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あわい

デイリー手帳を使い始めて3年になる。クライアントと打ち合わせなんかする時に、「なんとなくカッコよかったりするよね」という中3レベルの理由で始めたのだが、打ち合わせ相手は手帳なんてほとんど気にしてはいない(実際に「その手帳いいですね」なんて言われたことはない、、)当然『デイリー』なので1日1ページ分、振り分けられているわけで。もちろん、そう毎日毎日仕事で打ち合わせがあるわけでもなく、アイデアをメモしたくても、ノージーや遠松エイジみたいに、ヒラメキっぱな!ということも残念ながらないため、記載が続くこともない。というわけで、かなりもてあそんでいるページが増えたりするのだが、そんなページが増えたりするとなにかとみすぼらしく、打ち合わせの時にカッコつけたくて使っているのに、全くもってカッコ良くはない手帳へと日々成長しているのである。

最近、【あわい】という言葉を知って、もてあそびページに大きく書き込み、1ページ埋まったという話。
【あわい-あわひ】とは、「何か」と「何か」の間のことなのだが、一般的な【間-あいだ】とは少し違って、重なる部分・まじわるところって意味合いが大きい。「青色」と「黄色」がまじわると「緑色」みたいな感覚。「A」と「B」がまじわって、新しい何かが生まれる。日本家屋でいうと「室内」と「外」との【あわい】は「縁側」ってことになるそう。たしかに縁側って、やさしい会話が生まれたり、やさしい時間が流れたりしますね。少し大きくすると「アナログな時代」と「デジタルな時代」の【あわい】もそう。いろんな新しい価値観やモノが生まれました。もっと小さくしてみると、手をつないだときの「手」と「手」の【あわい】。親と子とのつないだ手の中にはいろんなやさしさや信頼・安心が生まれている。

以前書き残したのだけれど、仕事とは別でリトルフリーライブラリーという小さな箱(箱の中に本を入れて、その中に入っている本は誰でも自由に借りることができ、読み終わったら好きなときに返すことができるというルール)を毎朝設置している。運営を始めてもう1年になった。このヘンテコな箱も【あわい】でありたいな、なんて少し思っていて。「信頼」と「信頼」のまじわるところ。もちろん、いつも利用してくれているみんなのことを信頼して設置しているし、そのヘンテコな箱を開ける方、つまり利用者側だって、まあまあ勇気がいるとおもう。でも、こちらを信頼して箱を開けてくれて(利用までしてくれて)。「信頼」と「信頼」が重なってまじわるこの箱を続けることでいつの日か、小さな何かが生まれたり、小さく何かが動き出したりするのを想像するだけで、もうすでにわくわくしちゃいます。

小さな小さな【あわい】のはなし。


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