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私とドイツ語 und ハンドルネームの由来

はじめに

みなさんは、「kindergarten」という単語をご存知だろうか。
英語では「幼稚園」という意味がある。
発音は「キンダーガーテン」である。

大学受験や高校受験で英単語をひたすら覚えていた私は、
「発音はカィンダーガーテンかな?」とドイツ語と出会うまでは思っていた。

ところがぎっちょん、「キンダーガーテン」だ。

英語らしくない発音だ・・・まるでローマ字読みである。

なぜか。

おそらくだがドイツ語にも全く同じ意味、綴りの「kindergarten」という単語があるからだ。

私の推測にはなるが、ドイツ語からの流用で英語に取り入れられたのであろう。
19世紀は学術用語にドイツ語が用いられることが多かったようで(ルトワック著『戦争にチャンスを与えよ』に書いてあった気がする)、
母国語が英語でも、ドイツ語を学ばなければ学問ができない時代があったそうである(高名なニーチェ、カント、ノイマンはドイツ語圏出身)。

このような経験をしたティーンエイジ末期の私は、ドイツ語の存在を意識した。

しかし、それはあくまでも「すれ違い」であって、

ドイツ語というきらめく、私を狂わせる「美女」を真正面から抱きしめてはいなかった。

以下、美女との出会いを綴る。

"Blumenkranz" - 私のハンドルネーム

私は『ガンダム00』(音楽:川井憲次氏)の劇伴(アニメのBGM)を聴いてそれに興味をもって以来、サウンドトラックをよく聴くようになった。

大学生になり時間ができてからは、この界隈では大変有名な澤野弘之氏の作品をも聴くようになったのである。

どうも、『キルラキル』(トリガー制作のアニメーション作品)は音楽が澤野氏担当で、内容も面白いらしいということを聞きつけ、ある日観たわけだ(登場人物の際どい服装にも惹かれた)。

その作品のサウンドトラックで出会うのだ。

「Blumenkranz」に。

ラスボス出現シーンでかかる印象深い、謎の言語で歌われる曲。

盛り上がるようで盛り上がらない。しかしとんでもない熱量を感じる。

↑の4曲目である。ご興味ある方は聴いてほしい。

魅力に取り憑かれて、とりあえず15回ほど再生し続け、私は思った。

「何を歌っているかが知りたい」

歌詞は全部ドイツ語である。それでも、そう思わせる魅力がこの曲にあった。

いや、それを証明してやるのである。本気でそう思い、一人で決意したのだ。
21歳の私は。

"Blumenkranz"になる前の私

私が当時通っていた大学の法学部のカリキュラムは特殊で、外国語の必修は
英語、もしくはその他の外国語を選ぶシステムだった。

今から考えれば、英語以外の外国語担当教員を十分に抱える体力(金)が
国立大学から失われていたのだろう。

話を戻すと、就職などに有利なのは英語なので、法学部では英語を選択する者が圧倒的であったわけだ。

そして、私も大学の講義ではドイツ語を選択しなかった。

発達障害の私は、その特性である衝動性から、後先考えずドイツ語を勉強しようとして、人の話をあまり聞けないから独学でやってやろう、と突っ走りはじめたわけである。

ドイツ語学習のモチベーションとしては、「アホでも英語を喋れる時代やから、英語以外もできないとね(大失礼)」というのも正直、あった。

紆余曲折はあったが、大学図書館とネットを駆使し、「定型第二位」とかからはじめて、地道に「Blumenkranz」の歌詞を一人で訳しはじめたわけだ。

ネットに訳詞はあったが、鵜呑みにはしなかった。

こっちは国立大学生である。ネットの情報など最初から疑ってかかるのが流儀だ。

己が「理解」しなければ本物ではないのだよ。この世は全て。

「Blumenkranz」の訳、できました

いや〜いい歌詞でしたね。

己の野望を妨げる「花」、切り捨てるべき弱った「花」を刈りとって「花冠」を編む

これ以上に、「キルラキル」のラスボスに合う歌詞はあるのだろうか?(いやない反語)

Egal wie hart du auch bist
(君がどんなに辛くとも)

Fliege hoher!
(もっと高く飛べ!)

Laufe viel schneller!
(もっと速く走れ!)

Du bist sehr stark
(君はとても強い)

Du bindest einen Blumenkranz
(君は花冠を編む)

Wieso siehst du so traurig aus?
(どうして君はそんなに悲しい顔をしているんだい?)


何も言えねえ

『キルラキル』にはラスボスとその娘が出てくるのだが、その歪な親子関係を見事に、見事としか言えないぐらいに表現していて、当時の私はたまげた。(「君」はおそらく娘のことであろう)

ドイツ語学習のメリット

ここまで書いたが、このままでは『キルラキル』を知っていてかつ、ドイツ語学習経験のある方しかついてこれない文章となっている。

どこに需要があるのか。

なので、謎の危機感を感じた私が、元営業マンとして、ドイツ語を学んだメリットもお伝えする。

①英語が超絶カンタンに思える
②英語が得意でイキっている奴に一泡吹かせられる
③世界が広がる

以上の3点について述べる。

①について

多くの人はを英語は中学、高校の6年やっていて触れる機会(YouTube,英語の歌など)が超絶多い。

ドイツ語を独学で(ちょろっと)やった私からすると、それだけ恵まれている学習環境で英語ができないだの言うのは甘えでしかない

英語など、SVOorCの語順で意味が決まる構造である。
6年もやれば慣れるはずだし、結論から先に言ってくれる親切言語だ(私の主観)。

ドイツ語なんて、名詞に性があるし(男性名詞、女性名詞はわかるが、中性は意味がわからない)、格変化がバンバン出てくるので語順だけでは理解が及ばない。
主語が一番最初とは限らないのである。

私は当時、中学生の家庭教師をやっていたのだが、
英語を教えるときは
「英語は語順で決まる」
「名詞に性がないから超楽やで」
「大体、最初に出てきた名詞が主語。次が大体動詞」

と言う風に、

ドイツ語との関係性で英語を見つめ直し、説明することができるようになった

余談だが、その生徒を私が2年半担当し、見事第一志望校に合格してもらうことができた。いずれネタがなくなればその話もする。

②について

英語ペラペラなやつがいるとする。得意げに英語で何かを言っている。
タイミングを見計らい、

Englisch? Es ist nicht Lustig!!!
(英語?そ〜んなもん、つまんね〜ぜ!!!)

と、ドイツ語で私は言うことができる。

大体相手はまともな反応ができない。

そりゃそうだ。いきなり、日本においてドイツ語で話しかける奴など想定していないだろうからな。

「英語好き」は大体面白い反応を返してくれる。
(そもそも、英語ができるだけで己をグローバル人材とでも思っている、その人間性が面白いのであるが。いや、面白くはないのかな?)

でも、みなさんはやめてほしい。めっちゃ恐怖され嫌われるから(経験者は語る)

③について

「Sternengesang」という、これまた澤野氏作曲のドイツ語の曲がある。

↑に収録されている、

2番から入るドラムが超絶かっこいい曲である(ドラムでやってみたらえらく難しかった)

私のことだから、当然訳すのであるが(ADHDの衝動性?)「Blumenkranz」のときとは異なり、すぐに訳せた。

「Unicorn」はドイツ語だと「Einhorn」というところにも知的好奇心をくすぐられた。

さらには、『Der Spiegel』とかいう、ドイツのインテリが読む雑誌も訳した。

↑版元のサイト

大学の図書館に埋もれ、誰も読んでいなかったので3pほど適当なバックナンバーを訳した。

その結果、

アメリカ大統領、トランプ氏がドイツのインテリには不評だということがわかった。(トランプ氏はドイツ系らしく、それがまたドイツインテリには気に食わないと、奥山真司氏(地政学の権威)が言っていた気がする。下品だとか何とか・・・)


・・・このように、アニメのサントラの一曲をきっかけに私の行動力は増大に増大したのである。

世界、広がりましたわ


・・・以上、ドイツ語学習のメリットをまとめた。

Ich bin "Blumenkranz"

最後となったこの章では、「Blumenkranz」と私の関係を一歩踏み込んで綴る。

私が何者か、については↓をご覧いただければ幸いである。

私は常に健常者が怖く、勉強やスポーツはできる方だったが人間関係はいつも長続きしなかった。普通のことができなかった。

私には迷いがないように他者には見えるようだが、内心トラウマを抱えてギリギリを生きているのだ。実は私は。

まともに就職できる気も、小学生からしなかった。
せめて数字さえ取れればいい営業職なら何とかなると思い、その仕事を選んだ。

だが、あの仕事はまさに生き馬の目を抜くような世界で、最初は、仲間のはずの同僚に手柄を取られたり、金にならない仕事を押し付けられたりしていた。

しかし、ここで恨み節を言いたいわけではない。
この現実は私の弱さが招いたのだ。全て。

強ければ軽んじられることもなくなる。
何と言っても、独学でドイツ語勉強した私だ(対して喋れはせぬが)。
何とかしてみせる。

そんなとき、聴いていたのだ。

Egal wie hart du auch bist
(君がどんなに辛くとも)

Fliege hoher!
(もっと高く飛べ!)

Laufe viel schneller!
(もっと速く走れ!)

Du bist sehr stark
(君はとても強い)

Du bindest einen Blumenkranz
(君は花冠を編む)

Wieso siehst du so traurig aus?
(どうして君はそんなに悲しい顔をしているんだい?)


はじまりの曲を

俺は"Blumenkranz"になってやろうと思った。

周りの連中、あの花どもを刈り取って、我が花冠(ドイツ語:Blumenkranz)にして得意げに闊歩するのだ、とも。
それができれば、目指す「美しい」人生が手に入る。
そう、花冠のような。

他の連中が悲しい顔をしようが、関係ねえ。

そんなことを気にして生きていける世界ではないのだから。
Diese Welt ist grausam(「Blumenkranz」の歌詞)・・・この世界は残酷だから

だから、私は"Blumenkranz"なのである。

そしてこの場を借りて言おう

Ich bin "Blumenkranz"!!!

これが私のハンドルネームの由来である。

以上


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