食物繊維と健康
こんにちは、body∞infinity(@body8infinity)の益満です。
食物繊維は小腸で消化・吸収されずに大腸まで達する食品成分です。
消化がしづらい食品のため栄養素として注目されることがなかったのですが、近年の研究により生活習慣病を予防する効果があることがわかっています(1)。
食物繊維の働き
簡単に説明すると、「大腸まで達して、おなかの調子を整える」のが食物繊維の働きです。
食物繊維は水に溶ける水溶性と水に溶けない不溶性に分けられます。
水溶性食物繊維は血糖値の上昇を抑える効果があり、不溶性食物繊維は排便促通効果があります(2)。
食物繊維は「人の消化酵素で消化されない食物中の難消化性成分の総体」と定義されています。
たんぱく質・脂質・炭水化物などは消化管の中で消化酵素によって分解され、小腸から身体の中に吸収されていきます。
これに対して食物繊維は小腸では吸収されず、大腸まで達します。
食物繊維の成分が、便の体積を増やす材料となるとともに、大腸内の環境を改善する腸内細菌に使用されるのです(3)。
食物繊維
日本人の食物繊維の平均摂取量は1950年ごろには一日20gを超えていましたが、穀類・いも類・豆腐の摂取量の減少に伴い減少傾向です。
最近の報告によれば一日あたり14g前後と推定されています(3)。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、一日あたりの目標量は18歳〜64歳で男性21g以上、女性18g以上となっています。
欧米において一日当たり24g以上の摂取で、心筋梗塞・脳卒中・糖尿病・乳がん・大腸癌などの発症リスクが観察されるとの研究報告があります。
また、食物繊維の摂取量が足りているかのサインとして「一日に一回、規則的に排便がある」ことが目安となります。
一日に約150g(見た目ではMサイズの卵3個分)です。
まずはこの量を作り出すための食物繊維を摂取する必要があります。
食物繊維が多く含まれている食品
食物繊維は、肉や魚介などの動物性食品にはほとんど含まれておらず、植物性食品に多く含まれます。
主食の白米や白パンを、玄米ごはん・麦ごはん・全粒小麦パンに置き換えるとプラス6g程度を効率的に食物繊維を摂取できます。
その他の食品としては、果物・野菜・海藻・豆類などに豊富に含まれています(4)。
まとめ
①日本人の食物繊維の摂取量は不足気味
②食物繊維の摂取は生活習慣病の予防につながる
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【参考文献】
(1)海老原 清;食物繊維の栄養・整理機能に関する研究:2008
(2)足立 香代子;栄養学の基本がまるごとわかる事典:西東社
(3)厚生労働省;食物繊維の必要性と健康:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-001.html
(4)樂木 宏実;「100年ライフ」のサイエンス:日経BP総合研究所メディカル・ヘルスラボ
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