見出し画像

複数の媒体社同席の取材は嫌いです。

多賀です。久しぶりにnote、書きます。

ふと、思い出したのですが、求人広告の制作で企業への取材に行く際、時に応じて企業の方から「別の媒体社と一緒に取材・撮影でもいいですか?」というオーダーをいただくことがありました。若かりし頃の私は「えー?」と内心、思いつつも「はい、了解しました!」と元気よく答えていました。50歳も近くなった今ではきっと、「了解しました!別の媒体社さん主導で構いませんよ」などと、一歩下がった言い方をしながら、たいがい向こう主導で取材するとロクなことにならない、というのをわかっているという、いやらしいところしかないおっちゃんの対応の仕方をするんだろうなあ、などと思いますが。

で、なんでロクなことにならないかというと、求人広告の営業だったり、制作だったりを担っている人間の8割くらいは、「面倒くさがり」だからです。「面倒くさがり」は、これまでの成功事例を踏襲して、同じことをやればいい、だって楽だもん、というスタンスで営業したり、取材したりします。「御社よりも規模の大きな同業の企業でこういう成功事例があります」と、どのツラ下げてそのマウント取りに来た?と突っ込みたくなるような物言いをします。自分が「面倒くさがり」なのをいいことに、それを隠すがために成功事例などという盾なのか、矛なのかわからないものを振りかざしてくる。それで結果はどうなるか、私はわかっています。間違いなく言えるのは、「成功事例よりも成功することはない」ということです。

何故か。マーケティングの世界で「リーダー」「フォロワー」などという言い方があるかと思いますが、「リーダー」が享受する利益と同じ利益を「フォロワー」は得られないのです。一方で、同じ利益は得られないまでも、「フォロワー」だからこそ得られる利益、というのもあるわけです。まあそれで、クライアント企業に満足してもらって、お茶を濁そう、というわけですが、私がもしクライアント企業だったら、「お茶を濁されてもねえ」と返すだろうなあ、と思うのです。だったら、もっとクライアント企業に喜んでもらうためには何ができるだろう、と考えることの方が生産的ではないか、と思うのですが皆さんはどうお考えでしょうか。

求人広告には、この業界のこういう職種だったら、こんな募集の仕方をした方が成果は出やすい、という定石というか、フレームワークというか、そういうものはあります。これを無視して、新しいことをやろう、とすると、だいたい外します。そんな経験、山ほどしてきました。それで「ほらみろ」と、前述のような「面倒くさがり」から揶揄されたことも少なくありません。そんな経験の中から言えることというのは、定石やフレームワークを踏まえた上で、今、自分の目の前にいるクライアント企業(の担当者ではなく社長など決裁権を持った人たち)が満足するために、そのクライアント企業しか持っていない魅力や特徴をどのようにターゲット(求職者もしくはクライアント企業が欲しているような人材像の人物)に届けられるようにするか、届くようにするか、を真剣に考え、形にすることに集中すると、信頼関係は築ける、ということです。おそらく、このスタンスは求人広告を多数手がけてきた私のような人間だけでなく、あらゆるビジネスに共通するものではないか、と思うのですがいかがでしょう。

そんなわけで、私はそもそも、別の媒体社が同席する取材は好きではありません。いや、言われればやりますが、申し訳ないけど、同席した別の媒体社の人たちの挙動がおかしくなってくるからやめておいた方がいいですよ、と申し上げたいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?