舞台監督のお仕事! その2 資料を作る

どうも、ぼぶすきんと申します

今回は7段階に分けた項目の2つ目、資料を作るを解説していこうと思います


発注を受けたら、本番に必要な資料を作らねばなりません

状況、内容により、作る物、量が決まります

タイムテーブル

図面

進行表(セットリスト)

譜割り

転換図

申請書類

トランポリスト


くらいでしょうか

香盤表、メイクスケジュールは制作サイドで作成される事が多く、作成した事はありません

一つ一つ詳しく書いてみようと思います

タイムテーブル

タイムテーブルは書いてある通り、全ての時間軸を表記した物です

基本エクセルで書きます

作成する時はアーティスト名、会場、日付け、開場時間、本番時間から書いていきます

縦書き、横書き等色々フォーマットは自由ですが、見やすければなんでも良いです

基本的な事を書いたら、そこからセットを組むのに必要な時間や、会場の条件、必要なRH時間を当てはめていきます。

RH時間や会場の条件は絶対に必要な部分ではありますので、そこから当てはめ、時間が足りない場合は入り時間を早めたり、スタッフ人数を増やしたり、RH時間縮小の相談をします。最悪の場合、セットリストの曲数を減らすといった相談もせざるおえない場合もあります

入り時間、調整時間、RH時間、開場時間、本番時間、バラシ時間全てを書き込み、たたきの完成です

そこから各テクニカル、イベンター(主催)、事務所等に送り、再度調整します

もし仕込み日やGP日があればページで分けて作成し、同時に確認します

最終的にまとまった物を会場に送り、最終確認をします

セットの組みの時間だったり諸々の調整時間はです。ガバガバです

経験値でなんとなく当てはめて、不満が無ければそれでいくスタイルです

書いて、決めた以上はそれの通りにやろうとしますし、責任も取ります

それでOKを出した以上、他セクションもそれに従っていただきます

文句は事前に言う以外受け付けません


図面

図面を書きます

ソフトはベクターワークス と言う建築ソフトで書きます

Vectorworksホームページ↓

平面図、正面図、必要な場合は側面図、3Dも書くことが出来ます

アリーナ規模になると道具会社が書きます

舞台監督が書くのはホールまでですね

会場の条件に合わせ、立ち位置、セット、照明等を落とし込み、入る入らない、もっとこうしたい、削らないと、といった確認をしていきます

ここでいかに詰められるかが課題になります

現場で余計な手間が減らせるし、理解量も増えます

同時に各テクニカルと仕込み勝手、順番を詰め、要望を聞き、段取りを決めます。

正面図で客席からの見え方や、見切れの発生する部分も検証します

仕込みのほぼ全ての情報が詰まるので、図面のデータ量もハンパじゃないです。3Dで書くととんでもないKBになります

検証、確認が終われば各テクニカル、イベンター、事務所に送ります

最終的な物を最後に小屋に送ります


進行表

進行表は言い方だったりにもよりますが、セットリストとも呼ばれます

呼ばれると言うか、セットリストも盛り込まれるので、大は小をかねると言ったところでしょう。がっちりした括りはなく、流れが分かり、展開が分かる物だと思ってもらえれば大丈夫かと

曲順、その曲で何が起こるか、その前後で何が起こるかを書いていきます

大きくは曲の始まるキッカケだったり、特効だったり、大きく変化する物を書きます

バンドだとその曲で何のGtを使っているかだったり、落とし込むのは様々です

完全に個人の書き方で書かれる内容もかわります

細かく書く人もいれば、読み取りづらくなるだけだけなので、ざっくり書く人もいます

進行が分かれば何でもいいですけどね

あとは本人やバンド用に白黒反転の物や、自分の欲しい項目だけの物を作る場合もあります

ここで一番重要なのは本番時間、RHに必要な時間を確認すると言う事が重要になります

本番時間が長いとバラシの時間に影響が出て、結果、会場の延長料金がかかります。

本番の内容が大容量でそれに対してRHの時間が必要になると、開場時間が伸び、本番が時間通りでも、延長料金が発生します

予算が削られればこちらの取り分も少なくなり、小屋もそのイベンターや事務所に貸しづらくなります

ルールや決めた事を守らない人は煙たがられるのは当然です

ですので、時間管理が重要になります


譜割り

譜割りとは、歌詞カードに、小節を書き込んだ物になります

歌詞カードに小節を落とし込み、そのパートは誰が演奏して、コーラスして、何のエフェクトがかかっているかなどを表記します

そして何小節か分かると、キッカケも取りやすく、本人が歌詞を間違えたり、飛んだとしても進行に影響なく進める事が出来ます

間奏を伸ばしたり、ソロパートを表記出来たり、ライブ用の音源にも対応しますし、キッカケも書き込めば、台本のようにもなります

ここで重要なのは小節の正確さです

当然といえば当然ですが、正確で無ければ、照明もずれるし、キッカケもバラバラになります。正確であれば尺もおのずと正確になります

コーラスが聞こえなくても、何とかなります

譜割りは基本舞台監督がやりますが、制作サイドが作成する場合もあります

制作と事務所が兼用だったり、がっつりRHに制作が付き合える場合に作ってくれます

事前に確認するのが一番ですけどね


転換図

本番にバンドの転換があれば作成します

1組目のバンドがやっている時は2組目はどこで何枚ライザーがあって、どうゆう風に転換するのか

セットによって動線も変わりますし、電源だったり、PAのマルチをはわせるのも変わります

事前に楽器チーム、PAチームとやりとりし、決めていく必要があります

スペースも大事ですが、本人動線も気にしなければなりません

転換出来ても、本人が通れなかったり、位置につけなければ意味がありません

あとは最低限の情報を載せてあげるだけです

下手がBaだよだったり、このアンプは使い回しで、ヘッドだけ変えるよだったり、そのバンド、状況に合うように表記します

どれだけ効率よく、迅速に、転換できるかの地図を作るようなものです

終わって→ハケて→持ってきて→整えて→始める

ここで20分とか待たせたらもちろん苦情来るだろうし、スタッフの頑張りどころになります


申請書類

申請書類はいくつかありますが、監督がやるのは、道具会社の足場講習終了証だったり、作業に必要な物をまとめ、小屋に送る事です

スモークの種類や使っているオイル等をまとめる場合もあります(持ち込む会社による)

特殊効果は特効会社がまとめ、消防や小屋に直接言う事が多いです

変わり物やセットによって必要な物は変わりますし、かなり前から申請しないと通らない可能性もあるので、早めにピックアップしたい項目ではあります


トランポリスト

トランポとはトランスポート、運搬の手配になります

トランポ会社にトラックのサイズ、台数、拾う日、戻す日、場所を取りまとめます

もちろんトランポ会社が直接話してまとめる場合が多いですが、監督がまとめる場合もあります

使うトラックのサイズは11tか4tくらいです。6tとかはほぼ使いません

各テクニカルが自分らで手配すると、台数も金額もえらい事になりますので、こちらでまとめた方が、時間もお金も節約出来ます

しかもプロのトランポですから、積み込みも把握してるし、運転はお手の物です

業界に精通している業者で無ければ時間食う場合があるので、付き合いのある会社からチョイスされます

アリーナやドームになると何十台と言う規模になるので、そこまでいくとトランポさんがまとめますけど




はい、このような種類の資料を本番までにRHを経て更新しながら作成していきます

これは監督が作るものだ!作らなくていいんだ!と言う人がいますが、頭が硬いだけです

柔軟に対応して、やれれば、やってあげればいいと思います

決めつけでやってこいとか言う人はセンスがないだけですね

事前に確認しなかった方が悪いです


まあまあ量がありますが、手分けしたり、時間を作れば何とかなります

作業量に応じてギャラも発生しますし、貴重な収入源です

作業時間は個人によりますし、見やすさを重視すればいいと思います



次はRHに出るを書いていきたいと思います


それでは、また

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