技術を持て余した個室の混迷

 様々なものの自動化無人化が進んでる。特にこの半年ほどで私の周囲でレジのセルフ精算が一気に進んだ。ソーシャルディスタンスと人件費削減の相乗効果で加速度的に進んでいるのだろう。
 検温もアルコールスプレーの噴霧もセンサー対応で自動。自動ドアならバリアフリーに繋がるし、蛇口が自動センサーになれば水の止め忘れも防げる。あれもこれも電気を使って自動化、というのは釈然としないが、これも時代の趨勢なのだろう。
 しかしひとつだけ自動化してほしくないものがある。それはトイレのセンサーだ。商業ビルなどのパブリックな場所にあるトイレは人の動きを検知して水を流すものが多いのだが、私はこれに異義を申し立てる。自分の意思で出したモノくらい自分のタイミングで流させろ、と。
 トイレのセンサーがどのポイントを基準にスイッチを設定しているのか不明だが、便座に座った途端に水が流れることがある。水の無駄。またトイレットペーパーを取ろうと体を少し動かしただけでセンサーが反応することがある。水の無駄。ただ座って集中している最中に突然センサーが反応することもある。水の無駄。また便座から離れれば自動的に水が流れることになっているが、これまでのセンサーの働きぶりを鑑みるととても信用できない、ちゃんと流れてくれるか確認せずにはいられない。
 トイレの流水がタッチレスセンサー式でも構わない、ただ流すタイミングは自分で決めさせろ。出したモノの状態を確認してから流したい日だってあるのだ。
 バリアフリーをかかげ生活デザインは進化する。しかしセンサーに限らずトイレのスイッチ類のデザインだけこれほど混迷を極めるのか、理解不能この上なし。


今日の英語:Censor

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