【毎週ショートショートnote】「棒」「アイドル」
「きゃーカッコイイ!」
アイドルの顔が評価される様を見て、ある団体が声をあげた。
「この風潮はルッキズムを助長する」
そしてアイドルは顔を主張することが許されなくなった。
「うぉーセクシー!」
顔がないアイドルの体型が評価される様を見て、ある団体が声をあげた。
「この風潮もルッキズムを助長する」
そしてアイドルは体型を主張することも許されなくなった。
「もう三次元アイドルは限界だ」
半ばヤケクソで誕生したのが二次元展開される棒人間アイドルの「Bar チャルYoutuBar」である。
当初は奇異な目で見られていたが、慣れてくるとファンは棒人間の動きと声だけで十分に魅力を感じられるようになった。
「きゃー今の動きカッコイイ!」
「うぉー今の声セクシー!」
光る棒を振って応援するファンから動きと声が評価される様を見て、ある団体が声をあげた。
「この風潮は何かを助長する」
かくして棒立ちと棒読みを余儀なくされたアイドルは、真の棒アイドルとなった。
(410字)
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前回のお題「ジュリエット」「釣り」
次回のお題「告白」「雨雲」
以下、今回の本文作成に至るまでのアイディアめも。
アイディアの羅列
棒:ペンライト、棒人間、棒術、木の枝、警棒、うまい棒、棒が1本あったとさ、棒読み、棒立ち、
アイドル:応援、ライブ、握手会、ファンサービス、二次元、三次元、
アイディアの組み合わせ
アイドルが規制される話:顔がダメで体もダメで棒状に。BarチャルYoutuBar。武器は動きと声。それらも規制。棒立ちと棒読みに。
頂いたサポートは、美味しいものを経て、私の血となり肉となり次の作品となる。