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理想のチームの作り方

最近Jリーグの浦和レッズの試合が面白くて見ています。DAZNに入会して試合のある日はリアルタイムで楽しんでおります。

元々浦和レッズのファンではあったのですが、ここ数年はあまりその動向を気にしていませんでした。2020年埼玉スタジアムの近くに引っ越したのを機に試合を見に行ったのですが、その時はあまり魅力的なサッカーをしていなく残念に思っておりました。

2021年の今年は、一変してめちゃくちゃ面白い試合をしてくれています。先日あったルヴァンカップカップ準々決勝の第2試合、川崎フロンターレ戦は思わず泣きそうになるような感動的な試合を魅せてくれました。

まさか、Jリーグでそれもルヴァンカップでこんなに感動するとは思わなかったです。

昨年と何が変わったのでしょうか。

まずは、監督がリカルドロドリゲス監督に変わりました。最終ラインからしっかりとビルドアップを行い、緩急をつけながら相手のディフェンスを崩すサッカーを目指しており、イマジネーションあふれるゴールが決まれば心を踊らされます。

また、対応力に優れた監督で今期から最大5人の選手交代を出来るルールを使いこなし、先発でうまくいかなければ絶妙なタイミングで適切な選手の投入がおこなう試合運びは、戦術性があって面白みを増しています。

もちろん、監督が変わっただけで、いきなり目指すサッカーが出来るわけではありません。新加入選手がことごとく活躍しているという事も非常に重要な要素でこれはフロントの並々ならない努力の結果が出ていると考えます。

シーズン当初の新加入選手は、神戸から来た西選手は別としてJ2から来た小泉選手、明本選手などそれほど有名な選手ではなく小粒な補強と見られていました。

しかしこれが面白いようにFitし活躍をし始めています。小泉選手、明本選手はすでに中心選手として欠かせないメンバーとなりました。

開幕当初は、戦術のFitもしながらという事もあり、去年よりは可能性を感じさせるサッカーを見せてくれるものの川崎のような上位には大敗を喫していました。

その後、ノルウェーリーグの得点王キャスパーユンカー、チャンピオンズリーグでプレーしたアレックスショルツという元スェーデン代表の選手、日本代表の酒井選手、柏のエース江坂選手という大型補強をシーズン途中に成功させます。

結果9月19日の現在リーグ6位、公式戦16戦無失点というクラブ史上最多タイ記録も打ち立てています。シーズン当初は、サポーターの間でも残留が目標と言われていたチームが、ACLの出場権(3位以内)を狙える位置にいます。

さて、良い戦術と良い選手が集められて強くなったそれだけのようにも見えますが、私は様々な選手が入ってきた事により、元々いた選手のパフォーマンスが上がっているという事に注目すべきと考えています。

例えばセンターバックの岩波選手はシーズン序盤最終ラインの組み立てでパスミスをする事が目立っていました。サポーターから酷評されることもしばしばでした。

しかしながら、ショルツ、酒井といったワールドクラスのDFが入ってくることにより、守備の負担が減りました。それにより元々持っていた正確なロングフィード(ディフェンスラインから一気に最前線のFWに決定的なパスを出す)をこの2試合立て続けに成功させ活躍しています。そして、守備の安定性も以前より増しています。

ドリブルが得意な汰木選手は、元々類まれなテクニックを持っていましたが、単純なドリブル突破はいくら優れていてもプロの世界では対応されてしまい、決定的な仕事が出来ずにいました。

江坂選手、小泉選手といった中盤でタメを作れる選手、全線でボールを収める選手はが入ったことで中央にしっかりしたラインが出来きました。その事でサイドで汰木選手が躍動できるスペースが生まれやすくなったりこの2人とのパス交換が選択肢に入ることで汰木選手のドリブル突破が成功しやすくなりました。

その結果この2試合で2得点(カップ戦を入れると3得点)を挙げる活躍をしています。これまでのプロでの得点は昨年の1得点のみだったのにです。

2人が活躍した29節セレッソ大阪戦
https://www.youtube.com/watch?v=g_H_UgMqh-Q

ベテラン勢も槙野選手がルヴァンカップで決勝の同点弾を決めたり、また輝きを魅せます。今後、けがで出遅れている興梠選手や阿部選手もここぞと言うときに力を発揮してくれるのではと期待しています。

これはサッカーのチームの事例ですが、そのまま会社のチームにもいえるのではないでしょうか。こういった外から入ってきた人によって元々いたメンバーが覚醒していくようなチームビルディングは理想の形と言えます。

アイデア発想が得意でも、それをうまく伝えられるように、フィージビリティを含めて整理するのが苦手で仕事のスピードが上がらなかった社員が、戦略コンサル出身者の入社によりその特徴が生かされるような場面を作れるかだと思います。

今いるメンバーで、どうにかしようとするという事が日本企業では、求められそれが美徳とさえされているように思えます。

本当のマネジメントは、人材の獲得から今いるメンバーをより強化するようなことが必要とされています。

イノベーションを起こすためのチームには、それを支える採用チームの重要性も必要となります。みなさまの会社ではそこまでの裁量をマネージメント層に与えられているでしょうか。

無ければ求める必要があります。そうでなければイノベーションは起こらないからです。

理事 國井 誠


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