ネコーヒー:ストレート #18杯目

 雨ではあったが、先延ばししがちな行動を少しでも改良すべく外出した。
 今日の目的は保護猫カフェに行くこと。むしろ雨ならば人口密度も低かろう。通りかかった駅前のロータリーでは献血バスで閑古鳥が鳴いていたのでつい400ml献血をする。

 猫カフェが最も盛り上がる時間は人によって定義が異なるだろうが、私は間違いなく食後である。食事をして満足し、寝たり毛繕いしたりしているところを撫でたり眺めたりするのがとてもとても楽しい。

 ここの猫カフェは猫のだっこは禁止である。正直不満はあるが、猫の安全安眠を考えたらいたしかないことである。特に私のような猫が絡むと思考の平衡感覚を失うような人間には必要なルールだ。
 太極拳の如き緩やかさで猫に近づき、ヨガの柔軟性を意識しつつ猫を撫でる。脳には恍惚の蓮華が咲き、それを見透かした猫に冷めた目線を向けられる。

 もしこの場に人間が私一人だったら、猫の吸引をせずにはいられないだろう。

 濃淡はあれど動物全般は好きだ。しかし猫は何故こうも脳に作用するのか。見てよし触ってよし吸ってよし。もし私に官位を与える権限があったら、従五位下どころではない高位の役職を乱発していたに違いない。

 猫密度の高い空間にいると心に潤いがチャージされる。しかし私にはテトとマユを幸せにするという責務がある。よその猫は愛しけれど深く関わる余地はないのだ。が、

 あらゆる猫は魔物なのだ。


今日の英語:Official position

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?