ネコーヒー:ストレート #5杯目

 歌って踊って、そして第三の武器を手に入れる。
 テトとマユは非常によく食べる。それはただ出されたご飯を食べ尽くすという受動的なものではなく、空腹になれば能動的に人間に給仕させる。そのターゲットは食餌担当である私だ。ご飯要求のテクニックとしてはマユの華麗なステップによるご飯ダンスとテトの麗しきご飯ソング。だが年明け頃から新たな技が加わった。

 それは休日の朝、私がいつまでも眠っている時に発動する。ダンス&ソングでも私が反応しないままでいると、テトによる第三の技・ご飯キャノンが炸裂するのだ。

 ご飯キャノン、またの名をにゃんにゃん砲。テトは給仕もせず寝ている私の顔目掛けて『ニャーン!』を放つ。私が寝ているベッドに前足をかけて、顔を目掛けて正確に『ニャーン!』。それも1回だけでなく顔の側面から頭頂部側から、ひとり十字砲火で容赦なく『ニャーン!』を浴びせてくるのだ。こうなれば人間はキャットフードを給仕して恭順の意を示す他ない。

 空腹になったら盗むのではなく人間を叩き起こす、それがテトとマユの正義なのだ。


今日の英語:Cross-fire

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