返しまして。取れていなかった東京公演の1日目も立ち見をなんとか勝ち取り両日現地参加となりました。以下、私をそこまで突き動かした5thライブのよかったポイントをツラツラと語ります。

・掴みが抜群だった。
最初っから賛否の分かれる11人バージョンの「Starlight Prologue」で驚きました。これは1期生5人で歌うアニメ1期の最後の挿入歌です。コンセプト動画からアニメ曲の11人バージョンをライブ中にやるだろうことは予見していましたが、まさか一発目がコレとは。こりゃもう何でもありで次に何が来るかは読めないなというワクワク感が堪りませんでした。あとは何といっても声出しですね。1stライブや2ndライブは声出しNGだったので、皆の驚きの歓声の中で展開される「Starlight Prologue」があまりにも感動的で早々に「何で現地にいないんだよ私は!」と悔い改めたのでした。そうか5thライブは声出しできなかった懐かしの曲を声出しで体験できるライブなんだと、ここで気づかされました。

・11人をうまく使ってテンポよく進めてくれた。
私の1stライブの好きなポイントのひとつは5人しかいなかったのに5人曲を2〜3人で歌うなど工夫して必要以上に幕間を挟まずにテンポよく進めてくれたことです。11人になってソロもユニットもあればよりテンポよく進められるだろうと思っていたのにそうでもなくてちょっとガッカリしたのが4thライブでした。一転して今回は1期生の5人曲を2期生4人で歌ったり3期生2人で歌ったり。唐可可役のLiyuuさんと葉月恋役の青山なぎささんが歌う円盤特典曲(そう言えばライブ未披露だった)から、そこにウィーン・マルガレーテ役の結那さんを加えてシームレスにユニットコーナーに突入したり。ライブの構成がとてもよくできていました。ちなみに2期生と3期生が歌った1期生5人曲は未だに1期生5人で歌われたことがありません。徹底して可変場繋ぎ楽曲な「バイバイしちゃえば!?」と「1.2.3!」であるよ。

・改めて聞くとユニット曲が強かった。
4thライブが言わば11人体制とユニットお披露目のためのツアーだったのですが、開催場所によって聞けるユニットが違うという何とも言えない仕様と日程の都合(Liella! も参加しているアニサマと被せるな……)でひとつのユニットしか聞けておらず、残りふたつはプロデューサーと共に異次元フェスで初めて生で聞きました。Liella! のユニットのメンバーの組み合わせはこれまでの先輩方とは異なり、ファン投票ではなく運営による固定です。察するに中の人ベースで、ボーカル特化、ビジュアル特化、ダンス特化(とその他)で分けられており、それぞれの魅力が詰まったカッコいい楽曲に仕上がっています。改めて聞くとどの楽曲もすごくいい。「影遊び」の米女メイ役の薮島朱音さんの「まだだ」のがなり声からしか摂取できない栄養があります。

・気がついたら盛り上がり曲が増えていた。
Liella! のよく見る悪評のひとつは「曲が弱い」です。これは追っている身としても感じるところでフェスに出れば延々と相対的盛り上がり曲である「Day1」を擦っていました。いや5thライブでも擦っていたけれども。それでも以前よりは声出しで盛り上がれる曲が随分と増えて、今なら「Day1」抜きでフェスに耐えるに十分な手札があります。中でも「MIRACLE NEW STORY」と「キラーキューン☆」はお気に入りです。この2曲は1周年を待たずにサービス終了が決定したスクフェス2のコラボシングル。これらが生まれたというだけでスクフェス2には存在意義がありました。3rdライブ千秋楽時点で待ち望まれた盛り上がり曲であった「Second Sparkle」が5thで既に干されていて、それなしでも戦えるようになったんだと思うと感慨深いものがあります。

・5人曲カバーにリスペクトが感じられた。
最初の「Starlight Prologue」もそうでしたが、アニメ挿入歌を11人で歌うというのは若干センシティブな試みで、今も尚、受け入れられていない人がいることでしょう。私も5人に対する拘りが比較的強い方なので大丈夫かなぁと心配していましたがわりとすんなりと受け入れることができました。理由は大きくふたつあって、ひとつは9人に増えたときに2期生4人が頑張ってくれたことで11人に増えることに対して全く抵抗感がなくなっていたこと、もうひとつは11人でカバーするにあたっての歌割りや舞台の使い方にオリジナルに対するリスペクトが感じられたことです。ここは元の5人に委ねてくれるのね、とか。ここはこの組み合わせで歌うのね、とか。特に「Wish Song」は顕著でメインステージの上段を1期生5人、下段を他の6人が使い、澁谷かのんが葉月恋の涙を拭うところで下段の6人含めて全員が葉月恋の方を向く演出はとても美しかったです。この楽曲が歌われるに至るアニメの展開は未だに納得していないけどね! アニメの展開と言えば2期で自らを下した「Sing!Shine!Smile!」をどのツラさげて歌っているんだウィーン・マルガレーテ! と引っ掛かりを覚えていましたが、最終公演のMCで結那さんが自らの考えを語ってくれて一旦納得しました。このあたりは本来はキャストに語らせるべきではないと思っています。幕間アニメでも一応触れられてはいたものの、11人で歌う文脈に関する情報が先のコンセプト動画と幕間アニメくらいしかないのはあまりにも薄いので、早いところアニメ3期で上手く回収してほしいものです。

あとは雑多に
・4thで復活した伊達さゆりさんの歌声が5thでも安定していた。
・ショートパンツの大熊和奏さんのゴリゴリのダンスがカッコよかった。
・鈴原希実さんが相変わらず隙あらばファンを撃ち落としていた。
・坂倉花さんが初ステージから半年足らずで1期生2期生に引けを取らないパフォーマンスをされていた。
・11人になることばかり考えていたらオリジナル2人の「Tiny Stars」が飛んできて温度差で風邪ひきそうだった。
・「UNIVERSE!!」の静寂台無し問題が「キャストの感謝の言葉で静寂を作らない」で解決されていた。
・1日目のアンコール一発目の5人から始まるアニメ1期OPで泣いた。
あたりがよかったです。

世の評価は割れているようですが、私は今のLiella! の11人でやれる最高の形を見せてくれたと感じています。良くも悪くもアニメ的な文脈がほとんどなく、時期的に異次元フェスからLiella! に興味を持った人が覗いてみるのにも最適な内容だったんじゃないでしょうか。ラブライブ!じゃなくてもいいじゃんという声は今に始まったことではないので5thの評価としてはあまり気にしていません。また、個人的には彼女たちの役割はこれまでラブライブ!に触れてこなかった層にアプローチすることだと思っているので、特にアニメを背負っていなければラブライブ!要素は薄めから入ってもらってもいいのかなと思っています。どちらかと言えばそれでいて5thでやたらと「11人と11人の22人で」を言葉に出して強調していたことのほうが気になりました。ラブライブ!運営がLiella! をどう舵取りしたいのか、彼女ら自身がどう思っているのかは未だに掴みかねています。

ともあれ、2023年の秋から冬にかけて、蓮ノ空スクールアイドルクラブもAqoursも虹ヶ咲スクール学園同好会も素晴らしいライブを見せてくれた中で、Liella!  だけ残念な感じになったらどうしようと心配していましたが、Liella! もLiella! なりにしっかり魅せてくれて安心しました。リスアニ、超次元と立て続けにやられてすっかりLiella! モードの私。新たに告知されたユニットファンミツアーも10月からのアニメ3期も楽しみにしています。

余談
ライブの幕間アニメですっかり溶け込んだ3期生、今さらアニメでツンツンしながら9人の前に現れられても困っちゃいます。最後に華麗なるちゃぶ台返しを決めた留学の件と合わせて3期生の扱いもどうするつもりなんだろうなぁ。アニメ2期以降、Liella! は好きだけどラブライブ!スーパースター!! にはどうにも不信感が拭えない私です。関連して、参加者による5thの賛否は、ラブライブ!スーパースター!! を軸に好きな人とLiella! を軸に好きな人でざっくり分かれている印象。私は後者だから追えているのかもしれません。

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