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「PUI PUI モルカー」の不思議な魅力と不思議な世界。

新手のポプテピピックか何かか!?

突然、私のTwitterのタイムラインに溢れ始めたファンアートに戸惑いを隠せませんでした。調べてみると正体はこれ。

2021年冬アニメのひとつ、見里朝希監督による「PUI PUI モルカー」でした。フェルトで作られたモルカーとミニチュアを使ったストップモーションで撮られた3分アニメーションです。「モルカーって何だよ!」を始めとする世界観説明は公式サイトに書かれているイントロに任せたいと思います。以下イントロ。

舞台はモルモットが車になった世界。
癒し系の車“モルカー”。くりっくりな目と大きな丸いお尻、トコトコ走る短い手足。常にとぼけた顔で走り回るモルカー。渋滞しても、前のモルモットのお尻を眺めているだけで癒されるし、ちょっとしたトラブルがあってもモフモフして可愛いから許せてしまう?!
クルマならではの様々なシチュエーションを中心に、癒しあり、友情あり、冒険あり、ハチャメチャアクションもありのモルだくさんアニメーション!

世界観の作り方が独特です。

「動き」主体で表現され、「言語」がないため声優はいません。しいて言えばモルカーの鳴き声をモルモットが演じて(?)います。

モルカー全体が映る俯瞰では人がミニチュアですが、モルカーの内部映像になると人が実写です。実写もストップモーション風に動きます。内部映像。そう、人が乗れるのです。人が乗れて運転もできそうですが、だいたいはモルカーの意思で自走しているような気がします。馬か。

人の倫理観がまさに人間社会です。ながら運転で渋滞を作り、第1話から早々に逮捕者が出ていて笑ってしまいました。第2話もトピックが銀行強盗ですから、もう逮捕待ったなし(それでいてシートベルトはしっかり着用するんだよなぁ)。

このモルカーのとぼけた可愛らしさと人間社会の負の部分を独特な表現技法で練り上げたシュールな世界観がツボにハマってしまい、この3分アニメを何度見返したかわかりません。

先に紹介したPVのチャンネルで1週間程度見逃し配信がありますので興味がありましたらカップラーメンを作っている間にでも見ていただければと思います。気がついたら麺が伸びてしまっていることもありそうな中毒性です。

事前に話題になっていたわけでもなく公開後にじわじわSNSを通じて話題になっているこの感じは「100日後に死ぬワニ」を思い出させるような跳ね方です。あちらは感染症の流行の影響もあってか、反響を生かしきれずにわりと早期に下火となってしまいました。もうすぐやってくる一周忌に再起を図ったりするのでしょうか。

どうなるモルカー。アニメはもちろん、コンテンツとしての行末にも興味があります。

余談
見里朝希さんが注目を集めた「マイリトルゴート」もあらすじを読むとなかなかパンチがきいています。

狼に食われかけたところを母ヤギに助けられたヤギの子供たちが暮らす家に、1匹だけ消化されて見つけられなかった子ヤギの代わりとして、母ヤギによって人間の少年が連れてこられる。家の中で少年は、狼の胃袋の中で消化され、体毛がはげ、皮膚も焼かれた子ヤギたちの姿を見る事になるが・・・

こちらもキニナル。

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