非正規

どんなにがんばったところで
僕が非正規なのは変わらない
ふと街を見れば
レンタサイクルでウーバーイーツの配達だ
この国はそうでもしなければ
生きていけなくなってしまったんだな
ふと去年の源泉徴収票を見たとき
僕は途方に暮れていた

「正規を目指したら?」と言われた
僕を見ている人は必ずいるとも
けれど何も変わることはなかったし
誰かに認められることもなかった
一度障害者雇用で働いたことがあるけど
僕が思っていたものとはほど遠く
正社員になれないんだと分かったとき
やっぱり僕は途方に暮れていた

未曾有の恐怖の中で
いつものように朝に目覚めてしまう
一日の仕事を終えたらくたくたになる
なのに夜に眠れず悲しみを抱える
そしてまたいつものように朝に目覚めてしまう
再び一日の仕事を終えたらくたくたになって
それでも夜に眠れぬ悲しみがやってくる
いつまで繰り返せばいいのだろう

もう目覚めたくないよな
このまま眠っていられたらいいのに
社会に未来がなかったように
僕にも未来がなかったんだ
誰かを責めることは言い訳がましいか
社会を責めることは言い訳がましいか
自分を責めることは何度もしてきたけれど
この世の中は自己責任論者ばかりでとても萎える

明日は我が身かもしれない
悲しい事件が起きるたび過ぎる
被害者になるかもしれなくて
加害者になるかもしれないから
そして命とは 生きるとはと
未曾有の恐怖の中では
とても考えられないし
何も分からなくなるんだ

それでも明日もがんばろうと
しかたなく自分に言い聞かせる
ときには愚痴を言いながら笑わせて
爆発しそうな自分をどうにか鎮めている
いつになったら報われるんだろうって
どうすれば救われるんだろうって
だけど僕が非正規なのは変わらない
非正規から前には進めない

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?