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ゲンロン ひらめき☆マンガ教室 第6期 課題1 「自己紹介を『物語』にして書いてください」完成稿感想

こんにちは。あおたかです。

前回書いた記事(https://note.com/bluetred/n/n32df55b753e6)では課題1 「自己紹介を『物語』にして書いてください」のネームの感想を書きました。今回は完成稿の感想となります。

今回の課題


以下、課題1の完成稿の感想です。マンガは各リンク先で無料で読めます。全部で19作品あります。

完成稿の感想

赤い氷 彼女は妖精

文字がネームより見やすくなっている。

春田さんの目の下から血管が浮き出ていることに狂気を感じたが、15ページを見るまでまつ毛かと思ってた。心臓の血管も細かく書かれていて印象に残る。

二人はうまくやっていけると思えるいい展開になっていると思った。

https://school.genron.co.jp/works/manga/2023/students/atuisamui12345/29627/

ばやしあきや はかせの一生

冒頭の部分で隕石と一緒にミキが止まったことがネームより分かりやすくなっていてよかった。

指輪の光り方(キラキラ)は伏線として機能しているとは思う一方、リアル寄りな作風なためかなんだか不自然なような気もする。

10~12ページあたりのモブの顔は書いた方がいいと思った。

あの隕石はずっと止まったままなのだろうか。

深田えいひれ マンガ家志望者奮闘記

ネームから内容もタイトルも変わり違う話になった。

ネームのときの悪い女キャラが振り回されるのが、同じキャラで違う役回りをさせることができていて上手いと思った。

二人の関係性がよくわからない(漫画家と編集者と思いながら読んだが、友達とも読める)ことは気になった。

ぼんち。 お兄ちゃん、ごめんね。

絵上手い! 2ページ目の主人公の表情が良い。

ネームより主人公とおばあさんのコマが増えて、クローバーを受け取ったことが明確になってる。 因果応報のくだりや回想から戻るところもわかりやすくなった。

12ページで後ろから刺されてるのに腹を押さえてるのと、刃物の血のつき方は気になった。

救いのない話だが現実では仲良しでほっとした。

https://school.genron.co.jp/works/manga/2023/students/gnob/29481/

中山 墾 満願寺さんのワンナイトハッピーアワー

冒頭のページ入れ替えで満願寺さんの魅力が最初から出ているのはいいと思う。

ネームの段階でよくできていたということもあってか、ページの入れ替え以外のところの差が見比べるまで分からなかった。アピール文によると1時間しか時間を確保できなかったとのことなので、今後の課題では作りこまれた完成稿を見てみたいと思った。

https://t.co/ZmxNNcOJNn

ひむか はじめの第一歩

完成稿になってキャラの魅力が一層でてきてよいと思う。

服のデザインや装飾もちゃんとしてる雰囲気がでている。

行き詰ってどこにも行けない思い込んでいた人が新しい希望を見つけて踏み出す、感動的でいい話だった。

https://school.genron.co.jp/works/manga/2023/students/h5260y/29701/

あい乙いなびこ 図に乗る息子

扉絵がそれっぽくなった。

4ページ目のうれしそうな顔や11ページ目の照れ顔などキャラの表情が丁寧に描けているのがよいと思う。

コマ割りはネームより大きくなって読みやすかった。

家康の大ゴマはやや唐突感があるかも?

https://school.genron.co.jp/works/manga/2023/students/inabiko/29334/

やながわけんじ 土日のふーん

主人公がコンビニへ買いに戻ってくる様子が描かれていて、何気ない日常が変化した感じがいいと思った。

背景も緻密に描けていて田舎の賃貸暮らしの雰囲気が伝わってくる。

5ページ目で口元見てるのがキャラの性格を表せていていい演出だと感じた。

https://school.genron.co.jp/works/manga/2023/students/kenjiyana7/29380/

桐山 深夜徘徊

歩いている中で背景が少しずつ変わっていくのが移動している様子が分かって上手いと思った。

普段はあまり話さないような人とも1対1で会うと意外と話せてしまえるのが話を成立させているなと感じた。

https://school.genron.co.jp/works/manga/2023/students/kiriyama/29849/

七井一汐(なないつ) 初見

ドキュメンタリーみたいな読み味で実際にあった出来事だったのだろうなと思わせる反面、物語色はやや薄いような印象。

主人公が一連のやり取りを経て何か変わってくれると物語感が出るのかなと思った。

https://school.genron.co.jp/works/manga/2023/students/nanaitsu7/29591/

藍銅 ツバメ(らんどうつばめ) 推しの声の怪

タイトルのフォントがおどろおどろしくて怖い。

ネームの線のガサガサ感から丁寧に仕上げられていてよいと思った。

妖怪が現れたり声優を食べようとしたりと大きなイベントが起こっているのに読んだ時には淡々と話が進んでいく印象を受けたので、決めゴマ(食べようとするところなど)があるとメリハリがついていいのかもしれないと思った。

https://school.genron.co.jp/works/manga/2023/students/randotsubame/29648/

くまのぶ doWa

キャラの絵がかわいくて楽しく読めた。dowaと最初にdowaと飛ぶ子画特に好き。

主人公は人間みたいな見た目だが2ページ目を見るに人間ではないのか、なぜ最後にwind(風)と名付けたのか、ファンタジー世界だけど英語はあるのかなど話の設定で気になるところが多かった。

https://school.genron.co.jp/works/manga/2023/students/rmn261ne10/29348/

大須賀健  小麦アレルギー男の必勝デート計画!

絵柄が変わり等身が上がった。 主人公の目に角度がつき、先輩の目はつり目に。

演出面ではモクモクコマ(妄想シーン)が縦→横になったところと、 9ページ目中央右にできた空白が気になった。

せっかく用意したのにパンあげるの忘れるかな?

https://school.genron.co.jp/works/manga/2023/students/takeshi/29434/

藤原 ハル 最後の散歩

完成稿の絵が上手く、背景や道具(家具や薬)も詳細に書き込まれていて見やすかった。

楽しい思い出とつらい思い出の両方が描かれているのも話の起伏があって物語らしさが出ている。

夫婦二人にかわいがられていた犬が死んでもなお二人の関係をつないでくれる展開は感動した。

https://school.genron.co.jp/works/manga/2023/students/tamacodama/29539/


東京ニトロ 091101

ページ数が11→16になり構成もネームからガラッと変わった。

ワールドトレードセンターの崩壊(9.11)が映画の中の出来事であることがより分かりやすくなっている。

ラストの「悲劇を思い出に塗り変えるような、物語を書こう」という主人公の思いが作者の思いと重なっているようにも思える内容だった

https://school.genron.co.jp/works/manga/2023/students/tokyonitroo/29753/

たにかわつかさ 委員長とテキトー円花

堅物で真面目な委員長と明るくて不真面目な円花の、キャラが立っている二人のやり取りを楽しむマンガ。

円花がいろんな笑顔を見せてくれるのが良い。大体笑っているので9ページ目の真剣な表情が生きてくる。

カドの伏線もちゃんと回収していてうまい。

https://school.genron.co.jp/works/manga/2023/students/tsukacharn/29715/

ヤギワタル 忘れもの

意識だけで映画を見にいくことを楽しみ始めた主人公が、意識に慣れすぎたおじさん(≒主人公の未来の可能性の一つ?)と出会って夢に向かって進み始めるいい話だった。

ネームよりも意識だけの体が元の状態との差が小さいように感じた。60歳のおじさんの方とも色の薄さ等で差別化すると経験の差が出ていいかもしれない。

https://school.genron.co.jp/works/manga/2023/students/yagiwataruu/29793/

ねりけし 予想外のおしぼり

完成稿になって人間や背景がより細かく描かれていて作品らしくなった。

全体のほんわかした雰囲気が6ページ目のオチのショックなシーンに効いてていて良い。

個人的には色付きのほうがWeb掲載マンガっぽくて好み。

色付きver 

ヤマオカ兄弟 誰かが見ている

ペン入れの結果よりホラーチックな話の感じが増した。

8ページ目で家で盗聴されないように外を歩きながら話ていたのに、9ページ目では急に家に戻っていることが、話はつながっているのに場所が移動していて不自然だと思った。

全体を通した感想

講義が始まって初めての課題ということでどんな作品が出てくるのかワクワクしながら楽しめました。

初めてマンガを描かれている方もいるとのことですが、皆さんとても上手くてレベルが高いと思います。スゴイ!

マンガの内容に関して、基本的には主人公≒作者としてお話をつくる方が多いように感じました。新しい一歩を踏み出そうというような前向きなメッセージのものもあれば、つらい経験や悲しい思い出をもとにしたもの、あるいは現実とは異なる世界のお話として書く人もいて、様々なアプローチがあるのだと実感しました。

これから1年間の作品も楽しみです。今回提出できなかった方の作品もいつか見てみたいと思っています。

感想は以上です。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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