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機能解剖学に基づくシュートフォーム

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目次
1.  はじめに
 ⅰ. これまでのシュート指導
 ⅱ. 機能解剖学に基づくシュート指導とは
2. リングに対する体幹の向き
 ⅰ. リングに対して体幹をどうするか
 ⅱ. 体幹と肩甲骨の機能解剖学
 ⅲ. 肩甲骨面と人間の動き
 ⅳ. シュートにおける体幹の向き
 ⅴ. リングに対して体幹をどれくらい傾けるか
3. リリース時のアライメント
 ⅰ. 肩関節に求めらる機能
 ⅱ. Zero Positionの理解
 ⅲ. なぜ Zero Position が良いとされるのか
 ⅳ. リリース時のアライメント
4. 理想のシュートフォームへ
5. おわりに

+ おまけ シュート分析の実際

※記事の下方で「機能解剖学に基づくシュートフォーム」のPDF資料をダウンロードすることができます。noteで読むのが不便な場合は是非ご利用下さい。


1.はじめに


 みなさんこんにちは。Basketball Medical Support Lab(BMSL)です。
 まずはこの資料を手にとっていただきありがとうございます。こちらの資料ですが、基本的にはワンハンドシュートを指導する指導者や保護者様向けの資料としてまとめさせて頂いております。もちろん選手に読んでいただいても全く問題はありませんが、より指導者目線での構成となっていますので、その点はご理解いただければと思います。


 さて、本題に入る前に、BMSLの紹介を少しだけさせてください。BMSLは、病院で働く理学療法士が管理する、ネット上のバスケットボール研究所です。その活動は、ブログ記事の執筆からスポーツ障害の予防、競技動作分析、シュート理論構築まで及びます。理学療法士という専門性を活かし、バスケットボールに携わる方々(選手、指導者、保護者、ファン)に対して、様々な視点から「バスケットボールを楽しむこと」をサポートしています。是非一度サイトを御覧くださいませ

 この「機能解剖学に基づくシュートフォーム」もその活動の一環で、シュート理論構築のために行っている解剖学的なシュート分析から派生したものです。選手のシュートにはそれぞれ個性がありますが、その個性も根本をたどれば「人間の構造」に辿り着きます。BMSLでは、この「人間の構造」を基にシュートに最も適した動きを探るということを軸として、新しい理論の構築を目指しています。


 シュート分析は、NBA選手からミニバス選手まで様々なレベル、年齢のシュート動画から行う動作分析と、解剖学や運動学、機能解剖学などに基づくシュート動作の分析をメインに行なってきました。これらの分析から、シュートにおける年代別の特徴や、正しい体の使い方、エラー動作など多くのことがわかってきました。
 この後ご紹介させていただくのは、以下の2つの分析結果です。わかりやすく、イメージしやすいものをピックアップしました。私自身、「選手時代に知っていれば…!」と思うことです。是非ご活用いただければと思います。


ワンハンドシュートの…
① リングに対する体幹の向きはどれが正解なの?正対させる?傾ける?
② リリースの時のアライメント(骨の位置関係)はどんな格好になっているのが良いの?

ⅰ. これまでのシュート指導


 さて、バスケットボールにおいてシュートとは最も基本的な動作であり、その成功が勝敗を左右するとても重要な動作です。そのためバスケ選手は日々シュート練習に明け暮れています。より正確に、より遠くから、シュートを決められるように練習しているはずです。しかし、それほど練習をしても、実際に満足のいくシュートに到達できる選手は多くはないでしょう。私もBMSLとしての活動のために体育館に足を運びますが、「自分のシュートは完成した!」という選手には出会ったことがありません。話を聞くと多くの選手はシュートに悩みを抱えているのです。

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 多くの選手がシュートに悩みを抱えているということは、つまり指導者も保護者もシュート指導に悩みを抱えているということではないでしょうか。実際に指導者講習会や保護者会ではシュート指導の質問が必ずと言っていいほど出ます。そして、シュートクリニックの講師をしているほどの方でさえも、話を聞くと「正直、シュート指導は悩みながらやっています」とおっしゃる方もいます。


 つまり、現状、シュートに関しては「???」な部分が非常に多く、その「???」の部分を指導者の方が自分の経験や、聞いた話、調べたこと、見たこと、などで補完し、より良い形で選手に伝えているのです。これが「これまでのシュート指導」だと考えています。


 これまでのシュート指導は、そもそものシュートに関するベースの部分が「???」なので、指導者の経験や努力によって指導のポイントが異なります。これは当然のことと思いますが、それ故シュート指導は、様々な考え方や教え方が乱立し、何が正しいかもわからず、まさに混乱状態と言えるのではないでしょうか。ただ、これを逆に捉えれば、こういった混乱状態になったのは全国の指導者に「より良いシュートを教えたい」という強い思いがあったからだと言うこともできるのではないかと思います。そうでなければシュート指導はもっと単一でつまらないものが普及しているはずです。


 そういった意味で、「これまでのシュート指導は間違っている!」などと言うことは誰にもできないと私は思います。この現状はこれまで選手の指導に携わった全ての指導者、保護者の努力の結果であると考えるからです。


 ただ、シュート指導が混乱状態にあること、それにより選手もシュートに悩み続けているというこの現状は、客観的に問題視しなければならないと思います。

ⅱ. 機能解剖学に基づくシュート指導とは


 では、そんな現状にBMSLが何ができるのか?
 それは、シュート指導に機能解剖学という視点を持ち込むということです。
 機能解剖学とは人間の構造(骨、筋肉、靭帯など)から動きまでを扱う学問で、身体運動の根本を扱うものです。骨の数や形、筋肉の数、付き方、関節の数、向き、というのは人間ごとに大きく異なるものではありません。つまり、持っている手札はみな同じだということです。

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 BMSLでは、その持っている手札(人間の構造)をどう使えば最も効率的なシュートになるなのか?ということを長年分析してきました。それは、機能解剖学的に良いと思われるシュートフォームは、効率的な身体の使い方をすることによって、その再現性正確性力発揮においてとても有利に働くと考えられるからです。


 つまり、こうした視点をシュート指導に持ち込むということは、人それぞれの「うちやすさ」という感覚的なものではなく、多くの人間が共通して持っている身体の構造からシュートを考えるということです。これができると、これまでシュートに関して「???」だった部分に、人間の構造に基づく原則を加わえることができるため、現在の混沌としたシュート指導の状況も少し変わるのではと考えています。


 とはいえ、シュートに関する「???」を全て機能解剖学で説明することは不可能です。これはあくまでも一つの視点であり、「???」を埋める1つのピースだと思っています。シュート指導にこうした原則が加わるだけでも、その意義は大いにあり、日頃の活動、指導の手助けになると私は確信しています。なぜなら、指導者、保護者の方の「良いシュート指導がしたい!」という思いを実際に肌で感じてきたからです。


 そして今回、この「機能解剖学に基づくシュートフォーム」を通じて機能解剖学的視点に基づくシュートフォームの見解を2つご紹介いたします。先ほども述べた通り、あくまで「???」の1ピースですが、されど1ピースです。大いに利用、活用していただけると幸いです。この原則から新しい考え方、教え方が生まれることを願っていますし、そう信じています。
 さぁ!本編に入っていきましょう!!

2.リングに対する体幹の向き


 まずはシュートの体幹の向きに関してです。

ⅰ. リングに対して体幹をどうするか


 みなさんはシュートの際に体幹をどの方向に向けていますか?リングに対して正対しますか?それともどちらかに傾けますか?傾けるのであればどれくらい傾けていますか?


 この問題は昔から議論されてきたと思います。正対したほうが良いと考える人と、正対しなくても良いと考える人がいるようです。指導者の方は現状どのような指導をしていますでしょうか。


 どちらの意見も正しいように思え、はっきりとした原則は今のところ無いように思います。なので、初めから「選手がうちやすい方で」ということになっているケースも多いのではないでしょうか。

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 今回、機能解剖学的な分析により、このやっかいな問題に対し1つの視点を加えることができました。つまり、シュートにおいて、最も効率的であると考えられる体幹の向きが分析で示されたということです。最終的には「選手のうちやすい方」にするとしても、この分析結果を知っていると知らないとでは指導には差がでるのではないかと思います。
 まずは解剖学から見ていきましょう。

ⅱ. 体幹と肩甲骨の機能解剖学


 みなさんは体幹と肩甲骨の関係性について知っていますか?リングに対する体幹の向きを考える上で、まず重要なのは体幹と肩甲骨の位置関係です。肩甲骨は肩の土台となる骨であるため、シュートに多大な影響を与えます。


 まず、多くの方が勘違いしているのが肩甲骨が体幹にどのようについているかという点です。実は、肩甲骨は体幹に30°〜45°の傾きを持ってついています(下図)。

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 肩甲骨には腕の骨(上腕骨)がついているので、肩甲骨がどの方向に向くかによって腕の動かせる方向が決定します。つまり、シュートにおいてもこの肩甲骨がどちらに向くのかが重要で、それをもとに「では体幹はどちらに向くべきか?」ということが位置関係からおおよそ分かるのです。

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機能解剖学に基づくシュートフォーム

koushi🏀Basketball Medical Support Lab

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“痛みのないバスケ”を目指し活動。バスケ選手の動作分析、ケア・トレーニング方法などを発信。機能解剖学的視点から、新たなシュート理論も構築中。[理学療法士/NSCA CSCS] ブログ✍️https://www.baske-medical-support.com/

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