理不尽

君よ
この世はあまりにも
理不尽なことが多すぎる

大人になって
分かったことがあるだろう
理不尽は
体育会的根性論とともに
押し付けられてきたことを

人が傷ついても
かまわないような人間が
心を失くした結果だ

そして自分の意見を持たずに
強者に媚びて
長いものに巻かれて
ミイラになってしまったんだ

君よ
それでも
生きなくちゃならないんだ

見てごらん
心ない言葉を
途切れずに吐き出せる人間が
増えたと思わないか？

面と向かって言うことをせず
誰かを揶揄する書き込みを
四角い画面の中に夢中になって
止められないでいる人間に
人の気持ちなど
わかるわけがないのだから

この濁り切った
社会の縮図を見て
何も思わないでいるなら
奴らに取り込まれたと
同然なんだよ

それが
理不尽というものなんだ

だから敢えて傷を負って
わかったことがある
黙っていたら何も
変わらないままだと
あたりまえだ
言われるがままに屈せば
人生を左右しかねない
深い傷を負ってしまう

こんな理不尽は
何処を探してもないだろう？

社会がどれだけ変わっても
人間が執念のような
憎悪に走る限り
悪くなっていくものだ
そして多くの人々の
願いがかなわぬまま
終わりを迎えてしまうことが
どれだけの悲劇を産むのか

わからないだろう
だけどそれでいいんだろうな
理不尽だからな

…って
もうイヤだ
こんな世界は
命がいくつあっても
足りないよ

理不尽だ