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『傲慢と善良』辻村深月

「みんなのメンタールーム」#305で野村さんが読んで面白かったと話していた、辻村深月さんの『傲慢と善良』
用事で待ち時間がありそうだったので、ちょうどいいので本屋で買ってみました。最近はドキュメンタリーやビジネス書ばかり読んでいたので、物語は久しぶりに読みます。

辻村深月さんは『かがみの孤城』しか読んだことがないけれど、面白く読んだ記憶があるので楽しみです。しかも婚活の話だというから、『かがみの孤城』はもっと若い世代の話だったけれど、大人世代の話がどんな風に描かれるのか興味もあります。

と、ここまでは読書前に書いたもの。
ここからは読了後の感想です。

先ほど読み終わったのですが、うーん面白かった!いろんな描写がありありと現実味を持って感じられて、すごくリアリティがあるのに、どこかにファンタジーも感じる。不思議なバランス。

主人公の二人が、物語が進むにつれて最初の印象からどんどん変わっていくのが面白かったです。
例えるなら、友人のふとした瞬間に「この人にこんな一面があったのか」と気づいたときみたいに、主人公の隠れていた一面がポロポロと現れていく描写がリアルです。

浅い感想ですが、辻村深月さんは人間観察を常にしている人なのかな、と思いました。作家さんは多かれ少なかれ、人間観察の達人なのだと思いますが…。
なぜなら、登場人物に「こういう人いる!」っていう人物像が多々あって、しかもそのような人物がなぜ生まれたのか背景まで丁寧に描かれていたのが、よくできているなぁ…と思ったからです。

あとは個人的なツボですが、たまたま物語の舞台になった土地に行ったことがあったり、出身の人を知っていたことも大きいと思います。描かれている舞台に多少の土地勘があるので、そういう人がいそうな街だ!と納得しちゃったと言いますか。

そういう意味では『傲慢と善良』は風土記の一面もあると思って読みました。具体的にどこの街なのかはネタバレもしそうで伏せておきますが、そこに住む人たちを多少なりとも知っていると話の解像度が上がるんだなと実感しました。

ちょうどこの秋に映画が公開されるみたいなので、現地が映像で観られるのも楽しみですね。観てみたいです。


最後に、以前のメンタールームで本の選び方がテーマになった回で、たしか野村さんが「この人の薦める本なら面白いという人をフォローして、お薦めしている本を読む」と言っていた記憶があるのですが、わたしは野村さんのお薦めした本を読むのがいいみたいです(笑)。
次は『プロジェクト・ヘイル・メアリー』を読んでみたいと思います!

今日はこの辺で。それではまた。


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