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5日目後編:アイスランド東部(ハイランドのワイルドドライブ)

羊たちの沈黙

間違えて旧1号線を進み、さらにある分岐点も持ち前の大胆さで「えい」と左に進むと、砂利が石になり、車が縦に揺れ、人がいなくなり、放牧されている羊が増えてくる。ここは人、立入るべからず場所なのでは…

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※羊の数はこんなものではございません

せめて2個目の分岐まで戻ろうと一旦停止すると、その隙に羊たちがわらわらと集まって来る…私たちを何と勘違いしているんだ。

なんせ道はワイルドを極めているため、一旦私が降りて車を誘導しようとしたのですが、無理だよ!すぐそこにごっついツノを持った働き盛り風の羊がいるもの!

脳内会議で100人の私に 「私 vs 羊」の試合結果予想をしていただいたところ、85人が羊に WIN! の札をあげたため、夫に「これは無理です。出れません。」と丁重にお断りを入れる。クラクションを鳴らしまくってもらって、羊さんたちに散っていただき、自力でUターンしてもらいました。ありがとう。

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Uターンしても依然1号線を外れたハイランド内のワイルドロード。進むしかないので、進みます。そういえば、ハイランド内を行くならレンタカーは4WDにしろって書いてたなあ…これ普通車だなあ…。

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図らずも昨日の素朴な疑問「この山の内側はどうなってるんだろう」の答えを見に行くことになりました。昨日ののほほんとした私に教えてやりたいよ。明日見れるよって。


人が住まないハイランドの中にもカフェはある

トイレなどありゃしないワイルドロードを進む中で、私の膀胱は危機を迎える。だめ、限界破裂しちゃう…耐えられたとしても膀胱炎になっちゃう…
とトイレのことを忘れるべく禅を始めたところで、何か分からんけどお店っぽいのを見つけたので「何か分からんけど入ってくれ!」と嘆願する。

まさかのライヴカフェでした。

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限界破裂からのこれは超癒される。紅茶を注文したら「そこから好きなティーバッグ選んでね」ってお湯を渡されて「これで600円…」と思ったけどね。トイレ代と思えばね。

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さあ、再び出発です。天候はどんどん厳しくなり、砂利半分の道路になり、心はとっても不安。


昨日の答え、ハイランドの本当

本当に?マジで?と夫婦で問い合いながら、険しい道をどんどん上に登っていき、気付けば頂上に到着しました。

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「あれ?もしかして途中で死んでたのかな?」という景色がアイスランドにはそこら中にある。

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ぽつんと山小屋があって、食料とベッドがある。怖い。

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と思ったらみんな楽しそうだ。

頂上を超えてから一気に下り、道は割と落ち着いてきます。

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普通におる。

結果的に、ハイランドに行けたのはすごく良かったです。人の暮らしが無い場所に潜む神聖さと恐ろしさ、人の暮らしが営まれている事の暖かさを両方知れたこと。圧倒的な自然を、観光化されていないからこその裸の地球を、たった二人で見れたことは冒険としか言いようがなかった。

ゴールデンサークルみたいな有名観光地もそりゃあすごいけれど、生のアイスランドは、アイスランド人が誇りに思う自然とはこの景色の事なんだろうな。
夫もアイスランドの中でハイランドが一番良かったとの事。あの時私が羊と戦って負けていたら…保険とかどうなってたんだろうね…。

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車のビフォーアフターはこちらです。ヘプンの時はこうなるなんて露にも思わなかったんですけどね。何度でも言うけど、飛び石保険は必須ね。


東部フィヨルドの村、セイジスフィヨルズ

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ようやく何かしらの街が見えてきました。
これは目的地のセイジスフィヨルズではないけれど、街って安心するね。

映画「LIFE!」をご覧の方は、主人公がスケボーで気持ちよく降りていくシーンを思い出してください。あれ、あのロケ地がセイジスフィヨルズへ行く手前にあります。ご覧でない方に分かりやすく伝えると、す~ごいぐねぐねした道です。

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それをこの視界の悪さで行く!

余裕がなくて写真は撮れてませんが、すぐ脇に湖がある道で視界ほぼゼロになった時、ふと「この人はなぜ運転できているのだろう…」と冷静に不思議に思いました。集中力が極まって開眼してたのかな。

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セイジスフィヨルズの村が見えてきました。

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この通りにセイジスフィヨルズの宿やお店が集中していて、道路がレインボーにペイントされていたり、水色の教会があったり、何とも可愛らしい。一日の間にギャップがありすぎて現実味がありませんが、ようやくホテルに到着です。

この日は(この地は?)台風みたいな気候で、体は冷えきって、駐車場の場所が分からなかったり、チェックインカウンターのお姉さんに駐車場とホテルの場所を説明してもらうも英語が聞き取れず、めちゃくちゃでかい声でため息をつかれたり、着いた瞬間に心が疲れきっていた記憶…。

結構古いホテルだったのでバスルームの水はけも悪かったけど、全体的に古い(ゆえに味わいもある)建物が多い印象の村だったのでこんなもんかなという気もする。ホテルというよりも、アイスランドの普通の家に泊まる感覚で、それはそれで良かった。

ちなみにアイスランドはコインランドリーが無いと思って正解!ある程度まとめて手洗いして、オイルヒーター(と言っても中には温泉が流れているらしい)にひっかけて乾かします。触ると結構熱いので朝起きたらパンツが燃えかすになっていないか心配したけど、大丈夫でした。

晩ごはんはパンで済ます。心の疲れはとれないけど、明朝のビュッフェへの期待が高めながら眠ります。

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移動距離はそんなに無いのにね。

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