空の下の空間の中

 ツールとして種類を揃える。ただし使いこなせる範囲であること。
 私は傘を3.5種類持っている。メイン、サブ、日傘、そして折り畳み傘。どれも持ち前の優柔不断で充分吟味したお気に入りの傘だ。
 メインは藍色の60cmサイズ、骨は24本。重くて大きくて頑丈だ。だが私の傘は大きくなくてはいけない。でないと楽器が濡れるからだ。バイオリンケースを背負って外出する時に、ケースが濡れないよう広報もしっかりカバー出来る半径であることが必須だ。重くても野暮でも「大きい傘」であることが重要。
 サブは猫模様のビニールで50cm、300円。同じ店で買ったものを2本、それぞれ職場の置き傘と自宅のサブとして設置している。これは荷物が少なくかつ小雨の時に使用する。ビニールの傘は雨が降っていても空を見上げられるのが好きだ。
 日傘は黒に銀の50cm、ハンドルの細長い晴雨兼用タイプ。晴雨兼用となっているが何だか勿体無くて雨の日に使ったことはない。この日記でも書いたこの傘は、今も職場に置きっぱなしにしている。来年も同じ職場で働いていたら、また7月に開くだろう。
 最後の0.5は折り畳み傘、白と水色のストライプ。この傘をいつ買ったのか記憶にないが、あまり大きくもないし生地もくたびれてきたので新しい折り畳み傘がほしい。だけど今のこの傘が使えなくなったわけではない。店にいくと新しい様々な折り畳み傘がある。でも今の折り畳み傘は壊れてはいない。店には色々な折り畳み傘があって面白い、が「これだ!」と強く引かれるほどの傘はない。そのうち強烈にときめく折り畳み傘に遭遇したら買い換えるだろう。
 後悔無いよう吟味して選んだ、便利で愛着のある道具を手に空の下を歩く。

今日の英語:Parasol

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