黒い湖面に降りるように
我が家は路地の奥に立地しているが、その路地の半ばにある街灯が6月頃より点灯しなくなった。
その街灯が点かないと我が家の玄関はほぼ闇の中となる。だがこうした不具合はどこに連絡をとればいいの分からないのと、家を間違えるような配置でもないので放置していた。それに、少し恐くも面白い。真っ暗な中を勘を頼りに歩くのは、どこに何があるか分からないという不安と、もしかしたら“何か”ひそんでいるかもしれないという緊張。玄関に手をおくまでの5m、夏休みの恐怖。
それももう終わってしまった。10月に入った頃に街灯は修復されてしまった。もう家まで迷うことなくたどり着ける。安全は何にも換えがたいが、あの3秒間の冒険の日々は懐かしいものとして刻まれている。
今日の英語:Streetlight
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