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親子で学んで楽しむ! おやこのきぎょうたいけん

2022年9月19日(月・祝)13:30〜15:30
CAINZ COFFEE STAND & SPACE
ファシリテーター:宮木俊明(BMIA理事)

2022年9月19日(月・祝)、親子でビジネスの仕組みを体験的に学べるワークショップとして「親子で学んで楽しむ! おやこのきぎょうたいけん」を開催致しました。
BMIA賛助会員のカインズ様が表参道で運営されているCAINZ COFFEE STAND & SPACEをお借りし、前日は台風という悪天候にも関わらず、7組のすばらしい親子に集まっていただきました。(写真の通り、好立地の本当に素敵なカフェです!)

身近なビジネスを題材に

13時半からスタートした当日。まずはアイスブレイクと、子どもたちにも身近なユーチューバーを題材にビジネスモデル・キャンバスを解説。その後はお花屋さん、パン屋さん、美容室、レストラン、洋服屋さん、そしてホームセンターなど、身近なビジネスを題材に、ビジネスモデル・キャンバスを使って既存のビジネスの構造化・可視化に挑戦。小学生でも、経営者目線で事業全体の要素とつながりを理解し、人に説明できるようになりました。

続いて、「こんなお店が近くにあったらまた行きたくなる」という、自分なりの新しいアイデアを生み出すことに挑戦。良し悪しを判断せずにとにかく大量のアイデアを出すこと、悪ノリでもOKといったコツもお伝えし、実践していただきました。
「遊び場が併設されてるといい」「パンだけでなくおいしいジャムやバターも一緒に買いたい」「自分が考えたメニューが出てくるレストランがいい」などなど、短時間で本当にたくさんのアイデアが出てきて、子どもの力を感じました。

新しいアイデアをビジネスモデルに

アイデア出しの後は、その中からいちばんおもしろいものを選んで、ビジネスモデル・キャンバス に取り入れてみました。新しいアイデアが継続的に営まれるには、どんなリソースやパートナーが必要なのか? それによってどのようなチャネルが必要になるのか? など、大人と一緒に考えながら、キャンバス全体を変化させていきます。

そして最後は子どもたち全員が最終発表。自分のアイデアを取り入れてできあがった新しい個性的なビジネスモデルを発表していただきました。子どもそれぞれ、、恥ずかしがりながらだったり、堂々と大きな声だったり、一人ひとりのスタイルでの立派な発表でした。


親子で学び合うことの意味

今回、お買い物とも遊びとも勉強とも異なる、いつもとはちょっぴり違う親子の休日を体験していただきましたが、このようにビジネスについて親子で学び合うことにどんな意味があるのか?
以下の3つの観点で、イベントを振り返って見たいと思います。

①イノベーション

テクノロジーの進展により起業のコストやリスクが劇的に低下しており、
学生起業はもちろん小学生の起業家も珍しくなくなりました。

もはや、起業に年齢は関係なく、むしろ既成概念にとらわれない視座から柔軟な発想が可能な子どもや若者にとって、これまでにない大きなチャンスが開かれています。

一方、テクノロジー分野のスタートアップの成功確率をCEOの年齢別に見ると、なんと平均は45歳といったデータもあり、必ずしも、年齢が低いことが優位に働くわけではないこともわかります。
イノベーションに必要なのは、拡散的に斬新なアイデアを発想するだけではなく、それを収束的に実現性を高め実行していく力が求められ、これは、年齢に依存する部分もあるのかも知れません。

ビジネスモデル・キャンバスを活用すると、年齢や立場を超越してお互いのよさを活かし合う場がつくれること、そして、新たなアイデアを受け止め、実現可能性を確かめる受け皿として活用できることを体験していただきました。
大小問わず一つでも多くのイノベーションに寄与できていたら幸いです。

②教育環境

グローバル化や急速な情報化、絶え間ない技術革新、それらによる人々や社会の意識・行動・生活の変化を捉え、子供たちがこれから生きていくために必要な資質や能力についても見直しが迫られています。

実際に、現行の指導要領では「主体的・対話的で深い学び」が重視されています。
これは、少し皮肉な表現をすると、私を含む親世代が受けて来た教育が、当時のベストであったとしても、今から振り返ると、「受動的・一方的で表面的な学び」に留まっていたのだと言い得ると思います。

この新たな教育環境に置いて中心となる考え方は「生きる力」。これは社会課題を解決するビジネスを生み出していく力であるとも言えますが、これから学ぶ子どもたちにはもちろん、親世代にとっても自分が子どもの頃には学ぶ機会の少なかった観点です。これを親も一緒に学び、実践していくことには大きな価値があると言えるでしょう。

今回のワークショップのように、ビジネスモデル・キャンバスを能動的に活用し、表面的な現象だけでなく、それを生み出す構造に着目した深い理解と、対話的に新たな価値をデザインすることに取り組むことは、まさにこれからの教育に必要な要素を、親子で共通の体験として理解し合える場に大きな価値があると考えております。

③多様性

SNSに代表されるコミュニケーション・プラットフォームの常態化により、老若男女問わず手軽に多彩なつながりをつくることができるようになりましたが、「外向きに着飾った人々」を表面的に触れる機会が増えただけで、「リアルな日常や内面に触れる機会」が減ってきていることは、とても考えさせられる状況です。

自身の子どもたちも、日常的に接するのは「学校の先生」「塾や習い事の先生」「自分の親」くらいであり、社会を構成するより多様な人々と接する機会が、極めて乏しい状況にあります。これは昨今のコロナ渦において更に加速しました。

このような多様性に乏しい閉塞感を打開していくアクションとして、私は、子どもたちだけでなく、「複数の親子が一緒に学び合う」ことが、ひとつの解決策になると信じています。
そのための独自の工夫として、今回もワークショップの途中で「親子の組み合わせをかき混ぜる」プロセスを取り入れました。

自分の子どもだと、どうしても自分の思い通りにしようと、善意ではあっても強制力を働かせてしまいがちです。(自身も身に覚えがございます……)
しかし、他人の子どもには、驚くほど冷静に、そして容易に、あたたかいコミュニケーションを取ることができるものです。


今回のワークショップでも、親子の組み合わせをかき混ぜたタイミングで、会場全体の雰囲気が劇的に変化したことが感じ取れました。

多様な親子が触れ合うことで、閉塞感が打破されただけでなく、特に親側の内省機会につながったことなど、多様性に触れることの効果を改めて確認することができました。

今回のワークショップにつながる、大人も子どもも一緒になって学び合う場を提供する活動は、2017年に「親子の休日革命」としてスタートしました。
この活動は、ノーベル平和賞も受賞されたムハマド・ユヌス博士のソーシャルビジネスコンテスト、YYコンテストの2019年グランドチャンピオン(日本一)にも選定いただきました。

2022年にBMIA理事となり、理事合宿を経て初仕事としてこれを実現できたのは、ご参加いただいた皆さまはもちろん、理事や会員の皆さま(特にカインズ様)のご厚情によるものです。本当にありがとうございました。

今回はビジネスモデル・キャンバスを取り上げましたが、さまざまなテーマで「親子で一緒に学び合うワークショップ」をこれからも多くの皆さまとご一緒できたら嬉しいです。ご興味のある方は、いつでもお気軽にご連絡ください。

ご一緒できるのを楽しみにしております!

宮木俊明

ミッション:社会に挑戦者を増やすために、挑戦者を支援するとともに、自らもイノベーションに挑戦し続ける
大学卒業後、葬儀会社勤務、音楽活動を経て、商社の法人営業として2011年から3年連続トップ営業を達成しつつ、社内業務変革(今で言うDX)でも成果を挙げた。
2014年に創薬研究支援スタートアップとしてディスカヴァリソース株式会社を設立し、代表取締役に就任。大手製薬企業に採用された国内初の研究支援サービスは現在も活用されている。
2019年に教育ITベンチャーにジョインし、No.2として法人事業部門を統括するとともに、自らコンサルタント・講師として、全国の人と組織と事業の成長支援に奔走。
2021年からはコニカミノルタ株式会社のビジネス開発グループリーダーに就任。新規事業開発・人材開発・組織開発の「三位一体開発」による既存事業部発のイノベーションとして、印刷業界全体のDXに挑戦中。
BMIAには2015年から所属し、ビジネスモデル・キャンバスやバリュープロポジション・キャンバスを活用した新規事業開発コンサルタントとして活動開始。
2016年に経済産業省が主催するグローバルイノベーター育成プログラム「始動2016」に採択。イノベーターとしてのスキルセットとマインドセットを磨き、最終選考を経てイスラエル派遣メンバーに選出された。
2017年よりライフワークとして誰一人として親子の時間を犠牲にせず親子の学びと成長を支援するワークショップ・プログラム「親子の休日革命」を推進中。
2019年、ノーベル平和賞受賞者のムハマド・ユヌス氏のソーシャルビジネス・デザイン・コンテスト「YYコンテスト2019」のグランドチャンピオン大会に出場し優勝。日本代表として世界大会への出場決定 (新型コロナの影響で延期中)
2020年にソーシャル・ビジネス・カンパニーGrowth Worksを創業。イノベーションを志向した教育・新規事業開発・人材開発・組織開発の講師・コンサルタント・ファシリテーターとして、研修やワークショップの提供を通じて人・組織・事業・地域社会の成長を支援中。
著書:
ひらめきとアイデアがあふれ出す ビジネスフレームワーク実践ブック
仕事はかどり図鑑 今日からはじめる小さなDX

  • コニカミノルタ株式会社 ビジネス開発グループリーダー

  • Growth Works Inc. CEO

  • Trained facilitator of LEGO® SERIOUS PLAY® method anddmaterial

  • 6seconds Certified SEI EQ Assessor & Brain Profiler

  • 親子の休日革命 代表


※BMIAのイベント情報はこちらからご覧いただけます。



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