最後のバーバリー #46歳起業のリアル
会社員を辞めた時、アテがあったわけでは全然なかった。
アテもなく辞めて、とりあえずフリーランスになった。
本当は転職したかった。44歳、女性、転職歴10回、普通のエンジニアというよりは、ちょっとレガシーエンジニアが受け取るのは、お祈りメールしかこない現実。
そんな状況なので、仕事もあるわけでもなく、
ひたすらメルカリで会社員の時に使っていた鞄、靴、洋服を売ってた。
このサービスって、お金に困ってる人が使うサービスなんではないだろうか。とりあえず頻繁にくる通知に返信をし、せっせと包装して送った。
資源は限りあるものです。
そして、換金できるものがなくなった。
たぶん、売れない、と感じるものだけが残った。
その一つが、バーバリーのトレンチコート。
ベージュのトレンチコートなんて、どこでも売ってるけど、違う。
羽織った瞬間、カッコよく決まるライン。
このトレンチのラインは、トレンチを極めたバーバリーしかだせないのでは、と思う。
そして、裏地のバーバリーチェック。
大学生ぐらいの時にこのバーバリーチェックに一目惚れして、いつかお金が貯まったら買いたいと思ってた。
日本から今は撤退してしまったのと、
日本人の体型向けにカスタマイズされたこのコートは2度と手に入らない。
メルカリを閉じた。
さぁ、とりあえず声をかけられたので、ホーチミンへ行ってみようか。仕事はあるのか?
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起業して1年と9ヵ月。
バーバリーのトレンチを着て歩く。
中の服はしまむらかユニクロでしか買わなくなったけど。
次の仕事はあるのか?
って状況は変わってないけど
自分の手でできることは、確実に増えた。
レガシーエンジニアからだいぶ脱皮できたと思う。
さぁ、次の仕事を探そう。
明日もこのトレンチコートを着て。
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