ネコーヒー:エスプレッソ #6杯目

 私にとってマユはとても他人とは思えない、つい勝手に感情移入してしまう特徴がある。それは『目付きが悪い』こと。
 私は別に腹を立てているわけではないのに不機嫌だと思われてしまうことがある。単に何にも考えていないだけなのだが、それは感情を理解してもらえないまた悪い方に解釈されているのではないかという不安にも近いコンプレックスにもなっている。

 言っておくが、私はマユを顔で選んだわけではない。選んだ決め手は貸しきり状態の保護猫カフェで延々と私の手を“毛繕い”してくれたことだ。
 我が家に迎えた当初、私はマユが緊張してこういう顔つきになっているのかと思っていた。しかし迎えてから約3年、マユの顔立ちは変わらない。ただマユはデフォルトで“こう”なだけなのだ。この顔でご飯をねだり昼寝をしテトを毛繕いする。その一方で、キリキリと緊張し尖った表情のテトはすっかり美少女顔になってしまった。

 ただアイラインが三角形なだけ。周囲にとやかく言われたところでどうしようもない。今日もマユは愉快に満腹で生きていく。


今日の英語:Nasty look

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