不自然な脊椎動物のありふれた症状

 蓄積の決壊。それは動き続けている稼働部で。
 私の地味な自慢のひとつに肩関節の柔軟性がある。右手でも左手でも、背中で掻けない場所はない。何故わざわざ“孫の手”なんてものを使うのだろうかと不思議だったのだが、世間一般の人は背中に手が届かない箇所があって当然なのだと比較的最近知った。
 ところが去年の5月の連休明け、突然右肩が上がらなくなった。所謂“四十肩”である。朝起きたら肩がジンバルロックしたかのように動かない、昨日までは何ともなかったのに。痛いしシャツの脱ぎ着が非常に不便。しかし検査したところまごうことなき四十肩、肩腱板が断裂したわけでも石灰が溜まったわけでもない。多少不便だがそのうち治るだろうと放置していたら、最近治った。まだ十割の完治ではないが、痛みに怯えず“伸び”が出来る程度には回復した。あと少しでいま四十肩であることを忘れられる。
 しかしこれが左肩だったらバイオリンが弾けなくなって落ち込むだけではすまなかったかもしれない。
 深呼吸して体を伸ばし、動く体の奇跡に感謝する。

今日の英語:Joint

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