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『目的への抵抗』國分功一郎


國分さんの本を読むのは初めてです。副題に「シリーズ哲学講話」とあったので、読みやすそうな印象でこちらを選んでみました。

目的への抵抗、ってどういう意味だろうと思っていましたが、読んで納得。
「目的」を「手段」を正当化するためのもの、と捉えると、目的が必然の世界はとても息苦しい世界です。そこからはみ出ることが人間の自由である…といった内容です。
こう書くのは簡単ですが、そこに至るまでの思考の跡はとても複雑で豊かでした。わたしは片鱗しか言葉にできないけれど、面白かったです。

本の最後のまとめから、一部抜き出します。

目的のために手段や犠牲を正当化するという論理から離れることができる限りで、人間は自由である。人間の自由は、必要を超え出たり、目的からはみ出たりすることを求める。その意味で、人間の自由は広い意味での贅沢と不可分だと言ってもよいかもしれません。

『目的への抵抗』國分功一郎 p195-196

わたしは「贅沢」を肯定的に捉えた文脈を読んだのは初めてのように思います。ここだけ読んでもピンとこないかもしれませんが、なぜ贅沢が人間の自由と不可分なのか、気になる方はぜひ本を読んでみてください。学生向けの講話をもとにしているので読みやすいと思います(講話後の質疑応答がレベル高すぎて何も言えなくなります・笑)。

本は2つの講演・講話をもとにしていますが、前半の講演はYouTubeでも観られるようです。

今日はこの辺で。それではまた。

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