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東京に人生を狂わされたあの日

中2の夏だった。心の中には東京がいた。

ボクが生まれた場所は山口県の下関。本州の端で東京から遠く離れたところだ。東京のイメージ=流行、芸能の最先端だった。

人生で東京にはじめて行って強く意識し始めたのはもっと前なのだが、またそれは次回にするとして今回はそれよりちょっと熱が続いていた頃の話。恋愛で言えば、「好きになる」から「好き」と言えるくらいだろうか。

昔は東京の芸能といえばまだまだジャニーズとAKBの時代だった。ボクの周りも例外ではない。クラスのみんなが、テレビ中心の芸能に娯楽を楽しんでいたのだ。


ところで中学生といえばファッションやヘアに目覚める頃だ。ボクもちょうどヘアアレンジにハマった頃で、いつも髪を遊ばせていた。髪が長かったし。田舎のヤンキースタイル。

ちょうどその頃、ボクら世代で髪の長い男性アイドルといえば「山田涼介」だった。ちょっとイケてる男子は彼の髪型を真似しようと必死になっていて、ボクは先人切ってマネていた。


そんな頃忘れられないドラマなのが「探偵学園Q」志田未来、神木隆之介、山田涼介…と90年前半生まれがバリバリに出ているドラマである。その時の山田氏の髪型が中学生男子のおしゃれ心をまあくすぐるの。襟足だけ伸ばすスタイル。

めっちゃマネて、同じ時期にHey Say7なんてグループがあってその髪型もイケてたか真似してた。ジャニオタの女子かと思うくらい髪型コピーの熱意はあったね、何ならジャニーズ入るくらい。

それで最初はおしゃれ心を山田涼介氏にくすぐられてたのだが、探偵学園Qのドラマ見てると思いが変わってきた。


「もしかして、あのロケ地に行けばボクもあんな感じに輝けるのではないか…?」

とんだ勘違い。単なるおしゃれ心が東京への憧れに変わった。はっきりとしたタイミングは分からないけど、いつか「あの街に行けば変われる」という思いになったんだ。それからずっと、「東京に行きたい」という強い思いになった。


あれから10年以上時は流れて東京にいる。あの頃思ってた魔法はない。だけど、不思議な魅力がある。人を惹き付ける魅力が東京にはある。

まあ、多少は垢抜けたと思うけど、変われる=望む自分になるというあの日の答えはまだ見つかってない。

これからもう少し頑張るよ。