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偏見をなくすために(ジョン・ロック Vol.2)

僕たちは知らず知らずのうちに物事に対して偏った見方をしている。

「あの人は〇〇〇だ」「男の人は(女の人は)〇〇〇が苦手だ」
「最近の若者は〇〇〇だから・・・」
「あの店は〇〇〇だから人気がないのだ」などなど

このような会話は普段でもよくするし、親しい友人に言われると、「だよねー」「確かに!」とすぐさま同調することも多い。そして、本当にその通りだと思っていることも多々ある。

しかし、本当にそうなのだろうか?

前回紹介したジョン・ロック著「知性の正しい導き方」(下川潔訳、ちくま学芸文庫)の中で、
「人は、他人の偏見には不平を言うのに、自分は何の偏見も持っていないかのように振舞う」と述べて、自ら正しいものの見方(視力と表現しています)を弱めるものを平気で受け入れてしまっていることに警鐘を鳴らす。

確かに僕自身も、人づてで聞いた噂を鵜呑みにして、ずっと警戒していた人と、ひょんなことからゆっくり話す機会があったとき、実はとても人情味溢れる人だってことが分かり、それ以降長年慕っていたりすることもある。

人は背景知識が無かったり、自分の守備範囲を超えた情報であったとき、公平な立場をとることができず、要は直感的に「お気に入り」の情報かそうでないかで良し悪しを判断してしまうのだろう。
その後に反対側の意見を聞いたり、追加情報を調べたりすることもなく・・・

そのような偏見をもたないよう、ジョン・ロックは以下の2つのことをすべきだと述べている。(分かりやすく改編)

①その情報が真実であるかどうかを調べる前に、「好きだ!」「わかりやすい!」といった理由で受け入れてしまわないこと
②自分の感性で判断するのではなく、事実をしらべて、さらにそれが誰が見ても正しいと納得するまで真実として受け入れないこと

ん~なかなかヘビーですね。
日常生活で毎回これをしていたら友達なくしそうです(笑)。

しかし、常に
「それは真実なのか?」
「自分にとって都合の良いところしか見ていないのではないか?」
「反対側の意見ってどうなんだろうか?」
と、いったん立ち止まって考えることを習慣化するだけで、
今までと違ったとらえ方ができるかもしれない。

まずはそこから始めてみたいと思う。

そして、ものごとを色んな角度から眺めて真実を見極め、正しく判断できるようになったら、今まで以上にこの世界が多様であることに気付き、一つ一つのことをもっと味わえるようになるかもしれない。

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