連動する枝葉末節

　誰のためでもなく自分のため。誰かからの評価ではなく自己満足のため。
　日常で私はなるべく背筋を伸ばすようにしている。自分の体を意識できる余裕がある時は、腹をへこませ肩甲骨を寄せて、できるだけきれいな姿勢になるよう意識している。
　特別姿勢の指導を受けたり何らかのメソッドに基づいているかという訳ではない。運動の習慣も無いのでせめて姿勢くらいは健康な方向で維持しよう、という程度の意識だ。あと肩凝り予防にもなる。
　それに、姿勢を良くしているとバイオリンの音が良くなる。身体の緊張による錯覚という可能性もなきにしもあらずたが、何も意識していない時よりも腹をへこませている時の方が音にハリが出る、気がする。何時の記憶だか曖昧だが、ロマにルーツを持つバイオリニストが「自分の演奏法の秘密は、背骨で弾くこと」と言っていた。やはり体幹も弦の響きに感応があるのだろう。
　誰かに認識されていなくても、私は私の微細な差を感じている。

今日の英語：Spine