マレーシア留学記録〜地獄のロックダウン前編〜

無事にFoundation Yearという、大学の学部の準備期間にあたるプログラムに入学できた私は、新生活や学業に戸惑いもありつつも充実した日々を送っていた。(私の大学の学部は3年であり、その前にカレッジで半年から1年ほど基礎知識をつけることが割と一般的だ。)

しかし、それは突然やってきた。渡航から1か月半ほどたった2020年2月半ば、新型コロナウイルスの感染者がいよいよマレーシアでも確認されたのだ。未知のウイルス、しかも死の危険があるということで、みんながパニックに陥っていた。私自身はその後のパンデミックを予想できるはずもなく、まあその内おさまるだろうと楽観的に考えていたが、長距離の移動はさすがにまずいかと思い、旧正月休みに計画していたマラッカへの旅行を泣く泣く予定をキャンセルした。とりあえずマスクを求めて近所の薬局を回ったが、もともと日本ほどマスクが流通していなかったこともあって、全店舗で既に在庫切れだった。仕方なく高額で出品されていたものをネットで買い、そのわずか10枚でとりあえず乗り越えるしかなかった。

当時は学校の寮に住んでいて、ひとつのユニットに1人部屋と2人部屋が合わせて9室あり、私はものすごく狭い1人部屋にすんでいた。しかし、マレーシアの地方出身の子が多く、旧正月休みに合わせてほとんど実家に帰ってしまった。これにより、私のロックダウン生活は孤独との戦いとなる。

後編へ続く

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