見出し画像

【ボイラジ!】#13 ヴァイオレット・エヴァーガーデンへの想いを語る。

こんにちは。ボイラーです。

「ボイラジ!」 13回目は、僕の人生において心から出逢えてよかったと思えるアニメ作品「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」について語らせて頂きました。

せっかくなのでnoteでも、ラジオに収まりきらなかった想いをこめて、色々と書き留めておきたいと思います。

■「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」とは?

「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」は2018年にTV放映・Netflix独占配信された京都アニメーション制作のアニメ作品です。

https://www.netflix.com/title/80182123

戦争孤児として戦うことだけをして育ち、人の感情や気持ちを理解できない「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」という義手の少女が、戦後「自動手記人形」と呼ばれる手紙の代筆業に出逢い、さまざまな依頼人の手紙を代筆することを通じて、戦禍で大切な人が遺してくれた「あいしてる」という言葉の意味を探しながら一人の女性として成長していく過程を描いた物語です。

シリーズは全13話のTV版、1話完結のエクストラエピソード、そして劇場映画としての「外伝」と「劇場版(完結篇)」で構成されています。

Netflixで外伝までは全話公開されているので、是非まだの方にも触れて頂きたい作品ですが、TVシリーズ全13話のダイジェスト版がYouTubeで公開されているので、手始めにこちらで総浚いするのもアリだと思います。

物語の中身や、視聴者に与えてくれる示唆の素敵さ・美しさはさることながら、京都アニメーションさんの映像と音楽の技術に改めて唸らされます。

普段僕もアニメをそこまで多く観るわけではないので素人の感想になりますが、ヴァイオレットシリーズの「水」の描写や、「陽の光」で時間経過を仄めかす描写はまるで実写映画を観ていると錯覚してしまうほど綺麗で写実的です。

■「外伝と自動手記人形」と「エイミー」

そんなヴァイオレット・エヴァーガーデンシリーズの中でも僕が一番好きなのは2019年9月に公開された劇場版「ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝 ー永遠と自動手記人形ー」という作品です。

TVシリーズが主人公・ヴァイオレットの成長過程にフォーカスして描かれているのに対して、外伝の本作はTVシリーズから数年を経て成長を遂げたヴァイオレットの依頼主である、離れ離れになってしまった「姉妹」が物語の中心となっていて、ヴァイオレットが第三者の視点から、「姉妹」それぞれの想いを時を超えて繋いでいく、というお話です。

ラジオの中でもお話ししていますが、当時劇場で作品を始めて観た時、この作品に出てくる「エイミー」というキャラクターを、その当時自分自身が向き合っていた人間関係だったり、その頃抱いていた気持ちや感情と、なぜだか不思議と重ねてしまって涙が止まらなくなりました。

当時を振り返ると、こうしてエイミーと自分自身と重ねて、感情移入しながらこの作品を鑑賞できたことは、そのころ自分の中にあった想いや感情、それこそ「愛」というものの意味を考え、そして整理させてくれるキッカケになったように思います。エイミーとテイラーがヴァイオレットの働きかけを通じて前を向けたように、僕自身もヴァイオレットに背中を押してもらえたような気がしました。

そんな「永遠と自動手記人形」の主題歌・茅原実里さんの「エイミー」という楽曲にも、また泣かされました。

90分の物語をそのまま5分に凝縮したかのような楽曲に歌詞。
作詞を手がけた実里さん本人も「この曲は100%作品に寄り添って書こうと決めた」と語っていますが、その想いが曲のタイトルにそのまま表れていると思います。


「永遠と自動手記人形」を観てから、楽曲のイントロが始まり、流れる音と歌詞を噛み締めながら聴くと、自然とヴァイオレットやテイラー、エイミーがいるあの世界が脳内に浮かんできて、また帰りたくなる。
そして、作中と同じように、歌詞で描かれている言葉を自分の人生に重ねて、また一歩踏み出す勇気をもらえる。

個人的にも、今でも作品を、そして当時心の中にあった気持ちを大切に蘇らせてくれる、宝物のような楽曲になりました。
中でも実里さんが紡いだ「巡り廻る季節に 負けないように」というフレーズが大好きで、事あるごとに胸に思い浮かべて、自分を奮い立たせていたりもします。

作品も楽曲も、当時も今も、僕にとってかけがえのない心の支えです。

■人それぞれの「愛」と向き合う機会を与えてくれる作品

「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」そして外伝「永遠と自動手記人形」というシリーズ作品を通じて、いつの間にかライデンに住み、近くでヴァイオレットを見守る一人のような気持ちで、ヴァイオレットを応援し、そして敬服している自分がいました。

もし自分が「愛」の意味をヴァイオレットに問われたら?
こんなにも普遍的な概念なのに、きっとライデンの皆さんも、僕も、皆さんも含め、明確な答えを持ち合わせている人はそう多くないのではないでしょうか。

それくらい複雑で、時として一方方向で、わからない「愛」。
さらに自分が過去に重ねてきた「罪」や「悲しみ」。

そういったものを、経験を重ねていく中でしっかりと受け止めて、背負って、前に進んで、どんどんと強い女性に育っていくヴァイオレットに人は惹きつけられ、そして憧れを抱くるのだろうと思いました。

だからこそ、こうして普段なかなか考えない「愛」というテーマについて、ヴァイオレットと同じように自分自身も向き合ってみる。そこまでではないにせよ、観終わったあと、なんだか急に身の回りの大切な人たちに優しくしたくなる。手紙で想いを伝えたくなる。

「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」は触れれば触れるほどそんな機会を与えてくれて、心をそっとあたためてくれます。
生きていく中でこんな作品に出逢えたことは本当に貴重でありがたいことです。

■作品に寄り添った「音楽」

ヴァイオレット・エヴァーガーデンの作品の魅力の一つに、Evan Callさんが手がける美しい劇伴音楽、そしてTRUEさん・茅原実里さんが唄う作品に寄り添った「主題歌」が挙げられます。

Netflixの特性上、オープニングやエンディングはスキップされがちです。
「アニメソング」というジャンルでひとくくりにされて、俗世で埋もれてしまう名曲が多くあるのも非常にもったいないことだと常々思っています。

「エイミー」と同様、それぞれの歌詞にも表れているようにこの「Sincerely」「みちしるべ」、そしてそれ以外の楽曲等にも「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の作中で描かれているエピソードや世界観を俯瞰しながら代弁して、そして聴く人を包み込んでくれるようなメッセージが宿っているように思います。

ぜひ、「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」という作品と合わせて、楽曲にも触れて、より作品の世界に浸って頂くことをお勧めします。

■「劇場版」とオーケストラコンサート

そんなヴァイオレット・エヴァーガーデンシリーズの完結篇・劇場版「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」。
昨年4月に公開され、第44回日本アカデミー賞・優秀アニメーション作品賞を受賞するなど、多くの人に賞賛された、とても優美でしなやかな「ヴァイオレットらしい」シリーズのフィナーレでした。
10月にBlu-rayが発売予定です。

また、来週末8月14日・15日には、2月に開催予定だったヴァイオレット・エヴァーガーデンのオーケストラコンサートがLINE CUBE SHIBUYAで開催されます。ありがたいことに全3公演参加させて頂けることになりました。
ヴァイオレットの音楽世界を、耳で、目で、心で、しっかりと感じて噛み締めてきたいと思います。

15日の夜公演はライブ配信もあるようですので、ぜひチェックしてみてください。

劇場版Blu-ray、そしてオーケストラコンサートの感想もまた「ボイラジ!」でお届けできたらと思っています。

■最後に

改めて今回は「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」という作品について掘り下げ、お話ししてきました。

作中で「ヴァイオレット」という自動手記人形が後世にまでずっと語り継がれているように、美しい作品は、完結しても語り継がれいつまでも育ち続けます。

その語り手の一人として十分な役割を果たせたのかはわかりませんが、とにもかくにも、この世界が1人でも多くの人に届いて、そして誰かの「永遠」になりうることを、願ってやみません。

・ ・ ・ ・ ・ ・

ラジオでは皆様からのお便りも募集しています。
(stand.fmでは「レター」という機能があります)

画像1

※お名前を入れる欄がないので、記載いただけると嬉しいです。※
こんなレターを募集しています。
・偏愛っぷりが激しいボイラーにあなたがオススメする趣味や愛する作品
・ラジオで取り上げて欲しいネタ
・ボイラーへの質問
・お悩み相談 などなど


▼より聴きやすくなる専用アプリのインストール(無料)はこちらから▼

【Android】

【iOS】




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?