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「第4回 音で沼津を照らしたいコンサート」に行ってきた話。

2019年9月22日に沼津市民文化センターの大ホールにて行われた「第4回 音で沼津を照らしたいコンサート」に行ってきました。移動しながらでなければ撮影OKなのだからnote書くなら写真や動画のひとつやふたつ撮っておけばよかったのですが、パフォーマンスに夢中で撮影どころではなく、そもそもnoteを綴ろうと思うほどテンションがあがるとも思っていませんでした。つまるところ想像を遥かに越えてめちゃくちゃ楽しかったということです。演奏がどうとかは語れる立場にないので、だいたいは楽しかった空気のお話になります。

「音で沼津を照らしたい」こと通称「おとぬま」については以下を参照いただければと思います。

「ラブライブ!サンシャイン!!」のアニメ1期挿入歌である「夢で夜空を照らしたい」をモジった集団である彼らは「ラブライブ!サンシャイン!!」の楽曲をアレンジして演奏するグループです。名前だけは以前から知っていましたが実際に演奏を聞かせて頂いたのは2019年5月25日の城岡神社祭典が初めて。そこから2019年7月14日の「第3回 音で沼津を照らしたいコンサート」を経て今回に至ります。

実は昔、似たような無料のホールコンサートで手痛い目にあったことがあり、敬遠していた部分もあります。私の大好きなゲームを扱っていたので遠路はるばる参加させて頂いたのですが、パフォーマンスやパンフレットから伝わってきたのは「私達、楽しんでます!」でしかありませんでした。観客はどこかに置いてけぼり。演者ら作り手が楽しむための舞台装置に過ぎず、何だか身内で楽しんでいる楽屋を覗きにいったような感じで、当時の私が若かったというのもあるのですが「やっぱり好き者同士が集まっただけの無料イベントだとこんなものか」と思わざるを得ませんでした。今回もそんな感じになるのではと若干の覚悟を決めていましたがとんでもない。眼前に広がっていたのは「私達、楽しんでます! でもお前達をもっと楽しませてやるからな!」という気概でした。

以下は、「ラブライブ!サンシャイン!!」の楽曲や映像作品、ライブをある程度知っている前提でネタバレ込みの話が展開されていきます。ご承知おきください。

・パフォーマンス中のスクリーンの映像がよい
1曲目の「僕らの走ってきた道は…」はスクリーンに映し出されていた映像が秀逸でした。公開されている劇場版冒頭部分にも含まれていますが、沼津の仲見世商店街をはじめ、沼津の様々な場所が登場します。それを再現する風景映像が流れているのです。つまりこれは「実際にある場所を元に作成されたPVをもとに作成された実際にある場所の映像」なのです。人が映らないよう配慮しつついろいろな拘りをもって撮影、編集されたのかと思うと苦労が偲ばれます。この時点でエンターテイメント性に富んだイベントなんだなということを察しました。イタリアの映像もありましたね。誰ですか、イタリアまでロケハンにいってるのは。水路とか電話とか撮ってるのは。旧函館区公会堂が映し出されればSaint Snow関連が来るだろう期待感も煽れますし、よく作られているなぁと感心しきりでした。

・インストがよい
楽曲は劇場版および5thライブのものがベースだったと理解しています。「おとぬま」さんのいいところは歌唱曲のみでなく、インストの楽曲も演奏して頂けることです。これが結構効果的で、劇場版の様々なシーンが思い出されました。中でもぐっときたのは「Believe again」からの「Brightest Melody」周りでした。5thライブではこの2曲の間に劇場版同様のアニメシーンが挟まり、雰囲気が出る一方で空気が途切れてしまっていました。「おとぬま」ではその部分を全て「演奏」で繋げることができるため、空気を途切れさせることなく雰囲気を出すことに成功していたと思います。インスト聞くだけでもちゃんと脳内に劇中映像が流れてくれることに驚きました。別項で劇場版について何だかんだ言っていますが、劇場版が何だかんだ好きだったんだなということを改めて自覚しました。

・茶番がよい
バカだこの人たちは。褒め言葉です。幕間では「満天☆青空レストラン」のパロディだったり、「Aqours CLUB CD SET」の試聴動画パロティだったり、演者の休憩時間もしっかり観客を楽しませてくれました。前者は沼津の干物の宣伝も兼ねているのですがそれはさておき、映像内で進行している赤シャツの人が宮川大輔さんに寄せてきているだろうことに気がづくと、それが面白くてたまりませんでした。後者はメイキング映像で言ってしまえば「私達、楽しんでます!」が詰まった身内向けの思い出映像であるように思いましたが、メイキング映像を購入特典とする試聴動画風にアレンジしたことで、観客も楽しめるものに昇華させていた点は素晴らしいなと思いました。MCパートでは、次にやる曲を4択で観客に選ばせる映像演出であったり、他のユニットから4択のクイズが出題される映像演出であったり、ここ2年間のAqoursファンミーティングを経験していれば「それな!」と思わずツッコみたくなる演出が盛り込まれており、ひとことで言えばめちゃくちゃくだらないのですが、私好みでただただ笑っていました。

・「想いよひとつになれ」がよい
ピアノの前奏が8人バージョンではないとわかったときの会場のざわめきが忘れられません。ライブとしてはアジアツアーとアニサマで9人バージョンが安売りされてしまったため、9人バージョンでも「はいはいそっちのパターンね」くらいの感情しか湧かなくなっていたのですが、このときは違いました。楽曲再現のみに留まらず、東京ドームで行われた4thライブの時の新鮮な会場の驚きまでも再現してくれたように思います。「想いよひとつになれ」は別項でも語ったように東京ドーム時点ではうまく飲み込みきれていない私がいました。私が捻くれていない素直な人間だったならば、東京ドームの時点でこんな感情が湧いていたのかなと、何だかあの瞬間を取り戻すことができたような気がしました。この前奏アレンジは元々はキャストの移動時間の尺稼ぎの意味合いもあって作られたものと想像していますが、8人バージョンと9人バージョンの分岐点、つまり世界線遷移の特異点であり、ひとつの発明だと思っています。

・幕引きがよい
最終ブロックはさながら5thライブのアンコールのようでした。先に述べているように、ライブの一部を追体験できるのが「おとぬま」の魅力のひとつだと私は感じています。ライブでは脳内リソースのいくらかをドームの景色にもっていかれていたので「卒業ですね」「Guilty? Farewell Party」「サクラバイバイ」は改めてじっくり聞けたような気がしました。思い出すなぁ、メットライフドーム一面に掛かる大きな虹。思い出すなぁ、私がいる方向と逆サイドにトロッコがバイバイしてしまったサクラバイバイ……。アンコール前の最後の曲の「Next SPARKLING!!」の最後の最後、後奏の演出が最高でした。ひとりひとり順番に楽器を置いて、頭を下げて去っていくのです。まるで卒業していくようでした。楽器が減っていくので当然音数がどんどん減っていきます。どんどん静かになっていきます。最終的にはピアノの独奏になり、インストに繋いでそっと緞帳が下りてFin. この演出を考え出した人と固い握手を交わしたいです。これを凌駕するだけの幕引きを私は思いつくことができません。

・観客がよい
前方は立ち上がってペンライトを振って全力で応援する人たち、後方は座ってじっくり聞く人たちと住み分けされていました。私は後方からじっくり聞かせて頂きました。いつもはペンライトを振っている立場なので、一歩引いて客観的にペンライトを振るファンをみるという経験は新鮮でした。コールは全力で。しかしながらUOを折る人や濁声の何を言っているのかよくわからない発声をする人は観測されず、皆さんちゃんとTPOを弁えておられるなと。ライブ会場でそのような過度な応援をすることの是非は一旦おいておくとして、公式のレギュレーションを守るとこういう雰囲気になるのかと疑似体験できたのは面白かったです。

・セットリストがよい
公開されていました。

素直なセットリストだったように思います。私は第3部からアンコールにかけてが特に好みです。5thライブではMCなしのアンコールという飛び道具的な構成をぶつけてきましたが、そうでなければこうなっていたのではないでしょうか。OTNRで11人舞台に引っ張りあげてMCしたいじゃん。最後にJuHで次に繋げたいじゃん。

まとめ
といった感じで素敵な時間を過ごす事ができました。このような場を作り出してくれた演者、スタッフ、観客、私を誘ってくれたキミ、全ての皆様に感謝したいと思います。沼津でAqoursが立った地に立った彼らはどこに向かってJump upするのでしょうか。次回開催を心待ちにしています。個人的には不自然なカルテットさんの「Deep Resonance」が聞きたいで……

もう演奏して頂いてたー!

・余談
本公演が行われた沼津市民文化センターから永代橋に向かう途中に、アーレス・コートなるお肉屋さんがあり、そこで夕飯を頂きました。美味い!

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肉でも沼津を照らしたい。

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