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ショートショートを書いてみよう【国民を操るバナナ】

ショートショートを書いてみよう

 先日、ブックマンションのオーナーである中西さんからショートショートが簡単に書けるワークシートをご紹介頂いた。

 私の中で、ショートショートと言えば、星新一である。私は小学校3~4年生の頃、小学校の図書館にあった星新一のショートショートを読み耽っていた。当時の誕生日プレゼントだかクリスマスプレゼントには星新一の『ひとつの装置』というショートショート集を貰うくらいには好きだった。 
 また、小説を書くことにも憧れがあった。文章を書く楽しさを知ったのは小学3年生の頃だったと思う。小3の終わりの時期に「1人1人が小説を書いて文集を作る」という授業があった。私が書いたのはありきたりな宝探しの物語であったが、それでも楽しかった。
 小学生の時の授業をきっかけに小説を書き始めて芥川賞作家に…みたいな流れがあれば感動的な物語になっていたのだが、人生はそう上手くはいかない。
 文集を作っていたときに薄々感じてはいたのだが、私には物語を作る才能がない。物語を作るには私の頭は硬すぎたのだ。
 以来、文章を書くことはあるが、小説を書くことはしていなかった。

 そんな中で出会ったのが先述したワークシートである。「40分で小説が書ける」というのはかなり怪しいタイトルである。しかし、このワークシートを紹介してくださった中西さんが「本当に40分でショートショートを書けた」と仰っていたので、この言葉を信頼して、私もショートショートを書いてみることにした。

ショートショートを書いてみた

準備編

準備するもの・参考資料
(1)ワークシート
 田丸雅昌(2015)『超ショートショート講座』の付録のワークシートです。以下のページからダウンロードできます。合法です。

(2)同じワークシートを使ってショートショートを書かれた方のブログ
 おそらく『超ショートショート講座』の書籍を買った方がより正確な方法で小説を書くことができるとは思いますが、お金がなかったのと、近所の書店にこの本が売っていなかったので、同じワークシートを使ってショートショートを書かれていた方のブログを参考にしてワークシートを埋めました。
 著者の方、ごめんなさい!orz

https://www.sanyodo.co.jp/news/bks_short_short

執筆編

 記入したワークシートを見せながら、記入手順を説明していきます。

ワークシート1枚目(©︎田丸雅昌)

① 思いついた名詞を20個書き出します。
 このとき、カフェにいたので、周りにあったモノに関するワードが多くなっています。

② 書き出した名詞の中から1つ選び、そのワードについて思いつくことを自由に10個書きます。

③ ②で出た思いついたことと①で書き出した名詞を繋ぎ合わせて、面白いワードを3つ作ります。
 私の場合で言えば、「宇宙戦争トイレ」「熱かったり寒かったりする財布」「陰謀バナナ」といった具合に3つのワードを作りました。

ワークシート2枚目(©︎田丸雅昌)

④ ③で作った3つのワードから1つ選びます。
 1番想像が膨らみそうだったのが「陰謀バナナ」だったので、この言葉を選びました。

⑤ ④で選んだモノがどんなモノなのかの説明を書きます。

⑥そのワードについて起こる良いことと悪いことを書きます。

⑦ワークシート2枚目に書いたことを繋ぎ合わせてショートショーを作ります。

⑧完成!

ショートショート:国を操るバナナ

 とある民主主義国家・A国では特殊なバナナが密かに流通している。このバナナは一見すると安くて美味しい良質なバナナである。しかし、このバナナは特殊な遺伝子組み換えが行われており、それによって、大衆の思考を操作することができるのである。

 このバナナが国内に大量に流通すれば、A国内の政治家は世論を扇動することで利益を独占できる。また、国民にとっても安価で味の良いバナナが流通することは嬉しいことだ。

 ある日、政府は国民の行動の全てを監視するために、国土の至る所に監視カメラを設置する法律を作った。家の内外に監視カメラが設置されるのだ。

 政府の思惑では、一切の反対なく、この法案が施行される予定だったが、この法律が国を二分する結果となった。なぜなら、A国の国民の半数近くがバナナを嫌っていたからである。バナナを食べた国民は国民を監視する法律に賛成したが、バナナを食べなかった国民はこの法律に反対したのだ。

 賛成派と反対派の間の溝は日に日に深まり、ついに全ての反対派は安全な生活を求めて、隣国のB国へ移住してしまった。その結果、A国の財政は破綻し、しばらくしてB国に買収されてしまった。

おわりに

 ショートショートの出来栄えはさておき、ワークシートを使ったおかげで簡単に小説を書くことができた。
 また、実際に小説を書いてみて、小説がどのようなプロセスを踏んで作られているかが分かった。このワークシートで作った小説は、設定を繋げただけの物語の雛型である。そのため、この設定を元にもっと話を広げることもできると思う。
 ワークシートを使って何本かショートショートを書いてみて、よく出来たものを深掘ってみるのもアリだと思う。
 いつか1冊の本が作れるといいなあ。

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