見出し画像

オーケストラの練習の後にはいつも、

「学校でもあって話して、家に帰ってきてからも長々と電話して・・・そんなによく話すことあるわね」

と、母に呆れられて、そして長電話の代償である電話代をお小遣いからさっぴかれてしまった。


答えの出ない、答えのない、答えのいらない話を延々とループし続けていたのだろうと思う。
けど、集まっては、延々と色々な話をした。

オケの練習、個人練、パート練、練習がなくても、大学の前にある儀間(珈琲店)にいった。

行けば、誰かがたむろっていた。
行けば、誰かと話ができた。

タンノイの大きなスピーカーからは、常にクラシック音楽が流れ、
誰かが持ってきているCDを聴き合った。

珈琲が350円くらいではあるけど、毎日毎日通っていたので、月に珈琲だけで1万円の出費。

お小遣いが1万円。
アルバイトしたお金は、オケの活動費と、珈琲代に消えていた。


先週末、タクシーで社会人オケの練習から帰りながら、
そんなことを思い出していた。

もう、そんなことはなかった。

みんなそれぞれの場所に戻っていく。


あの時、私たちは、どこに行っていいのかわからない、彷徨っている時代だったのかもしれない。


もう戻らない時間ほど、尊く感じるものはないけど、
今日も、その一日であることは確か。

良い一日を。

FirstFourNotesという小さな会社で、音楽+ITで新しい音楽の体験を生み出したいと、シャチョーと2人でプロダクト開発中です。いただいたサポートは、部品購入や基板製作に使わせていただければありがたいです!