データで語る構造化面接を積極的に活用したい
最近、久しぶりに採用に関わるようになった。
最近の採用傾向の変化の驚き
5年以上前に採用に関わっていた時期があった。そのときに、採用方法や面接について人事の人といっしょに突き詰めながら、よりよい方法を探った覚えがある。そのときの私の基準は仕事ができる人だった。
それから2020年も終わる今、改めて採用に関わる機会を頂くことになった。この5年のブランクで驚いたのが、採用の方針や攻略が全然違う進化を遂げていたことだ。
例えば、今となっては当たり前だがwantedlyを筆頭に採用する側・される側含めて市場のあり方が変わっている。スカウト形式もエージェントもリファラルもあり、これは現状を知らなければ対応することができないと感じた。
とりあえずいい人欲しいとるかーのレベルだと全然太刀打ちできない状況になっていた。めちゃくちゃ専門的な世界だ。そこで、まずは採用の全体像をつかもうと書籍に手を出すことにした。
日本の人事を科学する
今はデータをベースとして人事を考える流れがきていることを知った。
本書より、企業が採用そのものをPDCAできていないという指摘。データを元に統計センスを身に着ける必要性を論じている。Googleの例より、最適な面接者の数をデータより発見した事例なんかもある。
このケースは、繰り返し面接をしすぎても効果が低いことを発見して、四人が適切だろうという分析。いわゆる収穫逓減の法則に当たるとのこと。詳しくは以下の書籍を参考文献としていた。
そんな数ある話題のなかでも、今の私にとって響いたのは面接のあり方と採用後の効果測定についてだ。
構造化面接で質問内容をそろえる
面接というのは非構造化と構造化面接に別れる。
非構造化は柔軟性をもった面接。一般的にはこちらが主流だろう。相手にあわせて柔軟に質問する対話に特化したアプローチ。しかし、その結果をデータとしてみると判断しづらく、練度を重ねた高度な面接能力が必要だ。
一方、構造化はあらかじめ聞きたい情報をそろえるということをする。あらかじめ質問項目をそろえる。これにより客観的評価が下しやすい。定量的な判断も可能だ。
デメリットは一問一答になりかねないところ。ややマニュアル的になる恐れがあるところ。しかし、どのような設問が効果的だったのかがわかり、また誰がやっても評価できる面接項目が熟成されていく。
この構造化が大事なのは、上記にあげたメリット以上に、採用時に評定した人が入ったのちにどうのように相関があったかを測ることができることが肝だとみている。
このレベルを採用の時点で考えることが当たり前となっている時代なんだと実感した。リファラルやスカウトなど採用経路ごとに数字を取っていくことが当たり前なんだと。
構造化でデータとなる目線をそろえて、非構造化の柔軟性でもって面接をする。相手にあわせて聞きたいこと(つまりは構造化されたデータとして採取したい情報)をうまく織り交ぜて面接するとよいのだろう。
構造化により、何を見るかではなく何を見ないかの。また、面接前に教育いらずで欲しいスキルかどうかも見定める基準を作ることができる。このような目安を本書から読み取ることができる。
あわせて本書紹介のこちらの参考書籍も手に取りたいと感じた。
採用は奥が深い。
面接官の裁量に依存しない採用の時代へ
「面接で重視されることは何か」が問われる時代だと見えてきた。
面接で聞くことなのか事前にわかることなのか。また、面接でどこまで知りたい情報が知れるのか知ることができないもなのか。そういった切り分けも蓄積されたデータ次第で次の一手が変化するのだろう。
そのためには面接時の構造化が大事と知る。データを効率的に採取する。
なにせ、面接は時間がない。また、時間効率よく面接をしたい。面接のコツなるものがあるとしたら、できるだけ人依存にならないようにしたい。それでも人がやるのが面接だ。面接は人対人だ。
面接する人の能力向上は構造化+非構造化の本来かけたいコミュニケーション量が時間単位あたりに満足いくかけかたができれば、面接する・される側の双方にとって有益な時間なのだろう。
採用するにあたって面接の大変さを昔と違ってという視点で考え直すいい機会だった。
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