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ワーニャおじさんのロゴはマクドナルドにそっくり。

ロシア事業を撤退・停止した外資系企業に似せたロゴを商標登録申請する動きがロシアであるようですね。「ワーニャおじさん」のロゴ。見た人も多いでしょう。この会社は元々、野菜の缶詰を扱う会社らしいですが、このたび飲食チェーンを始めるにあたって作ったロゴがマクドナルドのゴールデンアーチMを横にしてBにしたもの。それ以外にも「イデア」という名のイケアそっくりなロゴもあるらしい。もちろん家具店の名前です。申請した会社は「新ブランドはイケア撤退後の需要の受け皿になることが出来るだろう(日経新聞3月28日)」と悪びれる様子もない。

以前、中国でユニクロとダイソーを真似た「メイソウ」というブランドが話題になりました。しかもご丁寧にロゴはカタカナで表記されている。これは一介の企業の話ですが、今回のワーニャおじさんやイデアは国を挙げてやっているところがスゴイ。ロシアにしても中国にしても、元々共産圏の国ではブランドの知財など、この程度なのでしょう。それに今のロシア情勢を見ていれば、それで提訴するようなブランド企業もないでしょうね。

この背景にはロシア国内での外資ブランドの資産差し押さえとぽっかり空いた需要を埋める(ただ乗りする)目的があるのですが、一般的なロシアの消費者はどんな気分なのかと思います。特にマクドナルドは冷戦時代終焉・自由の象徴でもあるようなので、時代が逆行したような複雑な気持ちでしょう。実はマクドナルドのロシア進出は1990年。ソ連崩壊が1991年ですから冷戦終結前になります。オープン当時の現地マーケティング責任者がサラ・カサノバ氏(日本マクドナルドホールディングス会長)でした。彼女はロシアで7年勤務し、初めてテレビ広告を行なったりドライブスルーを導入したりとロシアでのマクドナルド発展に寄与したといいます。

他のブランドも次々と撤退を決めているようです。「米エール大学経営大学院の調査によると、ウクライナ侵攻以来、ロシアからの撤退や事業停止などを発表した企業は28日時点で450社を超える(日経新聞3月29日)」。これらなじみのブランドが消え、その代わりに「ワーニャおじさん」のようなブランドが増えるのだろうか。これはしばらく続くかもしれませんね。