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vol.43 ブルースタジオの近未来、を編む <「駅」を基点としたまちづくり編>

「編む、ブルースタジオ」では、これまで我々が手がけた物件に息づく様々な暮らしや日常を紹介してきました。
しかしこれらは、建物が竣工したあとのお話がほとんど。
実はブルースタジオでは常に、50を超える“まだカタチになっていない”プロジェクトが同時に進行しています。

そこで、vol.43とvol.44では「編む、ブルースタジオ」初の試みとなる、絶賛計画中のプロジェクトの進捗をご紹介したいと思います。
もちろん、お話しできることは限られてしまうのですが、今まさにリアルタイムで動いている“熱量”をお届けできればと思います。

CASE1 「べっぷ駅市場」を未来に繋ぐ

半世紀以上続く生活商店街『べっぷ駅市場』の文化を、
次世代に継承するためのリニューアルプロジェクト(大分県別府市)

「別府といえば?」と聞かれたら、おそらく100%の人が「温泉」と答えることと思います。そんな湯の町「別府」で温泉と共に、半世紀以上に渡って市民の暮らしを支えている「べっぷ駅市場」なるものがあるのをご存知でしょうか?

「べっぷ駅市場」は、JR 別府駅の高架下商業施設の一部として1966年に開業しました。市場や生活商店街は日本全国数あれど「駅の高架下」にある市場(=駅市場)はかなり珍しいです。

精肉店・青果店・鮮魚店等の日常買い回り店舗が多く出店し、長年別府市民の生活商店街として親しまれてきたのですが、近年店主の高齢化や大規模ショッピングセンターの進出等の影響を受けて、空店舗が増加。また、竣工後57年が経過し、施設の老朽化も問題となっていました。

「べっぷ駅市場」の入り口。ネオンサインがとびきりかわいい。

今回のプロジェクトでブルースタジオは、企画・建築設計監理監修・ブランディングプロモーションを担当しています。
「べっぷ駅市場」がこれまで培ってきた、店主とお客さん同士の「顔が見える」コミュニケーションの“継承”と、若い世代も訪れてみたくなるような”刷新”をキーワードに、設計とブランディングを進めています。

野田商店さんのお惣菜はお昼を過ぎると売り切れてしまいます

そのひとつの仕組みとして、駅市場のお店のみならず別府のまちなかの新しい担い手を受け入れ育てていく場所として、シェアキッチンやチャレンジショップなど、新規創業者のチャレンジを促す区画を新設予定。

シェアキッチンのイメージ(TOTTORI PLAY'S
どなたでも気軽に、お店を出店することができます。

2025年の開業に向け、今年から工事がはじまる予定です。
べっぷ駅市場を未来へ繋ぐプロジェクト、もちろんブルースタジオのサイトやSNSでも発信していきますが、こちらの「べっぷ駅市場公式instagram」でも最新情報を随時アップしてまいります。ぜひフォローしてみてください。

CASE2 肥前鹿島駅エリアを「スローツーリズム」の拠点へ

肥前鹿島駅周辺整備エリアデザインプロデュース(佐賀県鹿島市)

本プロジェクトは肥前鹿島駅を、来訪者・旅行客に向けた「スローツーリズムの拠点」としつつ、地域住人の「日常的な居場所」となるような、駅とその周辺の鹿島・太良エリアを含めたエリアデザインプロデュースをブルースタジオが佐賀県から受託しています。

「スローツーリズム」とは、いわゆる観光地を目的とした旅行やツアーとは違い、地域の“ありのままの日常”を自分のペースでゆったりと“暮らすように旅する”ツーリズムです。
今回の記事を書いている私もこのプロジェクトの担当の1人なのですが、3回ほど現地を訪れ、(その際のまち歩きの様子は編むvol.28でご紹介しています。)実際に鹿島エリアの「スローツーリズム」を体感しました。

酒蔵通りを中心とする「発酵・醸造文化」であったり、有明海と多良岳による豊富な「山と海からの豊富な生産物」であったり。何度も通ってみたくなるような、豊かな日常がそこにはありました。

山も海も近い、鹿島・太良地域

このエリアデザインプロデュース業務は今後も続いていきます。
実際に私たちが体感したこの地域の魅力を設計や、コンテンツづくり、プロモーションなど様々な観点から発信できるよう、目下計画を練っている最中です。
まだまだお伝えしたい事は山ほどあるのですが、現状お話しできるところはここまで。。引き続き、ブルースタジオのサイトやnoteなどでも発信して参りたいと思います。

新駅舎のデザインは、鹿島錦の「織」をモチーフとした、空に舞う大屋根が特徴


2つの「駅」のプロジェクトが同時進行中

はからずも、現在ブルースタジオでは「駅」を基点としたまちづくりのプロジェクトが2つも同時に進行中。
別府と肥前鹿島、背景も計画している内容も異なる点が多いですが、共通するのは「地域にすでにある日常」を活かしながら、「新しい文化を育む場所をつくる」ということ。
多様な人が行き交う「駅」という場で、どんな新たな日常や風景が生まれるのか、今から楽しみです。

次回の編むvol.44では、「公の施設」の再生をテーマとした2つのプロジェクトをご紹介したいと思います。

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