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いつかは全て忘れるとして

私は私の存在が忘れられる事が堪らなく恐ろしい。

他人の中から自分の存在が消えてしまうことは思ってる以上につらくて苦痛を伴うものなんだ。

母方の曽祖母が鬼籍に入る半年くらい前、入院しているところを家族で見舞った際に彼女はすっかり私のことを忘れ去ってしまっていた。

余所者を見る目つきで私のことをひどく罵ったのを今でも鮮明に覚えている。軽くトラウマ。

それもあり、晩年施設住まいになった祖母には会いに行くことができなかった。少しだけ申し訳なく思う。

だから、私は私の愛した者たちのことを1人たりとも忘れたくない。心にずっと留めておきたい。君のこともあの人のことも彼、彼女のこともみんなみんな。

私はそのために無限に生きたい。

億年兆年億兆年生きて。

誰のことも忘れたくない。



そして、全てが滅んでいなくなったら。

私は無限に死んでいたい。

もうこんな気持ちにはなりたくない。

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