学習せずに学ぶ文字

 私は小学2年生まで片仮名が曖昧だった。本を読むのは好きだったのに、漢字の書き取りテストは大の苦手。そして今は「させていただく」という表現の濫用に苛立ちを覚えている。
 私には妹が2人いて、現在その子どもたちは未就学から小学6年まで。既にデジタルネイティブである彼/彼女らの電子通信への適応力には日々感心させられるが、何より驚くのは識字能力の高さだ。ゲームやネットの動画で字幕を眺めるうちに身に付いたのだろう、ふりがなの無いパンフレットや入場券、地元でもない駅名の表示などもすぐに読んでしまう。最も驚愕したのは再来年やっと小学校にあがる予定の豆大福がアルファベットを読んでいたことだ。
 現代の子どもの識字レベルは私の義務教育時代より遥かに高い。エンタメを享受するするために自然と身に付いたのだろう。もちろん計算能力や運動能力は別だろうし、長文の読解力もまた別の話だろう。それにしても机に縛り付けられなくてもここまで身に付けることができるというこは単純に感心する。
 世界は速度を上げ続けている。それでも私は、私が図書館の奥で味わった毛が逆立ち血管に銀が流れるような感動を、この子たちにも感じてほしいと願っている。


今日の英語:Literacy

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