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【毎週ショートショートnote】「告白」「雨雲」

図書館の外は大雨だった。
降水確率ゼロ%を裏切る土砂降りの雨だ。
毎週通って本を読んでいる彼女は入り口で途方に暮れている。
恐らくまた傘を持っていないのだろう。
「あの、傘あるんで、よかったら一緒に駅までどうですか」
「いつもすみません。今日は降らないはずだったのに」
「たまにありますよね、こういうこと」
「たまに……かな。もう5回目くらいだと思いますけど。反省しないなぁ私」
ひとつの傘でふたりで帰るこの時間が好きだ。
本の話から世間話まで笑顔で話してくれる彼女が好きだ。
駅に着く前に、雨が止む前に、今日こそ想いを伝えねば。
「あの、僕とお付き合いしてもらえないでしょうか」
彼女は驚いた後、すぐに笑顔で答えてくれた。
「はい、喜んで」
ふたりの心情を映し出すように、雨がピタリと止んで雲間に大きな虹が咲いた。

――ピロリン。
本日も雨雲派遣サービスをご利用いただきありがとうございました。スタンプが5つ集まりましたので特典の虹もお付けしました。
(410字)


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前回のお題「棒」「アイドル」

次回のお題「音声」「燻製」

以下、今回の本文作成に至るまでのアイディアめも。

アイディアの羅列
告白:愛、懺悔、カミングアウト、
雨雲:黒い雲、レーダー、

アイディアの組み合わせ
告白お助けサービスの話:雨雲を派遣させることができる。雨宿り中にイイ感じになる。傘の中でもいい。ラストは虹を掛けるか。虹はサービス利用特典にする。告白する側される側どちらがサービスを利用しても面白いので濁しておく。

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春乃はじめ
頂いたサポートは、美味しいものを経て、私の血となり肉となり次の作品となる。