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出会うことがない出会い

リトルフリーライブラリーという活動をしている。小さな箱を道端(敷地内)に設置して、その中に本を入れておく。その本は誰でも自由に借りることができる。無期限だから好きなときに返してくれたらそれでいい。一声かけなくてもいいし、サインもしなくていい。いい意味での放置プレイ。貸し出している本はちゃんと返して欲しいけど、(無期限なもんだから)それがカリパクなのか、エンパクなのかの判断さえできない、、

そんなことを始めて10ヶ月くらい経つと、いくら【顔を合わせない取り組み】とはいえ、いろんなひとから声をかけていただいたり、こちらから踏み込んでみたりする機会がふえた。しかもそれらの出会いは、まるっともれなく、普段の生活では出会うことはないだろうひとたちばかりである。


そして、そのヘンピな箱をのぞいてくれるひとのなかに、文章の先生なるひとがいまして。

その先生はたまに(ごくごくたまに。一度は、半べそをかいているときに、「まったくしょうがね〜なぁ、こんど見に来てやっからよ、元気だしな」と言って本当にのぞきにきてくれた、)のぞきに来てはSNSとかで、よしなに箱のことをつぶやいてくれるいいひとなのだ。文章の先生だけあって、つむいでいる言葉には、ことばあそびも隠れている。ワードなチョイスもプリッとしつつもピリッとしていて、いつもニヤニヤさせてくれるそんな先生と出会いはしたが、実際にはまだ会ったことがない。

会ったことがないひともいれば、会ったことがあるひともいる。設置や撤収をしているときに声をかけてくれるひとや、「あ、ほんやさーん!」と小さな手を降ってくれる子、話が聞きたいとわざわざ訪れてくれるひと。「子どもが借りた絵本を汚しちゃって、」とお詫びをしてくれるお母さん(本は汚れたり破れたりすることが良いんです)。私の方から会いにいったひともたくさん。以前、コラボさせていただいたhinata.booksさんやアイネコ堂さんも、あったことのあるひとのほうで。そうやって会ってみることで次に進展(コラボするとか)していくのだけど、会わずとも築けるものだってすごくあるとおもう。SNSの浸透によって、『出会うことがない』が簡単に出会えてしまう時代。若い世代に限らず、SNSによる悪いニュースもたくさん起こってるのもまた事実で。でも、『出会うことがない出会い』に、救われることもたくさんあるんだ、ぜ。

そういえば、先生によく出会う。
フルートの先生(あったことない)
フラメンコの先生(あったことある)
文章の先生(あったことない)
なんだかなんだか、ヘンピな箱を介して出会った〇〇先生のチョイスがオリエンタルで。。これは、私なんか持ってるのかも。

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