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色んな人に意見を持ってもらいたい。今のApexのランクシステムは是か否か 厳しいランクシステムを導入するメリットデメリット

・前提として

  Apexのランクシステムは他ゲーのランクシステムとは明らかに違うものだが、実はバトロワ系の中ではさほど独特のものではない。
例えばPUBGなど、ガチガチのeスポーツ系タイトルと同じようなランクシステムを導入していた時期があったが、2019年に廃止されて今のApexのような降格のないシステムに変わったという経緯がある。おそらくApexはそのシステムを模倣しているのだろう。

そしてプロプレイヤーの間ではApexのランクはぬるい。カジュアルすぎるという意見がある。



 この記事ではApexのランクシステムの特徴と他ゲーのランクシステムとの比較を挙げながら、それぞれのメリットとデメリットを考察していく。

①Apexのランクマッチには振り分け戦がない


 ランクシステムを導入しているゲームが結構導入しているシステムが振り分け戦システムだ。(バトロワゲーにはあんまりない)
 これは最初の10戦の勝敗の結果でランクマッチのスタート地点が変わるというもの。
 
 今のApexで例えてみよう。
もしもApexに振り分け戦が存在していたとしたら、初めてランクマを遊ぶプレイヤーは最初にゴールド〜プラチナ辺りからスタートし、ガンガンキルを取って生存時間を長く維持していけば上のランクマッチに即座に移動する。
これにより自分の相手がどんどん強くなっていき、勝ち続けて振り分け戦を10回終えればダイヤ帯の中くらいからいきなりスタートとなる。逆にキルを取れず負け続ければマッチする相手もどんどん弱くなっていき、キルをろくに取れなかったり、撃ち合いで即座に負けた場合シルバー最下位からブロンズ上位あたりからスタートする……といった具合だろう。(こういうシステムを導入しているゲームは、初の振り分け戦後にいきなりブロンズ最下位には滅多にならない。理由としてはスマーフの温床になるためだ。ブロンズ最下位スマーフをやるにはここから何連敗もしないといけない。そうすることで簡単に初心者狩りができないようになっているし、この状態でちょっとでも大勝すると後述のMMRシステムによって上のランクに戻される。初心者は振り分け戦後も負け続けることにはなるが、そのうち適正なマッチで遊べるようになる。ちなみにApexのアリーナランクの振り分け戦にはそんな配慮は一切なく、初めて作ったアカウントで10連敗すれば誰でもブロンズ4になってしまう

※多少穴はあるが、似たようなシステムはアリーナには存在していて、しかも割と現行の主流のランクシステムに則っている。このシステムが気になる人は先ほども言ったが、アリーナランクを一度遊んでみるとどんなものか理解できると思う。
 
 そしてこのシステムを導入しているゲームでは、振り分け戦の内容や結果が以前のシーズン結果に引っ張られる。
つまり、昔シーズンマスターだった場合、新シーズンの振り分け戦のスタートラインや結果も必然的に高くなるし。前シーズンブロンズ下位なら進シーズンで開幕戦う相手もブロンズになる。

このシステムの導入のメリットは適正なランクに移行しやすいという点だ。
Apexはシーズン移行後のレートダウンが結構大きいゲームで、ダイヤやマスターのプレイヤーが1シーズンまるまる遊ばなかっただけで低レートスタートするという他のゲームのランクマを遊んだ経験のあるプレイヤーならびっくりするようなゲームシステムになっている。(他ゲーのランクシステムに慣れていた筆者はこの仕様を初めて知った時、あまりにも自分にとって常識外れであったため本気で耳を疑った。シーズン移行でゲームのスタート地点がここまで下がるゲームは珍しいというかバトロワ特有かもしれない。色んなプレイヤーを下のランクに落として満遍なくランクが上がる楽しみを提供したいという意図を感じる。もちろんデメリットもあるのだが……)
こんな仕様では上級者は意図せず初心者を狩ることになるし、サブ垢スマーフで初心者狩りなど簡単にできてしまう。

 シーズンを開けず下位スタートでなかったとしても、現状マスター、プレデター帯のプレイヤーにとって低ランクのレート上げはほぼ作業になっているようだ
同時に、そういった作業中の上級者が一人でもマッチに存在してしまうとそのレートの他の適正プレイヤー(最大57人)は基本的に養分だし、遭遇した瞬間にレーザービームが飛んできて即死する。(『20分漁って三秒で死ぬゲーム』。『歩くケアパケゲー』等揶揄される状態だ。このゲームの初心者中級者にとって一番ゲームを辞めたくなるつまらない瞬間だろう)

基本的に現行のシステムではプラチナ4〜ブロンズくらいの低〜中レートで戦っている適正のプレイヤー(今後じわじわ上達していく層)が特に苦しい思いをするシステムと言える。

特にApexは現状シーズンが11まで進んでおり、プレイヤーの全体レベルが高まってきている。
シーズン直後に格下や初心者のプレイヤーがなすすべもなく殺されるのが常態化している現状を放置するのはゲームの寿命をそれこそ急速に縮めることになる。
こうなるとゲーム全体の人口が減っていく危険性があるのだ。これはプレデターやプロ、有名配信者であればあるほど危惧しなければいけない危険な問題だったりする。(他ゲーではこの辺りの意識が強い有名プレイヤーが結構いて、そういったプレイヤーは初心者からの支持が特に厚い。逆に、Apexの配信者の中には動画企画という名目で堂々とスマーフをして平然と初心者を狩っているプレイヤーが多数いて、視聴者もそれを見て当たり前のように楽しんでいるためそういった意識はとても低いように感じる。これは文化の違いなのかもしれない。例えると日本から見たアメリカの銃社会くらい常識が違う。この文化を初めて知った時、筆者は滅茶苦茶びっくりした)

逆にこの振り分け戦のデメリットとしては色んなプレイヤー層のランクを回す回数が減ってしまうかもしれないという点。
正直現行のランク分布だと、スタート地点がダイヤの上になってしまった場合。ランク目的でやっているような上級者はランクを遊ぶ時間が減ってしまうだろう。
(このランク数で、誰もが時間をかければゴールドやプラチナまでいけてしまうという仕組み自体が割と破綻している節がある)

※もしもApexに振り分け戦を導入した場合、スタートラインの中央値であるボリューム層がプラチナ4で、そこから上のティアーやディビジョンの数が異常に少なくなってしまう。これは、結構問題な気がする。
これでスタートラインがダイヤ上位だとランクを上げる楽しみも薄れてしまうだろう。(例えばlolだとボリューム層はシルバーとゴールドの間くらいだし、ロケットリーグはボリューム層がプラチナだが、ダイヤの上にチャンピオンとグランドチャンピオンのディビジョンがそれぞれ三つずつあり、その上に最上位ティアーが一つ存在する)

Apexにはマスター1~4などがない。振り分け戦とか関係なしにこの辺り大人数バトロワゲーの宿命なのかランクの数が少なく大雑把に感じる。細分化したところでマッチの幅が変わらなければ意味がないと思われるかもしれないが、実は他ゲーでは、ある程度の上位レート(ダイヤモンドくらい)まで到達してしまった場合、長期間試合を回さないと自動的にRPが減っていき下のディビジョンやティアーにどんどん降格していくシステムを導入していることもあるためマッチング範囲はそのままに、マスターを細分化するだけでも危機感が湧いて上層のランク人口は増える可能性がある。しかも、報酬などはシーズン終わり時のランクが反映される。シーズン中の最高ランクではない。

(この状態で上のランクに行けば行くほど短期間で試合をする事になる。当然、ランクではなく後述の『MMRシステム』でマッチするのでこの機能で意図的に降格して格下を狩るみたいなことはできないようになっている。ちなみに毎日試合を回さないとランクが落ちるわけではなく、日数分試合を貯金することもできるようになっている)


こういうゲームは『上級者はランク目的だけで回すな、盛るな。日々戦い続けて研磨せよ』という意図があるのかもしれない。
いわゆるプロプレイヤーが望んでいるようなガチンコのランクマッチはまさにこういうシステムの世界なのだろう。
上級者からすればヒリつくような世界であり、少なくとも今以上にプレデターやマスターの価値は高まるのは間違いない。


②ApexのランクマッチにはMMRがない


 ApexにはMMR(マッチメイキングレーティング)がない。
 MMRは試合の結果で上下して、これに基づいてランクや獲得RPが変化するシステムだ。(ランクアリーナには存在していて最近ようやくまともに稼働し始めたらしいので、どんなものか知りたい人はアリーナを遊んでみると良いかもしれない。ちなみに勝ち負けで二分できるゲームの場合、ゲームの個人の活躍内容は考慮されず勝敗のみでMMRが変動する
基本的に、ゲーム内でMMRを確認する方法はないことが多い。

勝ち負けごとに獲得するMMRの量は、対戦相手のMMRによって決まる。
たとえば他のゲームだと、自分よりもランクの高い相手を倒した場合、勝利のMMRポイントは多くなるし、負けた場合は、失うものは少なくなる。


 また、デュオやトリオなどを組めばMMRが上昇するため相手も強くなる。(これは余談だが、他のゲームではプレデターレベルのハイレートになると、敵のMMRに上限がある=固定を組むのが基本安定かつ野良やソロ側があまりにも不利になりすぎるため、最上位ランクであるマスターやプレデターは一切固定を組めないようになっていたりする

Apexでそれをやるとプロがチームで練習する場所が無くなりそうだが、仕方ない話な気もする。これも動画企画並みに無視されがちだが、プロのプレデターがチームを組んで野良の混じったパーティを狩りまくるというのは、絶対に格上が存在し得ないどころか、公平な勝負すら滅多に起こらない究極の格下狩りみたいなものだからだ。(ぶっちゃけ、現状ですらパーティなんて組まなくてもプロは圧倒的に強いし一人で勝ち切れちゃうし……)

 アリーナではMMRは勝敗のみで定まるが、しかし、もしもApexのランクマッチにMMRが存在していたら確実にキルポイントが関わってくるだろう。

もしもApexのランクマMMRがあったら――


おそらく、固定で発生するRPの入場料は少なくなるか無くなるだろう。(というかそもそも入場料という概念が割と謎な気がする……)
自分よりMMRが高いプレイヤーやパーティに削られてそれが死因となったらRPの下降は小さくなる(時には0になる)だろうし、高いプレイヤーやパーティを大きく削ってキルやアシストなど、撃破に繋がればRPは大きく上がる。
 逆に自分よりMMRが低いプレイヤーやパーティを抹殺してもMMRは(上がりはするが)あまり上がらない。

右上のRPやリザルトのRPの増え方に一喜一憂する楽しみはできるかもしれない。(今の敵は強かった。今の敵は弱かった等)

 連キルした状態で順位が高くなればMMRはグッと上がって、それを繰り返していくとRPの獲得量も指数関数的に増えてランクの飛び級が発生する。
 現行のシステムなら、例えばブロンズで15キルしてチャンピオンみたいなことをやってしまうと上がり幅が指数関数的に増えていき、即座に上位のティアーで試合をできるようになる。
逆に、連続で撃ち合いで殺され続ければMMRは次第に落ちていきRPの減少量も増えていく。

 このような仕様だとキル目的で初動ファイトが常態化するのでキル以外に(順位ではなく)生存時間でRPが付与されるようになると良いかもしれない。

 このシステムのメリットは①と同じように適正ランクの移行が現行よりも圧倒的に早くなるという点だ。
 現行のランクシステムにはMMRがないのでRP獲得量はキルを繰り返して一位になっても(もちろんRPはもらえるが)どうしても少ないものになる。大勝、連勝していきなり飛び級みたいなシステムがないため、このせいで延々初心者がRP稼ぎ中の復帰勢の上級者やサブ垢のスマーフに狩られる悲劇が頻発する。
その結果、ランクシーズン開始後(強いプレイヤーが回す時期)やシーズン終わり(サブ垢のスマーフが暴れる時期)はしばらくランクを回さない方が良い、みたいな風潮ができつつある。そういった対策になるだろう。

加えて、このMMRシステムはスマーフやサブ垢(意図しない)の初心者狩り対策としてかなり強くて、一回でも馬鹿みたいな勝ち方をしてMMRが上がってしまえば下げるのがかなり大変になる。
つまり、初心者狩りをするために何度も何度もわざと初動落ちしたり自殺しないといけないわけで、そういうことを繰り返すと(他ゲーだと)普通に意図的な敗北であるとシステムに検知されてアカウントが停止される。

デメリットとしては適正レートに定まる速度が速すぎて、沼を感じやすくなる。『毎回敵に出逢ったらすぐ殺されるけど、隠れているだけでだんだんRPだけは増えていってるから俺は満足! 楽しい!』みたいな捉え方をする上位層ではないプレイヤーとは致命的に相性が悪い。


③Apexのランクマッチには(プレデターを除いて)降格の概念がない


 結構勘違いされがちだが、他のゲームでも低RPの状態から一度負けていきなりティアー(ブロンズ~プレデター)やディビジョン(1~4)が落ちるわけではない。
 大体、床ペロ状態の時に何度も負けているとMMRの量に応じてRPの増減値が代わり、降格していくというわけだ。
 降格自体はどのランクにも存在しており、それこそブロンズ3からブロンズ4へ降格することもある。

このシステムメリットとしては、やはり適正プレイヤーが適正なランクで戦えるということだろう。
撃ち合いを一切しないままハイドでRPを稼いだ結果プラチナまで行ってしまって、これ以上は無理だから諦めるみたいなプレイヤーが減るというか、おそらくそれ以前に、ゴールドを抜けられなくなる。
また、降格してしまうため『今シーズンこのレートでいいから後は適当にやろう』みたいな雑なプレイングをするプレイヤーはおそらくほぼ完全に消滅する。

 逆にいえばまさにそれがデメリットであり、殺伐とする。
色んなプレイヤーが適正に早くぶち当たり沼ってしまうのだ。
ブロンズを抜けられないとか、シルバーで停滞しているとか。そういうプレイヤーも今より増える。
ランクマッチというものは基本的にガチになりがちなので、RPの減少からの降格によってプレイヤー同士のいざこざも当然増えるだろう。(特に野良同士の場合)
一人のプレイヤーによる一方的な殺戮はグッと減るだろうが、誰もがゴールド周辺でわいわいみたいな環境ではなくなってしまう。

総評:Apexの運営はカジュアルプレイヤーが離れることを恐れている?

最近、キルポイントの計算式を変更した(キルするプレイヤーが早く適正にいくようになった)あたり、初心者や低レートの大量のプレイヤーが少数の上級者に一方的に轢き殺される現象に関してEAは危惧はしている節がある。

一方で降格保護が維持された状態のままなのもカジュアルプレイヤーが離れることを危惧してのことなのかもしれない。

しかし、戦闘をせずハイドだけで一定のランクに行けてしまって尚且つ降格もしないという状態はいくところまでいくと多くのプレイヤーが特定のレートでスタックしてしまうことを意味するし、上に行けばいくほど公平な撃ち合いの機会(上達の機会)もなく戦闘する=轢き殺される頻度がただただ上がるだけのように感じる。
きちんとシステムに梃入れを行なって、ランクの分布が最適化し適正プレイヤー同士のマッチが発生するのであれば、ハイドしか選択肢がなくなるということも減るし、同格の者同士の撃ち合いも発生しやすくなってゲーム全体の不公平感は減る。

ただし問題として上記のシステムを導入するとランクの分布は変わる。

この記事で紹介したシステムを全て導入すると――

①振り分け戦10回の結果でランクのスタート地点が決まる
②床ペロ状態から負けるとどんなランクでもディビジョンでも普通に降格する
③入場料が無くなり、MMRでRPの量が増減する
④シーズン終了時のランクに応じて報酬がもらえる
⑤ダイヤモンド以降は試合をしないとRPが減っていく
⑥マスター1~4が存在するようになる
⑦プレデターやマスターは固定を組めなくなる

これは、おそらく今よりも遥かに厳しい世界になる。
ランクの分布は変わるし、プラチナ4のプレイヤーがシルバーやブロンズでスタックするような世界になってしまう可能性もある。当然そんな環境はカジュアルプレイヤーが耐えきれず辞めてしまうかもしれない。

確かにランクマッチは基本的にどんなゲームでもガチンコになりがちなのでカジュアルをもっとカジュアルに楽しく皆でわいわい遊べるような工夫をしつつ、ランクマはガチンコでやれる環境を構築する――で良い気もするが、今更環境を変えるのは難しいかもしれない。


もちろん、どちらが良いのかは個々のプレイヤーの好みで分かれるかもしれない。筆者が決して断じて良いものではないのでこの記事を読んだここのユーザーがそれぞれ意見を持ってもらえると嬉しい。

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