ネコーヒー:ブレンド #11杯目

 その性格は何が育てるのか。煮干しを手に考える日々。
 基本的にテトとマユは同じものを食べている。食べるスピードというか食べ始めの初速が違うので提供のタイミングは調整しなければならないが。
 マユはとにかく食べるのが速い。特にBreakfastのスタートダッシュは陸上男子100m決勝もかくやとばかりのスピードである。マユはドライフードを鼻から吸引しているのではないだろうか。
 そんなマユの食餌の要求方法は容赦がない。ニンゲンや周囲のモノに重量級の≪すりすり≫をしてアピールする。もしニンゲンが寝ていれば「ご飯ダンス」を踊り足音で叩き起こす。容赦がない。
 一方テトは煮干しを食べてからでないと主食を食べない。私がテトに媚びるために食餌の度に手渡ししていたのが習慣になってしまったのだが。それも決して毟り取るような食べ方ではなく、まるでついばむように歯先で咥えてから食べる。上品。
 そしてテトの要求の仕方もささやかだ。二回ほど細く高い声で「ヒにゃぁ」と鳴くだけである。上品。
 勿論「猫」として当然ワガママではあるが、その細部は驚くほど違う。これは道端の猫を撫でているだけでは知り得なかっただろう。
 気質、気性、それだけでは説明できないものが、陶器の皿から溢れている。


今日の英語:Personality

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