子供の頃に親からされて嫌だったこと
幼少期にしつけと称して、私は親に殴られたし、裸足で外に出されたし、物置に閉じ込めらた等をされた経験がある。殴る方法はビンタもしくはゲンコツ。流石にグーパンチはなかった。
この中でも特に絶望的な事案は木に縛りつけられて泣き叫んだこと。親がなぜ子供にそんな仕打ちをしたのかの経緯を私は全く記憶にない。家族が言うには、祖父母宅での法要中に子供の私が騒がしくしていたのが原因らしい。
同件を思春期には普段思い出すことはなかったし、話題に出たら『そんなこともあったよね』ぐらいで特に深く考えることもなかった。まぁ頭おかしい親だなとは思っていた。
しかし子供が産まれたら違った。子育てすると自分の成長を追体験する一面があって、私の場合は特に親からされて嫌だったことを思い出して辛くなる時が度々ある。木に縛りつけらた件は、我が子が当時の私と同じくらいの歳(おそらく3歳)に成長した時期に突然思い出した。
我が子が事件当時の私をと同じくらいの歳に成長したとある秋の日。あの記憶がフラッシュバックした。トリガーになったのは、配偶者が買ってきた柿を見た時だった。縛りつけらた木が柿の木だった。柿を目にしたと同時に、心臓がギュッとなってバクバクして、当時の感覚、縛り付けられて体を動かして抵抗するのに全然体が動かない感覚、怖くて絶望的な気持ち、泣く私、が一瞬で頭の中を駆け抜けていった。幸に、発作的に呼吸が苦しくなるとか気分が悪くなるとかは無く、その一瞬の前と後で私の振る舞いが変わることはなかった(変わったつもりはなかった)。だから、一緒にいた配偶者が私の内心の異変には気づかなかっただろう。
このフラッシュバックは、初回を含めて数回あったが今はない。しかしそれ以来柿を見る度に悲しい思い出が呼び起こされるので、可能な限り柿を目にしたくないし購入しない。秋になってスーパーに柿が並ぶ時期になると憂鬱になる。ちなみに、食べ物としての柿は元々そんなに好きじゃない。
子供がまだ産まれたばりの乳児期には柿を見ても全然平気だった。離乳時期には、すりおろした柿を子供に食べさせて、美味しそうに食べている我が子を見て喜んでもいた。子供が成長して幼児期になって、追体験も幼児期になって、柿を見たことをトリガーになって当時の悲しい事件を呼び起こしてしまったんだと自己分析している。