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自分の身体は自分で治す ~免疫の基礎②~

皆さん、こんにちは。

のんびり継続 6割健康法の身体案内屋です。

さて、ここからは前回【自分の身体は自分で治す ~免疫の基礎①~】の続きとなっています。

この~免疫の基礎②~から読んでいただいても内容的にはじゅうぶんかもしれませんね。ざっくりと読みすすめていただき後々、調べたいときの備忘録程度に「へぇ~。」という感想があれば良いかなと思っています。

免疫力アップ1

『出典:イラストAC』

☆次回予告☆
【実践編:免疫力を高める食事法】を記事にする予定です。
どうぞ、ご期待ください♪

では、はじめていきましょう。

③自然免疫と獲得免疫 

③-Ⅰ:自然免疫

【自然免疫】は生まれながらにすべての生物が持ち備えている免疫システムで植物や昆虫、ミミズなども持っています。

自然免疫の主役は「マクロファージ」「好中球」「NK細胞」です。

先陣を切るのがマクロファージ。
こいつは敵を何でも食べちゃう上に、さらに強力な好中球を召喚できる特殊能力があります。
この好中球、活性酸素を武器にして敵を倒していきます。活性酸素は非常に強力でカンタンに敵を酸化させて倒すことが出来ます。
(※活性酸素はまた別の機会に特集記事を書く予定です。)
実はほかにも恐れられている理由があります。それが「道連れ能力」です。自分の命が尽きるまで敵をバクバク食べた上でそのまま自滅して道連れにしてしまうのです。(ちなみにその死骸が膿(うみ)です)

それでも敵がウイルスで、細胞に入って感染してしまうこともあります。(※細菌とは別に、ウイルスは人の細胞に入って初めて増殖できます。つまり体の一部に付着したり、体内に侵入しても細胞に入らなければ感染していないのです。)


ここで皆さんが一番耳にするであろうナチュラルキラー細胞(NK細胞)の登場です。NK細胞はとても優秀です。体内をつねにパトロールしており、ウイルスに感染してしまった細胞や、がん細胞をバッタバッタとなぎ倒してくれるのです。テレビではがん細胞を見つけてやっつけてくれる細胞として有名ですね。
このNK細胞、少なくとも50億個、多い人では1,000億個も体内に存在していると言われています。50億~1,000億と数にかなりの差があると思いませんか?
実はこの差、日常生活における食事のとり方や精神状態で大きく変化すると言われています。
つまりNK細胞の働きは日常生活の過ごし方や精神状態次第で強くもなり弱くもなる、ということなのです。

ここまでが自然免疫のターンです。
しかし、中にはこの自然免疫でも、ヤバッ!勝てないわ、どうしよ!?となった時になった時に満を持して登場してくれるのが獲得適応)免疫です。


③-Ⅱ:獲得免疫(適応免疫)

この獲得免疫チームは自然免疫では倒せなかった強力な敵に対して、免疫細胞が軍師となり、戦術を立てて効率的に戦いを行うエリート部隊です。

獲得免疫の主役はリンパ球です。
リンパ球は各々100万種類くらい存在していると言われているのですが、とても優秀なのです。
実はこのリンパ球、100万種類ずつすべてに得意とする戦い方があるのですが、それが敵の特徴を見てから勝てそうなリンパ球を選抜するという戦法です。

例えば、、、
・リンパ球A😎 → パワハラする敵が得意
・リンパ球B🤩 → モラハラする敵が得意
・リンパ球C🤔 → サービス残業を進める敵が得意etc...

このように敵を得意な分野で担当することを【特異性/別名:抗原】と言います。
リンパ球Aの抗原はパワハラ、Bの抗原はモラハラ、Cの抗原はサービス残業、という感じですね。

ウイルス撃退1

『出典:イラストAC』

このように得意分野で戦うことが出来るので

勝率をあげていく戦術が可能になるのです。

さらにこのリンパ球、T細胞とB細胞に分かれるのですが、このT細胞とB細胞もかなりデキるやつなのです。

まず、T細胞は司令塔:ヘルパーT細胞実働部隊:キラーT細胞に分けられます。
ヘルパーT細胞はマクロファージや樹状細胞といった免疫細胞たちから敵の情報をすべて受け取る司令塔です。こうして集められた敵の情報をまとめて戦術を立てることで、仲間の免疫細胞たちに指令を出していくのです。後述します、B細胞に情報を送って抗体を作らせるように指令を出すのも、このヘルパーT細胞の働きなのです。

いっぽう、キラーT細胞もヘルパーT細胞の指令を受けて忠実に働きます。
自己(味方)と非自己(敵)を認識し、非自己(敵)のみを攻撃します。別名「殺し屋細胞」といわれ非常に強い反面、暴走すると味方をも攻撃してしまうことさえあります。そのためにお目付け役として制御性T細胞(Tレグ)が存在し、キラーT細胞の暴走を防いでくれるのです。(ちなみに、このキラーT細胞の暴走を防ぐTレグですが、きちんと機能させて増やしておくには「腸内細菌叢」の働きが重要になりますが、またそれは機会があれば記事にしたいと思います。)

ここでB細胞ですが、この細胞は進化して形質細胞にレベルアップするという特殊能力があります
この形質細胞は別名:抗体産生細胞といい、抗体というミサイルを作って敵にぶっ放して攻撃することが可能になります。しかもこの抗体、特異性(担当制)は引き継がれたままなので、どんなパワハラ・モラハラ・サビ残抗原にもぴったりの抗体を作り出せるのです。本当に優秀なのですね。
さらにさらに、この時に作られた抗体は、敵を倒した後でも体内に残り記憶されます。
つまり戦いに勝ってからでも、次に備えて敵に対する情報はすべて記憶されているのです。いつかまた体内に攻めてこられたとして、「おっ!前に戦ったからアイツ知ってる、ここが弱点だ!イケー!!」とすぐさま戦闘態勢に入り、弱点を突いてカンタンに勝つことが出来るのです。

全身免疫2つの仕組み

『出典:乳酸菌B240研究所 大塚製薬ホームページより引用』

この得意分野担当制が抗原抗体反応と呼ばれています。テレビでお医者さんがたまに口にするアレですね。

いっけん万能にも思える抗体ですが注意しなければならないこともあります。それは抗体が作られるまでにタイムラグがあるということです。

初めての敵(抗原)が体内に攻めてきてから抗体が出来るまでにはおおよそ3~7日間かかると言われています。
それまで抗体が出来るまではどうやって戦えばよいのか?そこは自然免疫の力も借りることになります。しっかりと自然免疫を強くしておけば抗体が出来るまで十分に戦えますし、何なら自然免疫だけでじゅうぶんに倒すことも可能なので、感染しても無症状で済むということです。
また、初めてのウイルスが体内に攻めてきた場合に作られた抗体は、倒す力が少し弱いと言われています。けれども、ウイルスが変異していくように免疫細胞も戦って記憶することで抗体の作り方を進化させ、より強い抗体を作り出すことが可能になると言われています。
もう一点、抗原の種類によっては作られる抗体にも強弱があり機能が統一できないときがあるのです。たとえば、遅刻ウイルスに対する抗体は非常に強力で一生体内で保持されるので、遅刻しなくなります。しかし、サボり魔ウイルスに対する抗体はあまり強く作れないので、体内で保持される期間も短くなり、すぐにサボってしまうといった感じですね。


④まとめ

さて、いかがでしたでしょうか?
ざっくり書いてきましたが、実はもっともっと複雑です。
自然免疫と獲得免疫も別々に働くように見えて複雑に協力し合って免疫システムが成り立ちます。また、アレルギー反応サイトカインストーム(免疫暴走)等にも繋がってくるのですが、そこはまた機会があれば。

免疫の基礎なんて初めて聞いたよという方から、知ってたよという方、また何となくしか知らなかったから再確認できたよという方まで様々かと思います。
改めて文字に起こすと、こんなに分かりづらい長文を読んでいただけるのだろうかと少し不安にもなっていますが、私自身の頭の中で情報が整理されたので良しとしましょう。

昔からおばあちゃんの知恵袋で、
「風邪に罹っている子が居たら自分から風邪をもらいに行きなさい。身体が強くなるから!」と言われた方もいらっしゃるんではないでしょうか?
私もおばあちゃんに同じようなことをよく言われました。実はとても理にかなっている免疫力の鍛え方だったんですね。

おばあちゃんの福袋

『出典:イラストAC』


さて、次回からはいよいよ実践編です。
冒頭で予告したように【免疫力を高める食事法】を記事にします。
より分かりやすく、皆さんの日常生活に反映させやすい内容になっていると思います。
どうぞ、ご期待くださいね。

ではまたお会いしましょう。
有り難うございました♪


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