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エンジニアとビジネス開発者の"話し合い"が大切。いっしょに目的達成へ向かうために。

株式会社シューマツワーカーのCOOを務める星 耀介さん。お客様と関わる"ビジネス側"である自身と、"開発側"であるエンジニアとのコミュニケーションの場を意識的につくることで、お互いへの理解を深めながらプロダクトの開発を進めています。

◯話し手
株式会社シューマツワーカー
星 耀介 さん
https://shuuumatu-worker.jp/
株式会社ボルテージに新卒入社し、ゲームの企画・広報等の業務に従事。2017年、株式会社シューマツワーカーのCOOに就任し、副業マッチングサービスを通して数多くの人材と企業をつなぐ。さらに新規事業として業務委託の人材を管理するSaaS『フリーランスフォース(β版)』の開発も手がけ、人材の受け入れ側となる企業の業務効率化も推進している。

◯聞き手
株式会社blue
代表 吉永 尚由
フリーの営業マンを経て2019年に株式会社blueを設立。 Webシステム開発及びWebサイト制作を中心に事業展開しつつ、2択の問いを投稿できる自社サービス「VOTE」の開発・運用を行っている。
https://blueteam.jp
https://about.createmyvote.com/


企業が求めるスキルは、年々変化していくもの。


吉永:
星さん、今日はお時間をつくっていただいてありがとうございます。これまで『シューマツワーカー』を通して、星さんが接してきたエンジニアさんの人数ってきっと相当ですよね。

星さん(以下、敬称略):
登録者の方との面談から案件の提案までまるっと私がやってたので、数百名のエンジニアさんと会ってきましたね。今進めてる新規事業のプロダクト開発チームでも、正社員やフリーランス、副業のエンジニアの方たちと日々接してます。

吉永:
うちも今、正社員と副業の方とでチームを組んで、自社サービスの開発を進めている最中なんです。なのでいろんなエンジニアを見てこられた星さんにとっての"いいWebエンジニア"、すごく気になってて。

星:
私がいいなってまず思うのは、技術の「キャッチアップ」と「アップデート」ができる人ですね。企業と人材のマッチングをやってきたなかで、企業の求めるスキルって常に変わっていくものだと実感していて。

吉永:
それこそシューマツワーカーがスタートした当時と今を比べると、かなり変わってきてますよね。

星:
技術ってアップデートされていくものなので、そこに追いついていけるような人はいいエンジニアだなと個人的には思います。

吉永:
たしかに。技術をアップデートしていないと、アサインできる案件もだんだん限られてくる気がします。


開発全体を俯瞰すると、今やるべきことが見える。


星:
エンジニアさんが「全体を俯瞰すること」ができるかどうかも、すごく大事なポイントだと思います。今のプロダクト開発を始めてから、特に感じるようになりました。

吉永:
すごく同感です。もしひとりのエンジニアが自分のタスクだけ消化してしまうと、要件は満たしていても、後ろの工程で辻褄が合わなくなったりするじゃないですか。

星:
そういうことはよく起こり得る話ですね。「これはほかの機能にも影響する」と理解していたり、「将来的にこういう機能をつくるなら、今これをしておかないと」と予測して動いたり、"周り"と"先"をしっかり見ているっていうのは大切かと思います。

吉永:
でもそれをチーム全員ができるようになるのって、なかなか難しくないですか?

星:
そうなんですよね。しかしエンジニアのスキルうんぬんだけの問題ではないと思っていて、意外とビジネスディベロップメント側が、きちんと情報を落としきれていないことも原因だったりするんです。前提や今後のロードマップがきちんと示されていないと、そりゃエンジニアさんはどうしようもないよなって。

吉永:
なるほど。サービス自体のロードマップとかがあれば、エンジニアはそれを軸に「じゃあ今こうした方が」と考えながら仕事できるのか。単純にエンジニアに求めるだけじゃなく、ビジネス側からも働きかけることが大切なんですね。


エンジニアの気遣いに、"非"エンジニアは気づきにくい。


星:
俯瞰して取り組んでほしいと言いつつも正直、周りや先をもろもろ考慮してつくっていただいたのか、そうでないのかって、非エンジニアの私がパッと見ただけでは気づけないんですよ。

吉永:
どちらにせよ最低限の要件は果たしているわけですから。

星:
そうそう。なので、「次につくるこの機能のことを考えて、こうしておきましたよ」と自ら伝えてもらえるとすごくうれしいです。そこまで気を遣って取り組んでくれたんだとわかると、今後のコミュニケーションにおいての安心感にもつながるし、評価にも反映することができるんです。

吉永:
ただ、もしかしたらそういう気遣いをあたり前のようにしてくれる人って、わざわざアピールしないのかもしれないですね。

星:
レベル感の高い人ほど、その傾向がある気がします。

吉永:
「こうやってつくりました」のひとことでも、それが今後の人事考課にいい影響を与えるならエンジニアさんにとってもプラスですし、せっかくなら言ってくれるといいな。

星:
納品時の補足コメント程度でいいのでもらえると、こちらとしてはすごくありがたいです。


スケジュールは攻めすぎず、でもバッファをとりすぎず。


星:
非エンジニアとしての視点からもうひとつ挙げると、スケジュールの算出の精度が高いエンジニアさんもすごく重宝します。

吉永:
納期直前で「やっぱりできません」となると困りますよね。

星:
開発のスケジュール感に関してはビジネス側はわからない部分もあるので、チャレンジングなスケジュールを提示してくれている場合は、「これはチャレンジングなスケジュールだ」という共通認識を持って進められるとありがたいです。

吉永:
わかります。いろんな項目にまんべんなくバッファをとると全体の工数が膨れ上がったり、予算も高くなったり。でも「最短ならこれで、バッファとるならここの工程」といった提示をしてもらえると、こちらもリスクを把握できるから、納期や予算がギリギリの可能性があってもその案件を獲りにいくのか、もしくはやめておくのか、判断もしやすくなります。

星:
そうですね。スケジュールの算出ひとつも、いろんなところに影響するということを把握しておいてもらえたらうれしいです。多少ビジネス的な目線を持っているエンジニアさんは、とても心強く思います。


エンジニアとビジネス開発者のコミュニケーションは不可欠。


吉永:
うちもがんばっていかないといけないんですが、エンジニアと一緒にいい仕事をしていくために、なにか社内で取り組まれてることとかってありますか?

星:
私のチームでは、月次でロードマップミーティングというのをしています。エンジニアからタスクの進捗を報告してもらうだけじゃなく、今後の機能開発について話し合ったり、営業の数値やお客様からのフィードバックについても、定期的に伝えられるようにしたくて始めました。

吉永:
開発側とビジネス側のコミュニケーション、すごく大事ですよね。

星:
そうなんです。サービスがまだ0→1の段階だったりするので、だんだんいいものになってきてるとか、使ってくれる企業が増えてきてるんだよっていうのを開発側にも実感してもらえたらという想いもあります。

吉永:
それをきちんと月次でやってたら、自分のタスクだけ消化しようとする人が減っていきそうです。開発現場での相互のコミュニケーションって、本当にいろんな場面で大切だな。

星:
エンジニアさんって開発スキルもすごく大事ですが、コミュニケーションを取ろうという意識がないと、チームでの開発は難しくなるんじゃないでしょうか。その意識があるかどうかは、経歴だけを見ても分からない部分でもあります。

吉永:
だからシューマツワーカーさんは自動マッチングという手段を選ばずに、面談することを大事にされてるんですね。納得です。


目的が変わらなければ、道筋は自分なりに変えてもいい。


吉永:
開発側とビジネス側のコミュニケーションがうまくいくと、果たしたい目的もブレなくなりそうですね。

星:
たしかに、なんのために・だれのためにという目的を常に共有できていると理想的です。それさえ見失わなければ、エンジニアさんは開発に自分の色をプラスしていくこともできるんじゃないかと思っていて。

吉永:
自分の色っていうのは、どんな風に加えていくんでしょうか?

星:
目的が達成できるのであれば、Howの部分は変えてしまってもいいと思ってるんです。何もかも言われた通りにやらなきゃいけないわけではないので。「開発側の視点ではこうした方がいい」「この方がお客様は使いやすくなるんじゃないですか」とか、そういう"意思"が自分の色じゃないかと思ってます。

吉永:
ちゃんと前提とゴールさえ共有できていれば、その間をつなぐ道は独自の方法で描いてもいいというか。それができるともっと仕事が面白くなりそうですね。

星:
最初にビジネス側が要件を伝えるときも一緒に話し合いをすると思うんですけど、そういう場でも開発側としての意見はどんどん言ってもらえたらうれしく思います。


ミーティングに出たら、まずドキュメントを書いてみる。


吉永:
非エンジニアである星さんが、エンジニアから学んだことってありますか?

星:
ドキュメントが綺麗なエンジニアさんがいて、とても勉強になります。シンプルですけど、このスキルがあるとコミュニケーションコストってかなり抑えられるんだなと気づかされました。

吉永:
ドキュメントをしっかり、しかも早く書ける人、支持が厚いですよね!会話しながらもう段落をつけてまとめていってる人とか。

星:
ビジネス側からは開発の中身が見えてない分、情報を整理して伝えてもらえるとすごく助かります。

吉永:
それがないと、ほかのチームメンバーは逐一「これどういうことですか?」となって余分な時間が発生しますもんね。エンジニアの頭の中を書き起こしたものがいつでも確認できるの、すごくありがたい。

星:
テキストだけじゃなく、ツリー構造にしていたり、その場で描画ツールを使ってちょっとした図を起こしてくれる人もいます。ビジネス側から開発側に要件を伝えるときも、見習った方がいいなと思いますね。


新しい技術や環境にふれて、自分の力を知る。


吉永:
星さんから見て、エンジニアの働き方は変わってきてると思いますか?

星:
副業をする人がすごく増えてきてるし、これからも増えていくだろうなというのは強く感じます。「副業」というと少し前までは、お小遣い稼ぎみたいなイメージがあったと思うんですけど、今はもうそれだけではありません。ほかの会社でも通用するか試したいとか、新しい関係を築きたいと言った理由でやるという人も増えていると感じます。

吉永:
経験値も増えるし、いろんな環境に身を置くことで自分の力の活かし方もわかってくるし、それが自信につながるかもしれませんもんね。単純な月収アップだけじゃないと思うと、副業ってすごく奥深いです。フリーランスになる人も増えているし、働き方の自由度が上がった分、もしかしたら正社員エンジニアは減っていくのかな。

星:
企業側が正社員としてエンジニアさんを迎えるには、正規雇用で働いてもらえるような理由づくりが必要になってくる気がします。じゃあどうするべきかと考えたとき、エンジニアが新しい技術をキャッチアップできる環境を整備するとか、やりがいにつながる環境を、企業側がつくれたらいいんじゃないかと私は思いました。

吉永:
なるほど。まずはひとつの場所に腰を据えて、新しい技術をキャッチアップ、アップデートしていきたい人もやっぱりたくさんいそうですもんね。

星:
安定した収入を得ながら、チャレンジもし続けられるなら、フリーランスじゃなく正社員という選択肢もとても魅力的。そういう環境づくりは、うちもこれからやっていかないとなって感じてます。

吉永:
そうなるとどんな働き方を選択しても、いいWebエンジニアへと成長していく可能性はありそうですね。ビジネス側の、私と同じ非エンジニアの視点からお話を聞くことができて、すごく勉強になりました。星さん、ありがとうございました!

星:
こちらこそ、ありがとうございました!

〈星 耀介さんにとってのいいエンジニア〉
・技術のキャッチアップとアップデートを続ける人。
・ビジネス側とのコミュニケーションができる人。
・スケジュール算出の精度が高い人。


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